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69.攻side
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「庵」
「何?」
問題が解決してから二ヶ月。
随分と庵の言葉も上達したと思う。
定期的な検査でも今の所問題は無いそうだ。
動きも走らなければ健常者とさして変わらない。まぁ、たまによろけるが。
「隣のクラスの奴から告られただろ?」
「·····あー···」
庵が溜息を着く。
「ちげぇよ···俺じゃなくて····」
「お前と高梨の事で呼び出された」と、庵が言う。
「あの二人付き合ってんの?」
隼人は人に対する距離感がない。
庵に対しては俺が威嚇するからと遠慮はしてくれてるが、その分俺に対しては遠慮なしだ。
「一応、ひてぇはしてぉいた」
当たり前だよ気持ち悪い。
嗚咽をする俺に庵がクスクス笑う。
初めの強気な性格は何処へやら。
澄ました顔は何処へやら。
穏やかな雰囲気になった庵は元々は柔らかい性格だったのかもしれない。
気の合う友人の前ではよく笑っていたしな。
まぁ、その笑みも俺の前だけ見せれば良いと思ってる。
「そぃや、その子から、れぉ宛にらぃ〇のアーディーのかぃた紙ぁずかったんだった」
「ふぅん」
で?何処にあんだ?
「ゃぶって捨てた」
「·············」
「どした?」
笑顔で聞いてくる庵に笑いそうになった。
こんなに独占欲強かったなんて知らなかった。
依存させたのは俺だけどまさかわざわざ預かって破いて捨てて「文句ねぇだろ?」って顔してるのが
「可愛い」
「な、だょ?とつぜぅ····」
お前だってそうするだろ?って?
当たり前だわ。
共依存しているからか、この重みが俺たちにはちょうどいい。
いや、まだ軽い方かもしれない。
「そいや、修学旅行だけど行ってもつまんねぇだろ?キャンセルしようぜ」
学校の思い出作りなんて必要ねぇだろ?
庵は俺の言葉に拒否をしない。
「じゃ、二人で別のとこ行こ?」
その代わり他の提案をしてくる。
「いいぜ。どこ行く?」
「へあにぉんせぅついてるとこ」
「あぁ、そう言うプレイしてぇの?」
「バカ」
欲しいもんは絶対手に入れる。
大学に行って資格取得した後、庵を連れて海外にでも住んでも良いなと思っている。
誰も知らない二人だけの新生活。
きっと庵は拒否しないだろう。
むしろ「置いていったら殺す」って言いそうだ。
「れぉ?」
タブレットで楽しそうに旅行先を探している庵を見ながら考えていると「どうした?」と、こっちを見てくる。
そのまま唇を重ねて「可愛いから見てた」と、言えば
「こっち見ろ」
と、怒られた。
「はいはい」
そう言って二人だけの思い出を残す為に旅行の計画を立てる事となった。
「何?」
問題が解決してから二ヶ月。
随分と庵の言葉も上達したと思う。
定期的な検査でも今の所問題は無いそうだ。
動きも走らなければ健常者とさして変わらない。まぁ、たまによろけるが。
「隣のクラスの奴から告られただろ?」
「·····あー···」
庵が溜息を着く。
「ちげぇよ···俺じゃなくて····」
「お前と高梨の事で呼び出された」と、庵が言う。
「あの二人付き合ってんの?」
隼人は人に対する距離感がない。
庵に対しては俺が威嚇するからと遠慮はしてくれてるが、その分俺に対しては遠慮なしだ。
「一応、ひてぇはしてぉいた」
当たり前だよ気持ち悪い。
嗚咽をする俺に庵がクスクス笑う。
初めの強気な性格は何処へやら。
澄ました顔は何処へやら。
穏やかな雰囲気になった庵は元々は柔らかい性格だったのかもしれない。
気の合う友人の前ではよく笑っていたしな。
まぁ、その笑みも俺の前だけ見せれば良いと思ってる。
「そぃや、その子から、れぉ宛にらぃ〇のアーディーのかぃた紙ぁずかったんだった」
「ふぅん」
で?何処にあんだ?
「ゃぶって捨てた」
「·············」
「どした?」
笑顔で聞いてくる庵に笑いそうになった。
こんなに独占欲強かったなんて知らなかった。
依存させたのは俺だけどまさかわざわざ預かって破いて捨てて「文句ねぇだろ?」って顔してるのが
「可愛い」
「な、だょ?とつぜぅ····」
お前だってそうするだろ?って?
当たり前だわ。
共依存しているからか、この重みが俺たちにはちょうどいい。
いや、まだ軽い方かもしれない。
「そいや、修学旅行だけど行ってもつまんねぇだろ?キャンセルしようぜ」
学校の思い出作りなんて必要ねぇだろ?
庵は俺の言葉に拒否をしない。
「じゃ、二人で別のとこ行こ?」
その代わり他の提案をしてくる。
「いいぜ。どこ行く?」
「へあにぉんせぅついてるとこ」
「あぁ、そう言うプレイしてぇの?」
「バカ」
欲しいもんは絶対手に入れる。
大学に行って資格取得した後、庵を連れて海外にでも住んでも良いなと思っている。
誰も知らない二人だけの新生活。
きっと庵は拒否しないだろう。
むしろ「置いていったら殺す」って言いそうだ。
「れぉ?」
タブレットで楽しそうに旅行先を探している庵を見ながら考えていると「どうした?」と、こっちを見てくる。
そのまま唇を重ねて「可愛いから見てた」と、言えば
「こっち見ろ」
と、怒られた。
「はいはい」
そう言って二人だけの思い出を残す為に旅行の計画を立てる事となった。
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