召喚された聖女はバリたちイケボなおねにぃさんでした

2·聖女様はオトコの娘

「伊達信定だ」

　異世界の名前だろう。
　やたら漢と書いてオトコぽい名前の聖女様。

【ダテ ノブサダ】と、名乗る聖女様のそのイケボを聞いて私は思い出した。


　そう···私は令和に生きた20代の日本人女性。
　社畜として身を粉にしてアホみたいに働きそしておっちんだ腐女子だった。

　そしてこの世界は私が知っている【聖女を愛してイケメン乱の国(R18)】の乙女ゲーム。
　私はその悪役令嬢のドリーマー・カヌレット。ヒロインである聖女を散々いじめて断罪されるテンプレ令嬢····

　ナノだが······



「おいおい、随分衝撃的な告白だなァ」

　聖女様がオトコの娘とか聞いてない。

　伊達様？
　ここは乙女ゲームの中ですよ？

　見た目ものごっつ美少女なのに声が某大御所声優に似た低音ボイス過ぎて耳が天国。

　乙女ゲームがBLゲームに早変わり。


「せ···聖女？」

　男？と、王太子が顔を引きつらせて聞いてくる。

「あぁ、ちゃんと着いてるぜ」

　そんな可愛らしいお顔でそんな事言わないでおくんなまし？

「俺と結婚したいんだって？そこにいるお嬢さんと破棄してまで」
「え？····いや、、その····」
「言っとくけど俺  


　                              コン〇ームXLのバリタチだから」



　いや、お前が攻めるんかーい！！
　この世界にゴンドー〇さん存在しません。
　つか、XLサイズ。




　その顔でXL！！？





　　　　　その顔で！！？！？





「よく見れば中々可愛い顔してんじゃねぇか(イケボ)」

「良いぜぇ？俺、こう見えて結構自信あんだよ(イケボ)」

「優しく抱いてやるよ(イケボ)」











皆様、目を瞑ってお聞きください。









声だけ聞けば乙女ゲーム・またはBLゲームです。





目を開ければ美少女からイケボなおっさんの声が聞こえます。





ダメだ。
頭の中処理不可だ······。