死に別れた縁と私と異界の繋

海林檎

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 焼けたクッキーとお茶を持って繋の所へ向かう。
 素朴な味だが、美味く出来たと思う。
 座敷童子達も「美味しい」と、言って絶賛してくれた。

「失礼します」

 結は静かに扉を開ければ巻き物に目を通している繋の姿があった。

「お茶とお茶菓子持ってきたよ」

「あぁ、そこに置いておいてくれ」

 机の上にお盆を置いて長椅子に座った結は黙々と仕事をしている繋を眺める。


「··········」


 困った報告書でもあったのだろうか。
 僅かに眉間に皺を寄せて少しだけ険しい顔。
 考える際に首を軽くかく癖がある。
 真剣な眼差しの金色の瞳の色が綺麗。

「·······そんなに見詰められちゃ穴が開きそうだ」

「····へ!?」

 クスクス笑う繋に言われてハッとして、そんなに長く眺めていたのだろうかと急に恥ずかしくなった。

「そんな暇そうにしている結の為に休憩でもしてやるか」

「ちょ···もぉ!人の所為にしないでよ」

「はいはい」

笑いながら席を立ち、結の隣に座って目の前に置かれたお盆に乗ったクッキーに目をつける。

「これは?」

「クッキー。洋菓子なんだけどこっちの材料を使ってアレンジしてる」


味は悪くない····と、思う。
座敷童子達にも「美味しい」と、言ってくれたからきっと大丈夫。

「結が作ったのか?」

「あ、うん。童子ちゃん達と一緒に厨房を借りて····」

「へぇ···」

繋は一つクッキーを摘み、口に近づける。
サクリと音を鳴らしてクッキーが半分口の中に入った。

「·····美味い」

サクッとした歯触り、口の中に広がる蜂蜜の甘さが拡散していく。

「美味い」と、言われて嬉くなったのもつかの間。
あっという間に平らげてしまった。



「もうねぇの?」




「···あ、うん。また今度作るね」



「今日の晩飯これがいい」



それはダメだと却下された。


それから時折、厨房を借りれる時は結は繋に焼き菓子を作っては提供する事になった。


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