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三
六
しおりを挟む話は変わって繋は結にお茶のことについて話す。
「稀に薬を盛る奴とかいんだよ」
それが媚薬だったり毒だったりと。
今の所、繋は被害にはあっていないが、以前その様な事件があった。
その茶を飲まずに済み、犯人は直ぐに捕まったが、今回のようにお茶出しが交代した時に事件が起きてお茶を持ってきた娘が犯人にされそうになったらしい。
「だから、最後まで責任もって持ってこい」
「·······はい」
「ごめんなさい」と結が素直に謝罪すれば繋は小さな笑みを見せて結の頭を撫でた。
「················」
その笑い方と優しい手つきが何だか狡いと思った。
「あ?どした??」
「····ぅうん、何でもない!」
もどかしい気持ちを必死に隠しつつ熱くなる頬を見せないように背けて「お手洗いに行く」と、伝えて結は執務室から出ていく。
廊下に出た結は俯いて大きな溜息を着いた後
「しっかりしろ~」と、独り言を呟く。
きっと縁と被って見えるからだ。
そうに決まっている。
それに甘えているだけ。だと·····
自分に言い聞かせながら厠へ向かった。
「········縁?」
その様子を姫雛が聞いていたなんて結は知らない。
-----------
座敷童子達から聞いた話。
縁は病死した結の恋人。
そして繋に似ていると言う。
「あの小娘、繋をそいつの代わりにでもしようとしてるの?」
上手いこと懐の中にはいったものだと姫雛が苦虫を噛み潰したような顔をする。
「許せないわ。人間の分際で····」
かと言って結は普段繋に付きっきりで屋敷から出ることはない。
店の使用人達も「繋の小間使い」と、認識している為、下手な事はしないだろう。
仕方ない。
気が乗らないがそうするしかないか。
そう呟いた後、姫雛はニヤリと笑った。
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