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一
八
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「美味そう」
「美味しくないです···」
頬に手を添えられ金色の瞳が結を見つめる。
人喰い。
この妖怪も人を喰らうのなら危険だと結の中で赤いサイレンが鳴り響く。
ここに居ては危険だと。
「····ぁの····近····」
縁に似たその顔で近づかないで欲しい。
「長」
二人の座敷童子を掴み上げたムギが戻ってきた。
「捕まえました····って···本当に手が早いんだから!」
困っている人間を味見しようとするなとムギが咎めながらムギは二人の座敷童子を結と繋の前に下ろした。
「「··········へへっ···」」
二人の座敷わらしは悪びれる様子もなく笑っている。
身体の向きを変えて繋は二人のわらしを見る。
「何であげたんだ?」
にっこり笑う繋にわらし達は素直に話す。
「可愛かったから」
「長が好きそうだと思ったから」
この二人のわらしは結を繋の貢ぎ物として結に飴を与えたという事だろうか。
「そうか。俺の為になぁ」
よしよしと、繋は二人の頭を撫でればわらし達も嬉しそうにしている。
しかし····
「その所為でこの姉ちゃん帰れなくてすげぇ困ってんぞ?」
「そうなの?」と、首を傾げてわらし達は結を見る。
「帰らないと家族が心配するから····」
あと、食われたくないと言うのが本音でもある結は困った顔をしたままどうにか帰る方法を探さなければならないとわらし達に言う。
「そっかぁ」
「でも帰れなくなっちゃったよ」
「うん。お前らのせいでな」
繋の言葉はご最もである。
けれど己の身の安全の為、己の家族の為に帰らなければならない。
帰る手立てを探す為、いつになるか分からない火ノ神の謁見に神頼みするしか他ないのだが····
「火ノ神様忙しい人だから」
「お姉ちゃんが死ぬ前に会えたらいいね」
さらりと言われた座敷童子の言葉に開いた口が塞がらない。
「死ぬ前に···?」
繋に食い殺される前にって事だろうか。
「老人になる前には謁見くらいできるようにしてやるよ」
「········ぁ······そっち」
「そっちって??」
結の「そっち」と、言う言葉にムギが首を傾げる。
「あ····うん。なんでもないです····」
食い殺される前だと思っただなんて流石にいえなかった。
「美味しくないです···」
頬に手を添えられ金色の瞳が結を見つめる。
人喰い。
この妖怪も人を喰らうのなら危険だと結の中で赤いサイレンが鳴り響く。
ここに居ては危険だと。
「····ぁの····近····」
縁に似たその顔で近づかないで欲しい。
「長」
二人の座敷童子を掴み上げたムギが戻ってきた。
「捕まえました····って···本当に手が早いんだから!」
困っている人間を味見しようとするなとムギが咎めながらムギは二人の座敷童子を結と繋の前に下ろした。
「「··········へへっ···」」
二人の座敷わらしは悪びれる様子もなく笑っている。
身体の向きを変えて繋は二人のわらしを見る。
「何であげたんだ?」
にっこり笑う繋にわらし達は素直に話す。
「可愛かったから」
「長が好きそうだと思ったから」
この二人のわらしは結を繋の貢ぎ物として結に飴を与えたという事だろうか。
「そうか。俺の為になぁ」
よしよしと、繋は二人の頭を撫でればわらし達も嬉しそうにしている。
しかし····
「その所為でこの姉ちゃん帰れなくてすげぇ困ってんぞ?」
「そうなの?」と、首を傾げてわらし達は結を見る。
「帰らないと家族が心配するから····」
あと、食われたくないと言うのが本音でもある結は困った顔をしたままどうにか帰る方法を探さなければならないとわらし達に言う。
「そっかぁ」
「でも帰れなくなっちゃったよ」
「うん。お前らのせいでな」
繋の言葉はご最もである。
けれど己の身の安全の為、己の家族の為に帰らなければならない。
帰る手立てを探す為、いつになるか分からない火ノ神の謁見に神頼みするしか他ないのだが····
「火ノ神様忙しい人だから」
「お姉ちゃんが死ぬ前に会えたらいいね」
さらりと言われた座敷童子の言葉に開いた口が塞がらない。
「死ぬ前に···?」
繋に食い殺される前にって事だろうか。
「老人になる前には謁見くらいできるようにしてやるよ」
「········ぁ······そっち」
「そっちって??」
結の「そっち」と、言う言葉にムギが首を傾げる。
「あ····うん。なんでもないです····」
食い殺される前だと思っただなんて流石にいえなかった。
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