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私が起きるまであと5分…2
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私たちの間に気まずい空気が流れた。
「お前さ、最初病気ってわかったとき、どう思ったの?」
「なんか、嬉しくなかった。病気だわ。私がずっと寝ててもいいって許されたのに、嬉しくないなんて」
「…そっか」
「てかもーほんと、暇!布団あきたー。なんか遊ぶものとか持ってないの?」
「なんだよ、布団との婚約破棄すんのか?」
「婚約してないから」
こいつはまだ言っているのか。思わず笑ってしまった。
「じゃあ俺と婚約するか」
「…なんで?」
私は勢いよくたけの方を向いた。たけはまだ俯いたままで表情はよくわからない。
「俺がしたいから?」
「なんで疑問形?」
「お前が布団を捨てたら他に貰い手いないだろ」
「布団ライバル意識しすぎだろ」
「俺にしとけって」
たけは真剣な顔で私を見つめ、私の手に両手を重ねた。
「本気」
悪い冗談だって言ってくれ。なんだか泣きそうだから。
「本気って書いてマジって読んでもいいよ」
だめだよ、だって私…。
「私ずっと寝たきりだよ」
「俺が会いたいとき自由に会えるじゃん」
「私が会いたいときは無視か」
「お前が俺に会いたくないときなんてないだろ」
たけは自信満々に答えた。
「子供つくれるかわかんないよ」
「ずっと二人でもいいじゃん」
「結婚式とかできないかもよ」
「他のやつに紹介して浮気とかライバル増やしたくないし」
「私そんなにモテないからそこは気にしなくていいよ」
「どんな物好きがいるかわかんねぇだろ!」
「どこに怒ってんだよ」
笑ったら勝手に涙が出てきた。でも、見られたくないから、私はずっと重なった二人の手を見ていた。
「一緒にどっか行ったりもできないよ」
「一人旅好きだし」
「おい」
たけが旅してるとこなんて見たことないけど。
「嘘だよ、お前のこと監禁できて嬉しいって」
「突然のヤンデレやめろ」
たけが笑った。
「そんなに俺じゃいや?」
「そんなに私がいいの?」
私はやっと顔をあげた。バチッとたけと目が合う。
「お前がいい」
「即答やん」
私はついに声をあげて泣き出した。
続
「お前さ、最初病気ってわかったとき、どう思ったの?」
「なんか、嬉しくなかった。病気だわ。私がずっと寝ててもいいって許されたのに、嬉しくないなんて」
「…そっか」
「てかもーほんと、暇!布団あきたー。なんか遊ぶものとか持ってないの?」
「なんだよ、布団との婚約破棄すんのか?」
「婚約してないから」
こいつはまだ言っているのか。思わず笑ってしまった。
「じゃあ俺と婚約するか」
「…なんで?」
私は勢いよくたけの方を向いた。たけはまだ俯いたままで表情はよくわからない。
「俺がしたいから?」
「なんで疑問形?」
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「布団ライバル意識しすぎだろ」
「俺にしとけって」
たけは真剣な顔で私を見つめ、私の手に両手を重ねた。
「本気」
悪い冗談だって言ってくれ。なんだか泣きそうだから。
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だめだよ、だって私…。
「私ずっと寝たきりだよ」
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「お前が俺に会いたくないときなんてないだろ」
たけは自信満々に答えた。
「子供つくれるかわかんないよ」
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「私そんなにモテないからそこは気にしなくていいよ」
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「どこに怒ってんだよ」
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「おい」
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たけが笑った。
「そんなに俺じゃいや?」
「そんなに私がいいの?」
私はやっと顔をあげた。バチッとたけと目が合う。
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私はついに声をあげて泣き出した。
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