三角関係

蛭魔だるま

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男2「…もうすぐ卒業だな」

男1「ああ、そうだな」

男2「…お前こそ悩みとかねぇの?」

男1「あー、今が幸せすぎるのが悩みかな」

男2「なんだそりゃ」

男1「いや、この幸せを失わないようにするのに、精一杯だから、悩んでる暇もねぇわ」

男2「いいな、それ」

男1「お前も俺の真似しとけ」

男2「じゃあ、幸せのために、いつまでも…友達でいてくれ」

男1「嫌だ」(即答)

男2「…え?」
 
男1はわざとらしく咳払い。
 
男1「だがな、親友としてなら、考えてやらなくもないぞ」

男2「…32点」

男1「え?」

男2「セリフがこの前貸した漫画と同じ。言ってやった感が凄い。もう少し頑張りましょう」

男1「え、お前、そこで毒舌に戻ります?うわーそういうとこありえねーわー」

男2「お前こそさっきから、本音だの、毒舌だの、意見変わりすぎなんだよ」

男1「あ?お前が加減を知らねぇからだろ」

男2「加減なんて知るか」

男1「お前なんて知り合いに降格だ」

男2「じゃあお前は親友に昇格だ」

男1「なん…はぁ、だから、急に流れを変えてくるなよ。あーもう…本当…」

男2「なんだよ、言えよ」

男1「仕方ねぇから、俺と彼女の結婚式の、スピーチくらいは頼んでやるよ」

男2「お前…今日付き合ったばっかりだろ」

男1「俺はお前と違って、将来の設計がしっかりできているからな」

男2「知らないのか?将来なんて考えたって意味ないんだ、せいぜい彼女と別れないように今を楽しむしかないんだぞ」

男1「なんだそりゃ?さっきまで進路で悩んでいたやつが」

男2「そんなもん、過ぎた過去だ。…俺は、教師になるかなー」

男1「お前、いきなり将来のこと考えているじゃねぇか」

男2「え、これくらいはセーフだろ?」

男1「いやいや、なんでそんなふわふわしてんだよ。…ははーん、お前、あれだろ!誰かに入れ知恵されたな」

男2「…されてねぇ」

男1「まったく、お前は影響されやすいんだから。この前も、学校前で配られていた聖書読んで、何かに目覚めていただろ」

男2「いや、あれは違ぇよ」

男1「その前は、先生の地球滅亡論に怯えていたし」

男2「それは仕方ねぇよ。怖いもん」

男1「その前はーえーっとー」

男2「もういい、もういい」
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