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「僕は、25歳までに結婚して、子供が欲しい。そのために、今のうちに彼女を作っておきたいんです」
なんかそれって…。
「失礼じゃない?」
「どこがですか?好きになることは失礼なんでしょうか?相手に聞かず勝手に将来設計をしたからでしょうか?」
「…私は年上の人が好き。でも、誰でもいい訳じゃなくて、顔や声とか性格で好きになって…そういう人は基本年上だから、年上の人が好み。でも、君の場合、優れているから好きになるって逆じゃない?」
「お見合いとか、お金目当ての結婚とかだってあるじゃないですか」
「いや、君が、優れているからその人に興味を持って好きになっていくのは否定しないよ。でも、このまま君が私を好きになって、告白した場合、一番の理由が自分より優れているからなら、私は断る。だって、それって誰でも良くない?って思うから。私じゃなきゃ駄目って感じがまったくしないから」
私は改めて彼の目を見つめ返した。
「…僕にも好みはありますよ。誰でもいい訳では…」
「いや、それもわかるよ。でも、なんか、このそんな優れてない大学で、授業でちょっと自分より発言が凄かったからってなんだか。…君こそ私を過信するなっていうか。人間である以上、完璧な人間はいないし、他の人は必ず自分より優れているところがあると思う。もっと優れている人だってたくさんいるんだから、結婚したくて焦る気持ちはわかるけど…とりあえず、私なんかで妥協するな」
「ひーたんかっけー」
私たちは声のした方を見た。教室の扉が開き、天使君を背中に乗っけている春が入ってきた。なぜか天使君は春の口を塞いでいる。…盗み聞きか。
「…立川さん、わかりました。僕なりに考えてみます。あなたの、どこがいいか」
「いや…ええ…?」
笹森君は満足そうな顔で自分の席に戻っていった。
私より他にもっと目を向けなよって意味だったんだけど…私に良い要素があるとも思えないし、このままでいいか。
「緋色、俺もかっこいいって思った。あと、ノートありがとう」
海里が凄い頷きながらノートを返してきた。
海里も天使君もかっこいいって言うけど、中身結構自虐というか、情けない気がするけどな。
海里は席に戻り、何やら笹森君と話していた天使君がその横に座った。
春は…?
「あのさ…」
右ばかり見ていたら、いつの間にか私の左にいたようで、隣に座ってきた。
「何?」
「いや…」
「すみません、遅くなりました。時間ギリギリだ。すぐ準備するので、待っててくださいね」
「…あ!手伝います!」
アピールできるチャンスだ。
「ありがとう」
先生の笑顔は今日も素敵だ。…笹森君には偉そうに言ったけど、私は本当に先生を好きなんだろうか。私こそ、年上、おじさんだから好きになってはいないだろうか。
なんかそれって…。
「失礼じゃない?」
「どこがですか?好きになることは失礼なんでしょうか?相手に聞かず勝手に将来設計をしたからでしょうか?」
「…私は年上の人が好き。でも、誰でもいい訳じゃなくて、顔や声とか性格で好きになって…そういう人は基本年上だから、年上の人が好み。でも、君の場合、優れているから好きになるって逆じゃない?」
「お見合いとか、お金目当ての結婚とかだってあるじゃないですか」
「いや、君が、優れているからその人に興味を持って好きになっていくのは否定しないよ。でも、このまま君が私を好きになって、告白した場合、一番の理由が自分より優れているからなら、私は断る。だって、それって誰でも良くない?って思うから。私じゃなきゃ駄目って感じがまったくしないから」
私は改めて彼の目を見つめ返した。
「…僕にも好みはありますよ。誰でもいい訳では…」
「いや、それもわかるよ。でも、なんか、このそんな優れてない大学で、授業でちょっと自分より発言が凄かったからってなんだか。…君こそ私を過信するなっていうか。人間である以上、完璧な人間はいないし、他の人は必ず自分より優れているところがあると思う。もっと優れている人だってたくさんいるんだから、結婚したくて焦る気持ちはわかるけど…とりあえず、私なんかで妥協するな」
「ひーたんかっけー」
私たちは声のした方を見た。教室の扉が開き、天使君を背中に乗っけている春が入ってきた。なぜか天使君は春の口を塞いでいる。…盗み聞きか。
「…立川さん、わかりました。僕なりに考えてみます。あなたの、どこがいいか」
「いや…ええ…?」
笹森君は満足そうな顔で自分の席に戻っていった。
私より他にもっと目を向けなよって意味だったんだけど…私に良い要素があるとも思えないし、このままでいいか。
「緋色、俺もかっこいいって思った。あと、ノートありがとう」
海里が凄い頷きながらノートを返してきた。
海里も天使君もかっこいいって言うけど、中身結構自虐というか、情けない気がするけどな。
海里は席に戻り、何やら笹森君と話していた天使君がその横に座った。
春は…?
「あのさ…」
右ばかり見ていたら、いつの間にか私の左にいたようで、隣に座ってきた。
「何?」
「いや…」
「すみません、遅くなりました。時間ギリギリだ。すぐ準備するので、待っててくださいね」
「…あ!手伝います!」
アピールできるチャンスだ。
「ありがとう」
先生の笑顔は今日も素敵だ。…笹森君には偉そうに言ったけど、私は本当に先生を好きなんだろうか。私こそ、年上、おじさんだから好きになってはいないだろうか。
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