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「…百合華…ちゃんは天使君のどこが好きなの?」
「うーん、私さ、可愛いものが好きなんだよね。光君とか、緋色ちゃんみたいな」
「…え?」
驚いて百合華を見るがニコニコ笑いながらパンケーキを切っていた。
「他の光君と一緒にいる子は、ガチ恋系なんだけど、私は…目の保養?…うーん、甘やかしたいからいる、みたいな?」
「うん?」
あまりピンと来てない。
「緋色ちゃんは甘やかしてくれる大人が好きでしょ?でも私は、甘やかせる可愛い子が好き」
「なるほど…?」
「私と緋色ちゃんは好みが正反対、でしょ?近くにそういう人いなかったし、喋ってみたいなーって思って。あ、今日後ろの席だったのはたまたま!あの真ん中よりちょい後ろの席いいよね」
「じゃあ、天使君は恋愛対象ではないの?」
天使君と一緒にいる親衛隊は全員ガチ恋だと思っていた。
「光君はー可愛いけど違うかな。恋人にするなら、あのあざとさよりは初々しい感じがいい」
「…なるほど」
初々しい反応の男子が百合華に迫られたら100%落ちるでしょ。
「あ、髪にゴミついてるよ。取ってあげる」
恥ずかしい。お言葉にあまえて私は頭を下げた。
あれ…?撫でられてる?
「光君と緋色ちゃんは可愛いから頭撫でたくなる。恋愛対象はこうやって甘やかすより意地悪したくなる感じかな」
頭撫でられたのなんて子供の頃以来だな。
「百合華ちゃんといると、彼女気分と彼氏気分両方味わえるね」
「私はお母さん気分味わえるからWin-Winだね」
おままごとで必ずお母さん役やりたがっていた友達を思い出した。
「…百合華ちゃんは私のこと変って思わないの?」
「変って?」
「年の離れた人が好きってこと。他の女子は冗談って思うか、やめなよって言ってくるから」
私は残り少ないカレーを見ながら聞いた。怖くて百合華の顔は見れなかった。
「その人たちは自分と違うから変だって思う人なんだよ。私は自分と違うから、緋色ちゃんのこと知りたいって思う人。だから変とは思わないな。緋色ちゃんは私のこと変って思う?」
「思わない…です」
「よし、じゃあ恋バナしよ」
百合華は両手で頬杖をついて上目遣いでこちらを見てきた。人間としても女子としても勝てない気がする。
私たちはお互いの好きなもの、おじさんと可愛い物について語り合った。
「楽しかったーありがとう」
「私も女子とこんな風に恋バナできるの初めてだから良かったよ」
私たちはカフェを後にした。
「じゃあ今度は遊びに行こうよ」
「うん」
「次からは百合華でいいよ!」
私が友達をちゃん付けで呼び慣れていない姿を楽しんでいたんだろうな。恋バナで結構百合華のことがわかってきた。
「うん、じゃあ私も緋色でいいよ」
「可愛いから無理」
「ええ…どういう理由」
「私授業ないからこのまま帰るね。ばいばい」
手を振りながらくるりと背を向け帰っていった。
自分を持っていて、強くて可愛い、ああいう女の子になりたいな。
最近は他人をちゃんと理解してくれるいい友達が3人も出来たな。対人運上昇してるのかな。私はにやけないように気を付けながら次の授業へ向かった。
「うーん、私さ、可愛いものが好きなんだよね。光君とか、緋色ちゃんみたいな」
「…え?」
驚いて百合華を見るがニコニコ笑いながらパンケーキを切っていた。
「他の光君と一緒にいる子は、ガチ恋系なんだけど、私は…目の保養?…うーん、甘やかしたいからいる、みたいな?」
「うん?」
あまりピンと来てない。
「緋色ちゃんは甘やかしてくれる大人が好きでしょ?でも私は、甘やかせる可愛い子が好き」
「なるほど…?」
「私と緋色ちゃんは好みが正反対、でしょ?近くにそういう人いなかったし、喋ってみたいなーって思って。あ、今日後ろの席だったのはたまたま!あの真ん中よりちょい後ろの席いいよね」
「じゃあ、天使君は恋愛対象ではないの?」
天使君と一緒にいる親衛隊は全員ガチ恋だと思っていた。
「光君はー可愛いけど違うかな。恋人にするなら、あのあざとさよりは初々しい感じがいい」
「…なるほど」
初々しい反応の男子が百合華に迫られたら100%落ちるでしょ。
「あ、髪にゴミついてるよ。取ってあげる」
恥ずかしい。お言葉にあまえて私は頭を下げた。
あれ…?撫でられてる?
「光君と緋色ちゃんは可愛いから頭撫でたくなる。恋愛対象はこうやって甘やかすより意地悪したくなる感じかな」
頭撫でられたのなんて子供の頃以来だな。
「百合華ちゃんといると、彼女気分と彼氏気分両方味わえるね」
「私はお母さん気分味わえるからWin-Winだね」
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「…百合華ちゃんは私のこと変って思わないの?」
「変って?」
「年の離れた人が好きってこと。他の女子は冗談って思うか、やめなよって言ってくるから」
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「その人たちは自分と違うから変だって思う人なんだよ。私は自分と違うから、緋色ちゃんのこと知りたいって思う人。だから変とは思わないな。緋色ちゃんは私のこと変って思う?」
「思わない…です」
「よし、じゃあ恋バナしよ」
百合華は両手で頬杖をついて上目遣いでこちらを見てきた。人間としても女子としても勝てない気がする。
私たちはお互いの好きなもの、おじさんと可愛い物について語り合った。
「楽しかったーありがとう」
「私も女子とこんな風に恋バナできるの初めてだから良かったよ」
私たちはカフェを後にした。
「じゃあ今度は遊びに行こうよ」
「うん」
「次からは百合華でいいよ!」
私が友達をちゃん付けで呼び慣れていない姿を楽しんでいたんだろうな。恋バナで結構百合華のことがわかってきた。
「うん、じゃあ私も緋色でいいよ」
「可愛いから無理」
「ええ…どういう理由」
「私授業ないからこのまま帰るね。ばいばい」
手を振りながらくるりと背を向け帰っていった。
自分を持っていて、強くて可愛い、ああいう女の子になりたいな。
最近は他人をちゃんと理解してくれるいい友達が3人も出来たな。対人運上昇してるのかな。私はにやけないように気を付けながら次の授業へ向かった。
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