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「おかえりー」
「ただいまー。席ありがと。…少なくない?足りるの?」
潤香の小さなお弁当箱には千切りキャベツだけが詰め込まれている。
「足りる足りるー」
潤香は運動せずに無茶な食事制限で痩せようとする。前に貧血で授業中倒れたこともあった。
「ひーいーろー。見てたよー?天使君と一緒だったでしょ」
真琴と沙代里が席に座る。
「あー…うん。今日授業前に海里…あの、バレー部のイケメン?と仲良くなって、友達らしくて流れで天使君とも仲良くなって」
「やるじゃん緋色ー」
真琴は嬉しそうに笑っている。目も笑っているかはわからないけど。
「うん、あのー天使君のこと気になってる子いるって言ったら今度紹介してって言ってたよ。お菓子持っていったら好感度すぐ上がると思う」
「ありがとー!私は緋色と天使君が一緒のとき、この大盛りどんぶり持ってるときに紹介されたらどうしようって不安だったよー」
「ご飯時以外に紹介するね」
真琴は去年、同じ学科の女子と男子を取り合っていた。真琴と男の取り合いは絶対にしたくない。色んな意味で怖いから。だからこそ、天使君はあの中で一番無いんだよなぁ。
「緋色って意外と男子と仲良くなるの早いよね」
「そうかな?」
いや、そういう話題は危険な気がする。私はお味噌汁を飲んだ。
「ほら、一年のときの知らない人とグループ組まされてなんか話し合いみたいなのする授業あったじゃん」
「職業基礎のこと?」
「そうそう。緋色と同じ前期だったんだけど、男子とすぐ打ち解けてたよね」
「打ち解けるっていうか、男子には勧誘してただけで。その後挨拶だけする友達も女子しかいないよ。」
潤香にどんどんこの話題を広げられてしまった。おじさんが好きって言ってるくせに結局同級生狙いかよとは思われたくない。
「へー緋色って結構初対面の人いけるんだね。私あの授業苦手だった」
あの授業はチャラい男子とかやる気ない女子とかいて自分に合う人と運よくグループになれないときつい。毎授業ランダムで席も決まるし。
「あれじゃない?緋色は下心ないから男子とも仲良くなれんじゃない?」
「いやーうちの学校で女子が下心ありでお近づきになりたい男子なんてそうそういないでしょ」
「確かにー」
「天使君くらいかなー」
あれー?去年のなんとか君は?取り合ったもののまったく関係ない女子と付き合った彼の事は上手く記憶から消したようだ。
「私が先生かっこいいって言ったら、結構天使君アシストしてくれて…性格も結構良さげだったよ。甘やかしてくれる系がタイプっぽい話してた」
天使君に私のタイプは先生と伝えたこと、性格の良さ、タイプを聞きだしたので、私は真琴の敵じゃないってことをしっかりアピールする。
「緋色有能ー!天使君みたいな可愛い系男子、甘やかすしかないでしょー」
「任せてよ」
女友達は敵に回してはいけない。小学生でもわかる簡単な常識だ。嫌われてはいけない、疑われてはいけない。天使君とはこれからもただの仲の良い友達でいたい。
「ただいまー。席ありがと。…少なくない?足りるの?」
潤香の小さなお弁当箱には千切りキャベツだけが詰め込まれている。
「足りる足りるー」
潤香は運動せずに無茶な食事制限で痩せようとする。前に貧血で授業中倒れたこともあった。
「ひーいーろー。見てたよー?天使君と一緒だったでしょ」
真琴と沙代里が席に座る。
「あー…うん。今日授業前に海里…あの、バレー部のイケメン?と仲良くなって、友達らしくて流れで天使君とも仲良くなって」
「やるじゃん緋色ー」
真琴は嬉しそうに笑っている。目も笑っているかはわからないけど。
「うん、あのー天使君のこと気になってる子いるって言ったら今度紹介してって言ってたよ。お菓子持っていったら好感度すぐ上がると思う」
「ありがとー!私は緋色と天使君が一緒のとき、この大盛りどんぶり持ってるときに紹介されたらどうしようって不安だったよー」
「ご飯時以外に紹介するね」
真琴は去年、同じ学科の女子と男子を取り合っていた。真琴と男の取り合いは絶対にしたくない。色んな意味で怖いから。だからこそ、天使君はあの中で一番無いんだよなぁ。
「緋色って意外と男子と仲良くなるの早いよね」
「そうかな?」
いや、そういう話題は危険な気がする。私はお味噌汁を飲んだ。
「ほら、一年のときの知らない人とグループ組まされてなんか話し合いみたいなのする授業あったじゃん」
「職業基礎のこと?」
「そうそう。緋色と同じ前期だったんだけど、男子とすぐ打ち解けてたよね」
「打ち解けるっていうか、男子には勧誘してただけで。その後挨拶だけする友達も女子しかいないよ。」
潤香にどんどんこの話題を広げられてしまった。おじさんが好きって言ってるくせに結局同級生狙いかよとは思われたくない。
「へー緋色って結構初対面の人いけるんだね。私あの授業苦手だった」
あの授業はチャラい男子とかやる気ない女子とかいて自分に合う人と運よくグループになれないときつい。毎授業ランダムで席も決まるし。
「あれじゃない?緋色は下心ないから男子とも仲良くなれんじゃない?」
「いやーうちの学校で女子が下心ありでお近づきになりたい男子なんてそうそういないでしょ」
「確かにー」
「天使君くらいかなー」
あれー?去年のなんとか君は?取り合ったもののまったく関係ない女子と付き合った彼の事は上手く記憶から消したようだ。
「私が先生かっこいいって言ったら、結構天使君アシストしてくれて…性格も結構良さげだったよ。甘やかしてくれる系がタイプっぽい話してた」
天使君に私のタイプは先生と伝えたこと、性格の良さ、タイプを聞きだしたので、私は真琴の敵じゃないってことをしっかりアピールする。
「緋色有能ー!天使君みたいな可愛い系男子、甘やかすしかないでしょー」
「任せてよ」
女友達は敵に回してはいけない。小学生でもわかる簡単な常識だ。嫌われてはいけない、疑われてはいけない。天使君とはこれからもただの仲の良い友達でいたい。
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