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その日のゼミは、シラバスの内容確認や簡単なレクチャーで終わった。
「じゃあ、皆お疲れ様。また来週会おうね」
ニコニコしながら手を振り去っていく先生…激きゃわ!
「先生ーお菓子忘れないでねー」
「はーい」
私は筆箱やプリントを鞄に仕舞う。
「緋色ー、昼一緒に食べねぇ?」
「友達と食べるから無理、じゃあね」
私は廊下へ急いだ。
「望月さん!あの、今日、部室とか、行く?」
「ううん、今日は行かない。もう皆あんまり勧誘も力入れてないしね」
「あ…そっか」
いやいやいや、え?感じ悪眼鏡君!どうしたんだね君は。先生にあんな態度を取っておいて、沙代里にそんな風に話しかけるとは。
私が驚いていると沙代里が私に気づいた。
「あ、緋色!」
沙代里がこちらに駆け寄ってくる。眼鏡君もとい、笹森君はこちらを睨んでいるように見える。
「お疲れー。真琴と潤香は?」
「まだ終わってないよ。ほら、南ちゃんマイペースで長いから」
「あー確かに」
「座ってよ」
私たちは廊下に置いてあるベンチに座った。
「ねぇねぇ、笹森君って普段からあんな感じ?」
「うん、そうだよ。てか笹森君、緋色と同じゼミなんだね」
「あの人って、1年の頃から真面目そうで有名な人だよね。一番前の真ん中に座って、鉛筆で授業受けてる人」
いつも授業終わりは先生に質問していたから、優等生イメージはあった。
「そうそう」
「でも…名簿に名前なかった人だから、二次募集…どこかのゼミ落ちたってことだよね。だからかな、自己紹介の時名前しか言わないし、感じ悪く見えたのって…」
「ショックだったのかも。…たぶんね、ここだけの話、門脇ゼミ落ちたんだと思う」
沙代里は私に耳打ちしてきた。
「そうなの?」
「私とサークル一緒なんだけど、前そこにするって言ってたし」
「でも落ちるなんて意外だな」
「あのね、なんか門脇、女だけ選んだっぽい」
沙代里はまた私に耳打ちした。
「ええ?」
「だって、笹森君に比べたらちょっと不真面目な女子受かってるし、ほら、それで緋色のとこ女子いないんだよ」
「ええー」
「お待たせ―」
真琴と潤香が来た。十分遅れ、ようやく終わったようだ。
「お腹空いたー。早く学食行こうー」
「うん」
道中さっきの話をしながら学食へ向かった。
「じゃあ、皆お疲れ様。また来週会おうね」
ニコニコしながら手を振り去っていく先生…激きゃわ!
「先生ーお菓子忘れないでねー」
「はーい」
私は筆箱やプリントを鞄に仕舞う。
「緋色ー、昼一緒に食べねぇ?」
「友達と食べるから無理、じゃあね」
私は廊下へ急いだ。
「望月さん!あの、今日、部室とか、行く?」
「ううん、今日は行かない。もう皆あんまり勧誘も力入れてないしね」
「あ…そっか」
いやいやいや、え?感じ悪眼鏡君!どうしたんだね君は。先生にあんな態度を取っておいて、沙代里にそんな風に話しかけるとは。
私が驚いていると沙代里が私に気づいた。
「あ、緋色!」
沙代里がこちらに駆け寄ってくる。眼鏡君もとい、笹森君はこちらを睨んでいるように見える。
「お疲れー。真琴と潤香は?」
「まだ終わってないよ。ほら、南ちゃんマイペースで長いから」
「あー確かに」
「座ってよ」
私たちは廊下に置いてあるベンチに座った。
「ねぇねぇ、笹森君って普段からあんな感じ?」
「うん、そうだよ。てか笹森君、緋色と同じゼミなんだね」
「あの人って、1年の頃から真面目そうで有名な人だよね。一番前の真ん中に座って、鉛筆で授業受けてる人」
いつも授業終わりは先生に質問していたから、優等生イメージはあった。
「そうそう」
「でも…名簿に名前なかった人だから、二次募集…どこかのゼミ落ちたってことだよね。だからかな、自己紹介の時名前しか言わないし、感じ悪く見えたのって…」
「ショックだったのかも。…たぶんね、ここだけの話、門脇ゼミ落ちたんだと思う」
沙代里は私に耳打ちしてきた。
「そうなの?」
「私とサークル一緒なんだけど、前そこにするって言ってたし」
「でも落ちるなんて意外だな」
「あのね、なんか門脇、女だけ選んだっぽい」
沙代里はまた私に耳打ちした。
「ええ?」
「だって、笹森君に比べたらちょっと不真面目な女子受かってるし、ほら、それで緋色のとこ女子いないんだよ」
「ええー」
「お待たせ―」
真琴と潤香が来た。十分遅れ、ようやく終わったようだ。
「お腹空いたー。早く学食行こうー」
「うん」
道中さっきの話をしながら学食へ向かった。
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