おじ専女子の望まぬモテ期

蛭魔だるま

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「いい?私たちは20歳になったの。てか今年21歳になる。21年間彼氏いないのはやばい。かなりやばい」

 潤香が勢いよく机を両手で叩いた。沙代里が周りを気にしてキョロキョロしている。

「はい、いい男がいません」

 真琴が手を挙げて答える。
「わかる」
「はい、いい男が全員既婚者です」

 私も便乗して手を挙げて答えた。

「緋色は論外」
「むむ…」

 昼休みに私たちはカフェでダラダラしていた。

「彼氏も大事なのはわかるけどさ、それより明日のゼミじゃない?」
「沙代里は最近彼氏できたからって…」
「まあまあ」
「みんなはゼミ決めたの?」
「…まだ、この後のゼミ説明会で決めようかなと思っている」
「なんか決め手がないよね」
「確か門脇ゼミがお散歩ゼミって呼ばれてて、早苗ちゃんが卒論見てくれないって言われてて…」
「新藤は絶対ないし、田中も嫌だよね」
「私南ちゃんとこにしようかな」
「私もそこになるかなー結局そこが安牌感ある」

 私はカフェラテを飲みながらみんなの話を聞いていた。

「緋色はどこにするの?」

 急に話しかけられたものだからストローからズズッと音が鳴ってしまった。

「どうしよ。…あーあれは、新しい人くるしょ?」
「ええーリスク高すぎない?」
「宗一郎って名前からしておじいちゃん感ある…けど緋色はいいのか」
「ちょっと!私だって顔が良くないと嫌だよ!」
「否定場所はそこでいいんだ…」
「うん、あと数年したら老人ホームに恋人探しに行っているかもしれない」
「緋色の場合冗談に聞こえないのが凄いところだよね」
「10年後は後妻業で儲けてるかもね」
「嫌だわ!」
「そろそろ時間か。もう行くか」
「ゼミ説明会めんどくさー」
「寝そう」

 私たちは残っていたコーヒーを飲み干し、教室へと向かった。

「405、この教室か」
「潤香たちーここ空いているよ」

 潤香のサークル友達だ。私とは顔見知り程度の知り合いって感じ。

「おっラッキー」
「あざー」
「ゼミ決めた?」
「まだー」
「うち門脇にしようかな」
「マジ?」
「皆さん、静かにしてください。時間です」

 早苗ちゃんがマイクで喋り出した。

「新しい教授ってあの人かな」
「意外と若っ」

 私はスマホから教卓へと目線を移動させた。

「うわっ」
「どうしたの?」
「…かっこよ」
「「はぁ?」」

 前に座っている潤香と真琴が振り返った。

「ちょっとしー」
「そこ、静かに」

 沙代里の注意もむなしく、早苗ちゃんに指摘された。
 でも私はそんなことより、新しい教授から目が離せなかった。なぜならめちゃくちゃドタイプだから。
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