首のない死体は生者を招く

新藤悟

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第拾弐節

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-拾弐-





 チャイムが鳴り識也はドアの覗き窓から外を覗き込んだ。
 不格好に歪んだ外の景色の中心で先程電話をした彼女が所在なさ気に、何処か居心地悪そうに立っているのを認めるとドアを開ける。レンズ越しの歪みが消え、未来の姿がキチンと識也の瞳に映った。
 が、その格好を見て押し黙った。

「……何でメイド服?」
「えへへー、可愛いでしょ?」

 夕陽をバックにはにかみ、未来はクルリとその場で回ってみせた。鍋を手にしながらも器用に回転し、ふわりと短めのスカートが巻き上がる。そして「どう?」とばかりにドヤ顔で識也を見上げた。

「やっぱりしーちゃんのお世話をするんだったらメイドさんしかないかなーって思って。あ、しーちゃん相手ならえっちぃ事も――」
「……ウチはそういうのお断りしてるんで」
「うそうそっ! じょーくじょーく! 単に文化祭向けの衣装ですぅ! だからドア閉めないでー!」

 懇願しながらもセールスマン宜しく足を挟み込み、識也が閉めるのを許さない。おっとりしてるくせにこういうところは昔から俊敏なんだよな、と識也は妙に感心した。

「あ、てゆーか、ホントにしーちゃんが居た」
「今更か……そりゃ居るだろう。俺んちだし」
「だってしーちゃんだよ? 今までどれだけ私とかりょーちゃんが『家に行きたい!』って言っても入れてくれないどころか、部屋の前に来るのだって拒否ってたし。だからまだ信じられないんだもん……あ、そうだ写メっていい? 今日というこの記念すべき日をりょーちゃんに自慢して……」
「おいバカ、やめろ。良太は……」

 制止の言葉に続いて口をついて出てきそうな言葉は、しかしすんでの所で留まった。
 涙を撒き散らしながら識也に向かって拳を振り上げる良太の姿が、倒れた識也の上で震えながら嗚咽を漏らし拳を叩きつける良太の姿が頭を過る。良太の想いを叩きつけられた記憶に、今の識也はまだ殴られていないにも関わらず頬が痛んだ気がして思わず撫でた。

「しーちゃん?」
「何でも無い。それよりも良太に送るのは止めとけ」
「えー、いいじゃんいいじゃん! りょーちゃんもしーちゃんの部屋を見たいって言ってたし。あ、もしかして部屋にえっちぃ本が散らばってるとか? うふふー、もう、しーちゃんも立派なオトコノコだもんねー。あ、でもりょーちゃんに見せたくない理由にならないし……はっ! まさかしーちゃん男の子が――」
「じゃあな。鍋をその場に置いてすぐに立ち去れ」
「重ね重ね申し訳ありません」

 識也がドアを閉める素振りを見せた瞬間に土下座。この上なく素晴らしく綺麗な土下座だ。電話越しに思い浮かべた姿がそのまま再現され、識也は少しだけ喉を鳴らして笑った。そして頭を下げたままの未来の横に置かれた鍋を持ち上げて、ドアを開けたまま部屋へと戻っていった。

「早く入ってこいよ。せっかくの茶が冷めるだろ?」
「う、うん! すぐ行く!」

 地面に頭を擦りつけていた未来だったが、識也のその言葉にはち切れんばかりの笑みを浮かべ、部屋の方へと飛び込んでいった。



 未来が持って来たのはカレーであった。鍋の蓋を開けると湯気と共に芳ばしいスパイスの匂いが部屋に立ち込め、柄にもなく識也の腹の虫が空腹を訴え始める。識也は鍋を火にかけて少し温めなおし、その間にレトルトの白米をレンジで加熱して、二人分皿に盛っていく。そうして温めが終わるまでコンロの前で待っていたが、部屋の方を見れば未来はベッドの下を覗き込んでいた。

「……何やってんだよ」
「え? いやー、ホントに男の子のベッドの下にえっちぃな本があるのかなーって思って」
「良太は知らんが俺の部屋にそんなものは無い」

 思春期を迎えても識也は性欲が乏しかった。もちろん全く無いわけではないのでマスタベーションを行う事はあるが、それにしてもネット上にはその手のネタは溢れているため金を払ってまで購入することは無い。

「お前、飯は?」
「ん? まだ食べてないよ? 帰ってから食べようかと思って」
「じゃあ食べて帰れよ。葉月さんには電話しとけ」
「……いいの?」
「ダメな理由はないだろ。それに俺一人食ってて隣でじっと見られてると落ち着かないからな」

 返事を待たず識也は温め終えたカレーを注ぐ。二つの皿を持って部屋に戻り、用意しておいた折りたたみテーブルの前に座る未来の前にも皿を並べた。
 出された皿を見下ろすだけの未来をよそに、識也は一人黙ってカレーライスを口に運ぶ。それを見て未来もカレーを口にし始めたが、口に運ぶ回数が増えていくにつれて次第にその顔が綻び始めた。

「ゴキゲンだな。何笑ってんだよ?」
「んー? ふっふふー、内緒」

 何が楽しいのか、と呆れ半分で未来を眺める。単なるカレーで、しかも未来が持って来たものであるから特別美味いというわけではあるまい。確かに葉月さんの料理は美味いとは思うが。
 変哲の無いカレーを嬉しそうに食べていく未来の機嫌の良さの理由に見当が付かず識也は首を傾げるばかりだったが、この件については思考を放棄した。何にせよ、未来が無事にこうやって笑顔で居てくれるのであれば識也としても嬉しいものだ。

(嬉しい……? ああ、そういう事か)

 他人の感情の機微などてんで分からず、ましてや男女の感情など相手から明示されなければ分かるはずも無いと思っていたが、こうして未来の幸せそうな顔を見ていると何となく分かったような気がした。
 こんな気持ちになったのは、随分と昔、まだ両親が健在で自分が誰からも愛されていると無垢に信じていた頃以来だろうか。懐かしい気持ちになると同時に識也は何処か虚しさを覚えた。それを誤魔化すように、識也は皿の中のカレーを胃の中に押し込んでいった。




「ふー、ごちそうさまぁ! もーお腹いっぱぁい……」
「ほら、行儀悪いぞ。飯食ってからすぐに寝るな」
「だぁってぇ……今私はこの上なく『しゃぁわせ~』なの~」

 食べ終わるや否やすぐに仰向けに倒れて大の字になる未来に、識也は皿を流しへ運びながら叱った。まるで父親だな、と自分の発言を振り返って嬉しいような悲しいような何とも言えない気分になる。

「太るぞ」
「ふっふふー、私の場合は全てこの胸に脂肪が行くから問題ないのだ~」
「さよか」

 世の女性に後ろから刺されそうな発言だ。そう思いながらカレー皿を洗う。
 しばらく洗い物をし、ふと部屋に目を移すと未来が寝転んだままボーッと識也の部屋を眺めていた。

「ホントに何にも無いんだね」
「まあな。特にアレコレと買い込む必要性を感じないからな」
「テレビは見ないの?」
「別に見たい番組があるわけじゃないしな。あるだけで普段はネットとラジオだな」
「ふぅん……アイドルとか女優さんとか、そーいうのにしーちゃんはに興味ないの? クラスの男の子はいーっつもそんな話してるよ? 誰それが可愛いとか、あの女優のおっぱいが大きいとか」
「無いな。女の人の胸にもそんな興味は無いし、それに俺は世間一般の可愛いっていう感性をイマイチ理解できないからな」
「そーなんだね、やっぱり。だと思った」少し未来は不服そうに口を尖らせた。「しーちゃん、私が胸を押し付けても『はしたない』とかしか言わないし」
「そりゃそうだろう。人前で、しかも思春期の男の前でそんな事するもんじゃない」
「しーちゃんって考え方古風なトコあるよね。
 ね、しーちゃんってさ……」言いづらそうにしながら未来は尋ねた。「やっぱり男の子が好きなの?」

 なんとも直球な質問を受け、手が滑って泡にまみれた皿が宙を舞った。危うく落としそうになるところを慌てて何とかキャッチすると、識也は眉間にシワを寄せて未来を睨む。

「……何でそうなる?」
「ううん、隠さないで! 何となく分かってたんだ。しーちゃん、どんな女の子にも興味無さそうだし、私がどんだけアピールしても振り向いてくれないし……でもいいの! しーちゃんが男の子好きでも私諦めないんだから!」
「だからどうしてそういう結論になる。俺は別にゲイでもなければトランスジェンダーでもない。ただ単に今まで人に興味を持てなかっただけだ。それに俺は……」

 皿を洗い終え、手を拭く。これからもずっと生きた人に興味を抱くことはきっとないだろう。ずっと死体を眺めながら生きていく。そんな予感がしていて、それはきっと間違いではないと識也は思っている。だというのに、未来はこれからも俺に向かって「愛している」と言い続けるのだろうか。

「しーちゃん?」
「なあ、未来」

 突然黙りこくった識也に、未来は首を傾げて不安そうに名前を呼ぶ。識也はシンクの縁に手を突き、洗い物が片付いて空っぽのそこに視線を落としたまま尋ねた。

「お前、俺の何処が良いんだ?」
「どうしたのしーちゃん、急に」
「ずっと疑問だったんだよ。俺は別にカッコいいわけじゃないし、人当たりが良い訳じゃない。まともな感性も持ってない、言ってみれば社会不適合者だ。対してお前は客観的に見て美人で可愛いし、人付き合いも苦にしない。俺と違ってだ。変なところはあるけどな」
「ぶぅー、ひどーい」
「事実だ。受け入れろ。
 話を戻すと、俺なんかよりよっぽどお前の事を大事にしてくれる奴はいっぱいいるはずだ。実際、色んな連中から告白されてるだろ? 連中の中には格好良くて頭も良くて、きっとどんな奴だって少なくとも俺よりもまともだったはずだ。にもかかわらず全部断って、俺に気持ちを伝え続けてくれてる。だから何でだろうなって思ったんだよ」
「何でって言われてもなー、何でだろ?」
「……もし、もしもだ。俺の親の事でお前が気に病んで――」
「それは違うよ、しーちゃん」

 識也の問いに首を捻っていた未来だが、続いた言葉を即座に否定した。
 その何処かいつもとは異なる声色に、識也は顔を上げる。
 未来は、優しく識也に微笑みかけた。

「私はね、しーちゃん。私がしーちゃんを好きだから好きなんだよ」
「……答えになってない」
「えーっとね? 確かにお父さんの運転ミスでしーちゃんのお父さんとお母さんを死なせちゃったのはどれだけ謝っても許されないとは思うんだけどね、でもそれとは別にね、どうしようも無く私はしーちゃんが好きなんだ。理由なんて分かんないんだけどね」
「嘘だ」
「嘘じゃないよ。だって私がしーちゃんの事が好きになったの、小学生の時だもん」

 未来の告白に、識也は驚いて眼を見開いた。それを見た未来はクスクスと笑った。

「知らなかったでしょ? 驚いた? 驚いた?」
「あ、ああ……てっきりここ最近かと思ってた」
「私の気持ちにしょーじきになって、しーちゃんにアプローチし始めたのは最近だから気づかなくても仕方ないと思うけどね。
 そういうわけで、もう十年近くしーちゃん一筋なんだよ。他には誰も好きにならないし、誰からも好きだと思われなくていいの。しーちゃん以外の人から気持ち悪がられたって、嫌われたって気にならないの。
 だからね、しーちゃん。私のお父さん達の事は全っっ然関係ないから。しーちゃんはそんな事気にしなくていいんだよ」

 そう言われて識也は俯いた。
 前の生で未来を奪われた時、どうしようもない失望と絶望に襲われた。失われた彼女の存在が狂おしかった。狂おしいほどに愛しかった。奪った犯人と、為す術もなく奪われた自身に激しい怒りを感じた。
 だが今はどうだ。未来を前にし、彼女から改めて愛を告げられても激情は無い。胸の奥深くには確かに言語化できない感情が揺らめいている。それは、これまでに誰に対しても抱いたことが無い感情だ。それはたぶん愛、だと推測はできる。しかし識也は自信が持てなかった。

「ありがたいが、俺はきっとお前の気持ちに応えることが出来ない。お前も知ってるだろ? 俺は誰にだって興味を持てないような、まともじゃない人間なんだ」
「いいんだよ、別に。しーちゃんが普通の人と違うって事は知ってるし、私が勝手に好きになったんだから。それにね、しーちゃんがまともじゃないように、私だって変なんだもん」
「知ってるよ、お前が変なやつだってことくらい」
「ううん、違うの。しーちゃんが言ってる『変』とは違うんだ。
 ――私はね、しーちゃんしか愛せないの」未来は何処か嬉しそうに微笑みを識也に向けた。「私も他の人が興味ないんだ。他のどの男の人を見ても何も感じないの。女の子の友達も、男の子と比べたらマシだけど同じ。遊んでて全く楽しくないワケじゃないんだけど、たいして面白いワケじゃない。ただ楽しそうなフリをしてるだけ。しーちゃんの言葉を借りたら『まともじゃない』って言うのかな? ビョーキだよね?」
「……良太が聞いたら泣くな」
「あ、りょーちゃんはちょっと特別だよ? しーちゃんと居る時ほどじゃないけど遊んでて楽しいし。
 でもしーちゃんはもっと特別。しーちゃんは冷たいけど、でもしーちゃんと話してるだけで他のどの時間よりも楽しいんだ。しーちゃんに冷たくされたりすると悲しいけど、それでも楽しいの。矛盾してるよね? でもね、しーちゃんにだったら私を全部あげてもいい。しーちゃんが傍に居てさえくれるなら何されても構わないって本気で思えるんだ。しーちゃんが愛してくれなくても、近くに居させてくれるなら私は幸せなの。だからしーちゃんはしーちゃんのままで居ても良いんだよ?」

 そこまで言い切ると未来は「ふっふふー」と楽しげに笑いながら立ち上がった。クルリクルリと習いたてのバレエダンサーのような奇妙な踊りをしながら識也の隣をすり抜けつつ洗った鍋を掴み、サンダルに足を突っ込んで玄関の戸を開けていく。

「あ、でもやっぱり冷たくされるより優しくされる方がいいかな? 偶にはこうやって家に呼んでくれたら最っっ高にハッピーだから! だから……また呼んでほしいな?」

 殆ど陽の落ちた夕焼けを背にして微笑んだ未来の笑顔が、どうしようもなく大人びて見えた。

「……ったく、分かったよ」識也は額に手を当て前髪を掻き上げる素振りをみせた。「そんな嬉しそうにされたら断れないだろ。また呼んでやる」
「ホントっ!? 絶対だよっ!? 絶対だよっ!? 嘘ついちゃダメだかんね!?」
「分かってるって。だから今日は気をつけて帰れよ」
「うん! あ、しーちゃんも明日はキチンと学校に来てよね?」
「わかってる。ちゃんと明日は行く」
「待ってるからね? いい? ホンットーに絶対来てよねっ!?」

 言い聞かせる様に何度も念を押し、呆れながらも識也が返事をするのを見届けると未来は楽しそうに小踊りしながらドアの向こうに消えていく。
 バタン、とドアが閉まって識也は部屋に一人取り残された。居たのは未来一人だけだったが、居なくなって随分と寂しい。そんな気がした。
 ドアに近寄って識也は鍵を掛けた。触れた金属のドアノブがひどく冷たい。カチャリという鍵の掛かる音を聞いて識也は固く閉ざされたドアにもたれ掛かり、床へとズルズルとへたり込んだ。
 識也は左掌で目元を覆い隠した。片膝を立てて座り、目元を抑えたままうつむく。
 そのまま識也はしばらく動くことが出来なかった。





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