首のない死体は生者を招く

新藤悟

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第壱節(その2)

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「未来、お前もか……」
「しーちゃぁーん! スキスキスキスキスキ~!!」

 未来、と呼ばれた栗毛の少女は識也の背に乗ったまま、楽しそうに顔を識也の首元に擦りつける。その様子はさながら犬がじゃれついているようだ。未来を何とか振り降ろそうと識也はもがくも、彼女の両腕はしっかりと彼の首を掴んで離す素振りは見えない。

「あ、りょーちゃんも居る! おいっす~!」
「おいっす、みーちゃん」良太は手を挙げて応じながらニヤッと笑った。「今日も相変わらず識也への愛で溢れてるね」
「うん! もうね、しーちゃんに対するね、愛情がね、溢れて溢れて止まらないんだよ!」
「みーちゃんは良いよな~。識也に優しくされて。俺だってみーちゃんに負けねぇくらいにこいつへの愛が溢れてるってのによ、さっきなんか思いっきりぶん投げられて顔面踏み抜かれたんだぜ?」
「ふっふふー! りょーちゃん、それはだね……実はしーちゃんなりの愛情なのだよ!」
「な、なんだってー!? そっか、ついに俺にも識也のデレ期が……」
「しーちゃんは素直じゃないからねー。大好きな相手にはついつい意地悪をしたくなっちゃう困ったさんなんだよ!」
「そ、そうだったのか……くっ! 識也検定一級を自負する俺としたことが、そんな当たり前の事にも気づかなかったなんて……」
「仕方ないよ、しーちゃんは小学生からそこら辺が止まってるからね。これは小学校以来の付き合いである私にしか分からない事なのだ!」
「黙って聞いてれば二人して気持ちの悪い会話してるんじゃない。誰が小学生だ。それに顔踏み抜いたのは俺じゃないし、あと未来はさっさと降りろ」
「え~」
「えーじゃない。ほら、皆が見てるし早く降りて――」
「やーだ~!!」
「こ、こら! やめろ! 首が……」

 何とか背中から引き剥がそうとした識也だったが、未来は腕に思いっきり力を込めて首にしがみついた。その結果どうなるか。識也の顔色が全てを物語っていた。
 このままではられる。遠ざかる意識の中で最悪な未来を幻視した識也は震える手で未来の腕を何とか引き剥がそうとするが、識也の死にそうな状態に気づいてない未来はイヤイヤと首を振って余計必死にしがみつくため一層首が絞まる。そしてそのまま識也の髪に鼻を埋めると、髪からシャンプーの匂いが漂ってくる。それをクンカクンカと臭いを嗅ぎ、未来は恍惚として顔をトロけさせた。

「あ、あのよ、みーちゃん?」
「ハァハァ、しーちゃんの匂いhshs……ん、なに、りょーちゃん?」
「大切なしーちゃんが死にかかってるぜ?」

 このままではマズイと思ったか、流石に良太が声を掛けると未来もようやく識也の青黒くなった顔色に気づいて慌てて背中から飛び降りた。

「しーちゃん大丈夫!?」
「……」

 未来の呼びかけに識也は応えない。空気を取り込む事に必死でそれどころではなかった。

「反応がない……! はっ! しーちゃんを殺しちゃった! こうなったら私も後を追って……!」
「勝手に人を殺すな」
「はうあっ!?」

 未来の額でパシーン、と景気のよい音を奏でその一撃に未来は崩れ落ち、その場にプルプルと震えてうずくまった。

「まったく……生まれて初めて良太に本気で感謝したよ」
「いや、普段からもっと感謝してくれてもいいんだぜ?」
「……冗談だよな?」
「え? 俺の扱いってそんなもんなの?」

 改めて「冗談だ、感謝してるよ」と軽く口元を緩めると、識也は未来の手を引いて立ち上がらせた。

「うう、おでこがヒリヒリ……」
「自業自得だ。ほらシャキッと立てって……ああもう、腕はキチンと袖から出す! だらしないだろ」
「えー、可愛いからいいじゃん」

 叱りながら識也は、いわゆる『萌え袖』状態となっている未来のカーディガンを降ろして手をきちんと露出させた。しかし未来は不満顔だ。

「しーちゃんだって可愛いって前に言ってくれたし」
「……確かに言ったけども」
「おう、俺は可愛いと思うぜ? もっとも、どんなカッコでもみーちゃんは可愛いけどな!」
「ありがとー、りょーちゃん! りょーちゃんもちょー個性的でカッコイイよ!」
「うう……そう言ってくれんのはみーちゃんだけだぜ!」

 互いを理解し合ってヒシっと抱き合う良太と未来。識也は疲れたように肩を落とし、頭痛を堪えるようにこめかみを揉み解しながら未来の顔を見る。
 未来は可愛い。その点については識也も同意せざるを得ない。
 識也が考える「一般的な」観点から評価すれば、都月 未来つづき みらいは紛れも無い美少女だ。小さな丸顔に乗っかった眼は大きく、先ほど識也に抱きついた時の様な仕草も相まって小動物的な印象である。その上、小柄なその体格に似合わない程に胸は大きく、体つきも細すぎず太ましすぎずといったところだろう。今もカーディガンの胸元のボタンが千切れ飛びそうだ。
 性格も明るく、画像で見るそこらのアイドル並み――識也にしてみれば容姿の評価は難しいが――に顔のレベルは高いうえ、識也と違って人付き合いも良く男女問わず友達も多い。識也は好きでは無いが、萌え袖姿も男子から人気が高いらしいとは良太から聞いた話だ。
 それを裏付けるのが、未来に告白して散っていった男子の数である。恐らくは両手では足るまい。識也自身も何度かその現場を目撃したし、告白してきた男子の中には余程自身があったのだろう、未来とお似合いだと誰もが認める程に顔の整った上級生が白昼堂々と彼女に交際を申し込んだりもしている。それを周りで見ていた女子生徒たちが黄色い悲鳴を上げていたのを良太と共にただ眺めていた記憶は、識也にもまだ比較的新しい。
 だが未来はその全てをあっさりと断ってきた。それも一切の誤解の余地が無いほどにキッパリと。にもかかわらず彼女への告白は日に日に増えていくのだが、それにつれて今の様に所構わず識也に対する好意を示すようになっていったのだった。
 識也と未来はもう十年以上の付き合いになる幼馴染ではある。一時は家族ぐるみでの付き合いも多く、中学の頃からそれとなく好意を伝えられていたが、今となっては誰はばかること無く「好き」を公言するようになっている。
 豊満な胸を識也に押し付けたり今の様に抱きついてきたりという行為は、今やこのフロアの日常の一コマと化していた。その度に識也には男女問わず冷たい視線に吹きさらされるのだ。良太であれば勝ち誇ったように胸を張るのだろうが、識也にとっては居心地悪い事この上ない。

「二人で勝手にやってろ。それから『しーちゃん』も止めろって。袖をぶらぶらさせてるのと合わさって頭悪い女に見えるぞ」
「ぶーぶー。別にいいもーん。周りにどう見られたって。それにしーちゃんは別に見た目で好き嫌いを決めたりしないでしょ?」
「そりゃそうだが……ってこら! 腕に抱きつくな! 恥ずかしい! 暑苦しい!」
「へっへー! まーまー、良いではないか良いではないか。減るもんじゃないし」
「あ、じゃあ俺も。しーちゃぁん、左腕をちょうだい!」
「きもい! ひたすらきもい! てか、さっさと離れろっ!!」

 両脇を美少女とパンク野郎にガッチリと固められて識也は悲鳴を上げた。柔らかい胸と硬い胸。正反対だがどちらもノーサンキューだ。識也は二人から逃れようと両手を振り回し、だが良太が捕まった左腕の拘束は全く剥がれそうにない。

「あっ――」

 しかし一方で未来の方は抱きつく力が弱かったのか、はたまたカーディガンのせいで掴みが甘かったのか。識也が右腕を振り上げたのと同時に体がすっぽ抜けて軽い体が小さく浮き上がった。何とか未来は着地したものの、バランスを崩してそのまま背中から倒れてゆく。

「未来っ――」

 慌てて識也は手を伸ばすが届かない。そのまま固い床に頭を打ち付ける未来を一瞬で識也は想像した。
 だが。

「おっと」

 それは、直前に未来の背中を支える手によって免れた。

「――音無先生」
「良かった、怪我は無いか?」

 長身に白衣を纏った女性化学教師、音無 望おとなし のぞみは未来を抱き起こし、特に怪我が無い事を確認すると小さく微笑んでみせる。しかしすぐにその切れ長の目尻を吊り上げた。

「元気なのは結構だが、廊下は飛び跳ねる場所ではないぞ?」
「はい……すみません」
「すんません、ちっとばかし調子に乗りすぎたっすわ」
「申し訳ありません。それと、ありがとうございました」

 三人がそれぞれ謝罪と感謝を口にすると、音無教諭は顰め面をすぐに解いて小柄な未来の頭に手を置いて軽く撫でる。

「生徒が元気いっぱいなのは私としても見ていて気持ちが良いし、元気を貰ってるからな。以降、節度を守ってくれれば構わんさ。何かあった際に痛い思いをするのは君らだが、ちょっとしたことが大怪我に繋がる。取り返しのつかない事にならないようにな」
「はい」
「よろしい。それではな。もうすぐ午後の授業が始まるから遅れないように」

 小さく微笑みながらそう言い残すと音無は流し目を残し、白衣を翻して颯爽と去っていく。さながらその姿は――

「相変わらず望ちゃんはイケメンだな」
「女性だけどな」

 長い黒髪で線も細く、後ろ姿にも女性らしさが滲む音なしだが、時折今の様なる男性のような仕草を見せる。そのため、男性だけでなく同性である女子生徒からも音無教諭の人気は高い。加えて最後に見せたような流し目も――識也には良く分からないが――格好いい「らしい」。例えるならば『宝塚の男役』という表現が適当だろうか。
 実際、今も去っていく彼女には男女問わず多くの視線が注がれており、そのほぼ全てが憧れと恋慕だ。漫画的に表現すればさぞやハートマークがあちこちに乱れ飛んでいることだろうと識也は思う。未来の話では、クラスの『いつかお嫁さんになりたい人』ランキングでぶっちぎり一位なのだとか。それはそれで年頃の男子としては悲しいものがあるな、と識也は未来のクラスの男子陣に同情してみせた。
 頭を掻き、視線を望から未来へ落とすと彼女は俯いていた。

「大丈夫か、未来」
「え、あっ、うん……てへ、怒られちゃった」

 怒られて肩を落としていた未来は、識也に肩を叩かれて振り向くとハッと表情を取り繕って舌を出して戯けてみせる。識也は軽く頭を掻いて、犬にする様に未来の頭をワシャワシャと乱暴に撫でてやった。

「気にすんな。お前にそんなシュンとされるとこっちの調子が狂う」
「そーそー。怪我も無かったんだし、気にするこたないって」
「……うん、分かった! じゃあ改めて……」
「それはもういいっての」
「ぐえ」

 再び抱きつこうとして識也に顔を抑えられ、不細工に整った顔が歪む。が、当の本人はそんなじゃれ合いさえも楽しいらしく短い両腕をバタつかせながら笑っていた。

「未来~! そろそろ教室に戻るよ~!」
「あ、ほ~い!」

 識也たちとは別に談笑していた友人から声を掛けられ、未来はようやく識也から離れた。スカートを翻して小走りで友人たちの元に戻り輪に加わる。何の違和感もなく集団に溶け込む未来だったが、識也の方へ一度向き直るとブンブンと元気に手を振った。

「しーちゃん、じゃ~ね~っ! どうせ放課後は先に帰っちゃうんだろうけど浮気しちゃダメだよっ! りょーちゃんもしっかり監視をお願い!」
「そもそも付き合ってねぇし……」
「おうっ、まっかしとけって! 最近物騒だからみーちゃんも気をつけてな!」

 識也は頭を抱え、対照的に良太は未来に呼応して大きく手を振って見送り、談笑しながら未来の姿が教室に消えていく。やがて良太は手を下ろし、眉を八の字に歪ませて識也に向かって溜息を投げつけた。

「みーちゃんもどうしてこんな野郎を好きになったのかねぇ……あんだけ可愛いのにこんな無愛想で気の利かない男を。男なんて選り取りみどりだろうに、まったく、人生損してるぜ」
「同意だ。俺の事をほっといてアイツはアイツの幸せだけ考えてればいいのに」

 どうして自分なんかを好きになってしまったのか。本気で首を傾げる識也に、良太は「処置なし」と肩を竦めて自分の教室に脚を向けた。

「なあ、良太」

 教室に入ろうとした識也だったが、ふと良太が最後に言った言葉が気になり呼び止めた。

「あん? なんだ?」
「さっき未来に『物騒だから』って言ってたけど、最近何かあったのか?」
「あ? 何だよ識也。もしかして知らねーの、噂?」
「噂?」

 オウム返しに聞き返した識也の様子に、本気で知らないのだと察した良太はクルリと踵を返して戻ってきて、そして再び識也の頭にヘッドロックを仕掛けて自身の方へ引き寄せる。

「ちょっと、何だよ?」

 識也は抗議の声を上げるが、良太は気にした素振りも見せずに耳元で囁いた。

「実はよ、最近この近所で女の子が行方不明になってるらしくてな」
「行方不明? そういえばそんな事があったな……」

 言われて識也は記憶を辿った。テレビは見ないがラジオは聞く。毎朝起きたらラジオのニュースを聞き流しながら登校準備をするのが識也の日課だが、一ヶ月前くらいに近所でそんなニュースを聞いたような気がした。
 良太はそれを心配しているのだろうが、昨日や一昨日にも未来と顔を合わせている。その時はそんな事を言っていなかったのにどうして今更気にしているのか。それに――

「どうしてそんな小声で話す必要があるんだ?」
「それはだな……」

 良太は話を区切って周囲を見渡す。近くで聞き耳を立てている生徒が居ないかを確認したようで、識也は「相変わらず見た目によらずに慎重なやつだな」と内心で感心した。

「こっちが噂話なんだけどよ、どうやら昨日か一昨日からウチの三年が一人行方不明になってるらしい。どうやら事件に巻き込まれたんじゃねぇかって。三年の間じゃ知らねぇ奴はいねぇんじゃねぇか?」
「そういう事か」

 得心した、と識也は頷いた。
 その行方不明になった生徒を識也は知らないが、彼女の友人たちからすればそんな噂を聞いて心穏やかではいられないだろう。
 であれば良太が今日に限って未来に注意を促したのも分かる話だ。識也と未来は幼馴染だが、良太と未来も中学以来の友人だ。そんな物騒な事件が起きているのであれば注意を促すのも宜なるかな、と気の回らない自分を棚上げして再び感心した。
 話は分かった、と識也は解放していいぞと良太の肩を叩くが良太は識也を離そうとしない。まだ何かあるのか、と顔を見上げれば良太は幾分顔色を悪くして続きを口にした。

「でだな、こないだ隣の市で死体が見つかったらしいんだがな、どうやらその事件と今回の行方不明事件、警察は同じ犯人と考えてるらしくて……そのウチの生徒もすでに殺されてるって話だ」
「そうなのか……ならお前の言う通り物騒な話だな」
「嘘かホントかは知らんが、ほら、お前ん家に行く途中に焼け焦げた廃ビルあるの知ってるか?」
「……ああ、建設途中で火事になってそのまま放置されてるあそこか」
「そうそう。あそこ、確か立入禁止になってるだろ? にもかかわらず忍び込んでその生徒の死体を見たって野郎が居るみたいなんだよ」
「へえ……」

 ここに来て漸く識也は興味を示した。僅かに口端を釣り上げ、付き合いの長い良太にしか分からない程度の喜色を見せた。小さく口の中でだけ舌を小気味よく打ち鳴らし、だがその様子を見た良太は眉間に皺を寄せる。

「この話をした俺が言うのも何だが……お前のその趣味、他の人には見せんなよ?」
「分かってるよ。だからこうしてボロが出ないようにお前と違って普段から猫を被ってるんだ。
 それはおいといて、だけどな。良太、たぶんそれガセだ」

 ハッキリと言い切った識也に、良太は怪訝そうに口を尖らせた。

「ンなこたねぇよ。現にだな……」
「だいたい、死体を見つけたっていうんなら警察に通報すべきだし、通報してるならそれこそニュースになってるはずだ。それに、その話が本当なら噂ってレベルじゃすまないしな」
「……そりゃそうだな」
「『友達から聞いた話だけど』なんて、よくある怪談話の件と同じだよ。幽霊見たら死ぬ。ならなんでその友達は生きてんだよ、ってな」
「あー、まあ確かにそういわれりゃそうか……
 ちっ、なんだ、つまんねぇ。ちっとは面白ぇ話かと思ったのによ」
「ニュースじゃ毎日の様に聞く話だからってそうそう俺らみたいな一般人が事件には遭遇するわけないしな。そんなのは一生に一度あるかないかくらいの相当なレアケースだよ」
「ちぇっ、このネタなら付き合いの悪いお前でも食いつくかと思ったのによ」
「俺がどれだけこの手の話を集めてると思ってるんだ? 興味をくすぐられたのは事実だけど、嘘か本当かくらいはすぐに分かるさ」

 放課後には真っ直ぐ帰宅して引きこもりがちな識也と遊ぼうと考えていたが、その目論見が外れて良太はつまらなさそうにオレンジに染めた髪を掻きむしった。
 識也はクツクツと喉を鳴らし、ちょうどそこで予鈴が校舎に響く。

「へいへい。ま、でも三年が一人行方不明になってんのは事実だからな? それに学校の近くを変な野郎がうろついてるって別の噂もあるんだ。
 みーちゃんは可愛いからな。変態野郎の毒牙にかかんねぇよう識也も気にかけとけよ」
「はいはい、分かった分かった」

 適当な返事をして良太と別れ、識也はまたいつも通りの仮面を顔に貼り付け自分の席へと戻っていく。程なく午後の授業開始を告げる鐘が鳴り、数学の教師がやってくるとすぐに問題を板書し始め、真面目な生徒たちはそれをノートに書き写し始める。
 識也もまたシャープペンをノートに滑らせていく。だが気を抜くと、無意識にその口元には愉悦が浮かんでしまうのだった。



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