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7話「お母さんと呼びたいが・・・」
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「サッチャン、もうすぐ10歳だし、お仕事増やしたいンだけど1人で留守番できる?」
「・・・うん、初子おばちゃんもいるし、大丈夫」
そう言うと、よっちゃんは私を抱きしめ頭を撫でた。
「じゃあ、初子さんに相談してくるね」
「いってらっしゃい」
よっちゃんは隣りのドアをノックしながら
「初子さん、いる?仕事 紹介してもらえないかな?」
「あーよっちゃん、入って」
「サッチャンも慣れてきたし、お金もかかりそうだし、役所の人にも約束したから・・・」
「相変わらず義理堅いね。今でもなんとかなっているから、それはいいと思うけど。サッチャンの先の事を考えているんだね」
「うん、はっきりは言わないけど先生になりたいみたいで、大学行くとなるとお金かかるしね」
「あンたもしっかりお母さんだ。分かった。探しとくよ」
よっちゃんはお弁当屋さんと掃除の仕事を増やし、会える時間が減ったので、1日のことや連絡事項を分かりやすく書くうちに、いつのまにか漢字練習帳は交換日記のようになった。
私は何度かよっちゃんを
「お母さん」
と呼んだが、よっちゃんは
「サッチャンの”お母さん”は、あなたを産んだお母さんだけだよ」
生みの母を忘れさせない為か、よっちゃんは義理堅くもそう言うので、”お母さん”と言えなくなっていた。
「・・・うん、初子おばちゃんもいるし、大丈夫」
そう言うと、よっちゃんは私を抱きしめ頭を撫でた。
「じゃあ、初子さんに相談してくるね」
「いってらっしゃい」
よっちゃんは隣りのドアをノックしながら
「初子さん、いる?仕事 紹介してもらえないかな?」
「あーよっちゃん、入って」
「サッチャンも慣れてきたし、お金もかかりそうだし、役所の人にも約束したから・・・」
「相変わらず義理堅いね。今でもなんとかなっているから、それはいいと思うけど。サッチャンの先の事を考えているんだね」
「うん、はっきりは言わないけど先生になりたいみたいで、大学行くとなるとお金かかるしね」
「あンたもしっかりお母さんだ。分かった。探しとくよ」
よっちゃんはお弁当屋さんと掃除の仕事を増やし、会える時間が減ったので、1日のことや連絡事項を分かりやすく書くうちに、いつのまにか漢字練習帳は交換日記のようになった。
私は何度かよっちゃんを
「お母さん」
と呼んだが、よっちゃんは
「サッチャンの”お母さん”は、あなたを産んだお母さんだけだよ」
生みの母を忘れさせない為か、よっちゃんは義理堅くもそう言うので、”お母さん”と言えなくなっていた。
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