3 / 13
3話「ふたりだけの暮らし」
しおりを挟む
3人の暮らしは1ヶ月後、私の7歳の誕生日で終わった。
クソ親父がよっちゃんの金を盗んで姿をくらました。
「お父さん、帰ってこないね。サッチャン、二人っきりだけど大丈夫?こっちで一緒に寝る?」
よっちゃんの布団の中に潜り込みながら
「いいよ、あんなやつ」
「そんな風に言わないの。
幸(サチ)っていう名前はね。幸せになって欲しいって、安男さんがつけたんだって。
お父さんはサッチャンのこと、ちゃんと気にしてたんだよ。
ただ、照れ屋さんでどうしていいか分からなかったンだよ」
「照れ屋さんじゃないよ・・。
ねェ、よっちゃんのお父さんとお母さんは?」
「お父さんのことはよく知らない。
お母さんは10年前に病気で死んだの」
「うちと同じだね」
「そうか。でも私は富田のおばあちゃんや娘の初子さんがいたから寂しくなかったけど、サッチャンは寂しくない?」
「うん、よっちゃんがいるから寂しくない」
その声を聞いてぎゅっと抱きしめ 頭を撫でるよっちゃん。
次の日よっちゃんは、
「猫田運送の仕事に行くけど
サッチャン1人で大丈夫?初子さんのとこに行く?」
「初子さんってお隣りの大家さんの?」
「そう、亡くなったけど富田のおばあちゃんと初子さんには、このアパートに来てから30年ずっと、お世話になってるのよ」
「30年も?すごーい!」
「あれ?そう言えばサッチャン、今いくつ?」
「7歳かな?」
「エッ、じゃあ、学校に行かなきゃいけないんじゃないの?」
慌て出すよっちゃん。
「わかんない?学校行けるの?」
「え~!?!大変だ。どうしよう・・・。
所長?区長?ウーンまずは初子さんに相談しよう!」
クソ親父がよっちゃんの金を盗んで姿をくらました。
「お父さん、帰ってこないね。サッチャン、二人っきりだけど大丈夫?こっちで一緒に寝る?」
よっちゃんの布団の中に潜り込みながら
「いいよ、あんなやつ」
「そんな風に言わないの。
幸(サチ)っていう名前はね。幸せになって欲しいって、安男さんがつけたんだって。
お父さんはサッチャンのこと、ちゃんと気にしてたんだよ。
ただ、照れ屋さんでどうしていいか分からなかったンだよ」
「照れ屋さんじゃないよ・・。
ねェ、よっちゃんのお父さんとお母さんは?」
「お父さんのことはよく知らない。
お母さんは10年前に病気で死んだの」
「うちと同じだね」
「そうか。でも私は富田のおばあちゃんや娘の初子さんがいたから寂しくなかったけど、サッチャンは寂しくない?」
「うん、よっちゃんがいるから寂しくない」
その声を聞いてぎゅっと抱きしめ 頭を撫でるよっちゃん。
次の日よっちゃんは、
「猫田運送の仕事に行くけど
サッチャン1人で大丈夫?初子さんのとこに行く?」
「初子さんってお隣りの大家さんの?」
「そう、亡くなったけど富田のおばあちゃんと初子さんには、このアパートに来てから30年ずっと、お世話になってるのよ」
「30年も?すごーい!」
「あれ?そう言えばサッチャン、今いくつ?」
「7歳かな?」
「エッ、じゃあ、学校に行かなきゃいけないんじゃないの?」
慌て出すよっちゃん。
「わかんない?学校行けるの?」
「え~!?!大変だ。どうしよう・・・。
所長?区長?ウーンまずは初子さんに相談しよう!」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる