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3話「ふたりだけの暮らし」
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3人の暮らしは1ヶ月後、私の7歳の誕生日で終わった。
クソ親父がよっちゃんの金を盗んで姿をくらました。
「お父さん、帰ってこないね。サッチャン、二人っきりだけど大丈夫?こっちで一緒に寝る?」
よっちゃんの布団の中に潜り込みながら
「いいよ、あんなやつ」
「そんな風に言わないの。
幸(サチ)っていう名前はね。幸せになって欲しいって、安男さんがつけたんだって。
お父さんはサッチャンのこと、ちゃんと気にしてたんだよ。
ただ、照れ屋さんでどうしていいか分からなかったンだよ」
「照れ屋さんじゃないよ・・。
ねェ、よっちゃんのお父さんとお母さんは?」
「お父さんのことはよく知らない。
お母さんは10年前に病気で死んだの」
「うちと同じだね」
「そうか。でも私は富田のおばあちゃんや娘の初子さんがいたから寂しくなかったけど、サッチャンは寂しくない?」
「うん、よっちゃんがいるから寂しくない」
その声を聞いてぎゅっと抱きしめ 頭を撫でるよっちゃん。
次の日よっちゃんは、
「猫田運送の仕事に行くけど
サッチャン1人で大丈夫?初子さんのとこに行く?」
「初子さんってお隣りの大家さんの?」
「そう、亡くなったけど富田のおばあちゃんと初子さんには、このアパートに来てから30年ずっと、お世話になってるのよ」
「30年も?すごーい!」
「あれ?そう言えばサッチャン、今いくつ?」
「7歳かな?」
「エッ、じゃあ、学校に行かなきゃいけないんじゃないの?」
慌て出すよっちゃん。
「わかんない?学校行けるの?」
「え~!?!大変だ。どうしよう・・・。
所長?区長?ウーンまずは初子さんに相談しよう!」
クソ親父がよっちゃんの金を盗んで姿をくらました。
「お父さん、帰ってこないね。サッチャン、二人っきりだけど大丈夫?こっちで一緒に寝る?」
よっちゃんの布団の中に潜り込みながら
「いいよ、あんなやつ」
「そんな風に言わないの。
幸(サチ)っていう名前はね。幸せになって欲しいって、安男さんがつけたんだって。
お父さんはサッチャンのこと、ちゃんと気にしてたんだよ。
ただ、照れ屋さんでどうしていいか分からなかったンだよ」
「照れ屋さんじゃないよ・・。
ねェ、よっちゃんのお父さんとお母さんは?」
「お父さんのことはよく知らない。
お母さんは10年前に病気で死んだの」
「うちと同じだね」
「そうか。でも私は富田のおばあちゃんや娘の初子さんがいたから寂しくなかったけど、サッチャンは寂しくない?」
「うん、よっちゃんがいるから寂しくない」
その声を聞いてぎゅっと抱きしめ 頭を撫でるよっちゃん。
次の日よっちゃんは、
「猫田運送の仕事に行くけど
サッチャン1人で大丈夫?初子さんのとこに行く?」
「初子さんってお隣りの大家さんの?」
「そう、亡くなったけど富田のおばあちゃんと初子さんには、このアパートに来てから30年ずっと、お世話になってるのよ」
「30年も?すごーい!」
「あれ?そう言えばサッチャン、今いくつ?」
「7歳かな?」
「エッ、じゃあ、学校に行かなきゃいけないんじゃないの?」
慌て出すよっちゃん。
「わかんない?学校行けるの?」
「え~!?!大変だ。どうしよう・・・。
所長?区長?ウーンまずは初子さんに相談しよう!」
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