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43話
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その日の夜、僕とヴァルア様はある町の宿で一泊した。
ヴァルア様はなかなか手洗い場から離れなかった。「血の臭いはなかなか取れないんだ」なんてぼやきながら、何度も手を洗っていた。
その後、僕はヴァルア様に体を洗ってもらった。肛門から垂れている精液はすぐに掻き出せたが、媚薬による愛液は溢れて止まらないので途中で掻き出すのを諦めた。
「尻から愛液なんて……まるで女性の陰部みたいだな……」
「元からこのフェロモンを持つヒト族は、男性でも妊娠することができると司祭様がおっしゃっていました。つまりそのヒト族の男性の肛門は、女性の陰部と同じ機能を持つということです。興味深いですよね」
「へえ。俺の前でまだ司祭の話をするんだ」
「?」
ヴァルア様が急に不機嫌になってしまい、反応に困った。
湯浴みを済ませた僕たちは、同じベッドの中で横になった。ヴァルア様は疲れたようで、僕の隣ですぐに寝息を立て始めた。
僕はといえば、まだ抜けきっていない媚薬の効果に悩まされていた。先ほどまでは緊張感が勝り感じていなかったが、ベッドに入りホッと一息ついたとたん、急激に情欲が沸き上がって来たのだ。
「……ヴァルア様……」
名前を呼ばれても、ヴァルア様は寝息を返すだけだった。
「~~……」
僕はおそるおそる、自分のペニスに手を伸ばした。己の体に触れてはいけないなんて掟は、司祭様が勝手に作ったデタラメだ。僕はもう、自分の体を触ってもいい。
「……ダメだ……」
分かってはいても、体が言うことを聞いてくれなかった。
「ヴァルア様……」
何度呼んでも起きてくれない。朝まで我慢しようとも考えたが、気付けば思考とは裏腹に体が動いていた。
僕はそっとヴァルア様の腹の上に乗った。眠っている彼の唇や首筋に吸い付きながら、腹にペニスを押し付ける。
「あっ……」
ヴァルア様の温かくすべる肌でペニスを擦ると、じわっとした快感が得られた。さらなる快感を求めて、僕は必死に腰を振った。
「あっ、あっ……んっ、ヴァルア様……っ、あぁっ……、あっ、あっ、出るっ……――」
精液がヴァルア様の胸にかかる。その光景に少しばかり興奮した。肛門が疼く。ヴァルア様の上に愛液の水たまりができていた。
僕は体勢を変え、服に隠れているヴァルア様のペニスを取り出した。勃起していないときのヴァルア様のペニスを初めて見た。
口や手で刺激を与えていると、少しずつ硬くなってきた。僕はそれを肛門に当て、腰を下ろす。
「あぁぁぁ……っ!」
媚薬で酔っている体にヴァルア様のペニスは快感が強すぎた。僕はヴァルア様が眠っていることも忘れ、嬌声を上げながら腰を振った。ペニスを呑み込むたびに、肛門が品のない音を立てている。
「あっ、あっ、あぁっ、ヴァルア様……っ! んっ、ぁぁっ、きもちっ……!」
二度目の射精をしてしまった。それでも腰は止まらない。もっとヴァルア様が欲しいと全身が叫んでいる。
「はぁっ、あっ、あぁぁっ、あっ、あっ、あっ、」
本能のまま快感を求めていると、突然ヴァルア様の腰が押し上げられた。
「あぁぁぁあっ!?」
奥まで突かれた僕は下腹部を痙攣させた。思いがけない快感に頭が真っ白になる。
「!? っ、!?」
「……俺が寝ている間になんてことをしているんだ、君は……」
「あっ……ぁ……ヴァルア様……起きて……?」
「そりゃ、ペニスを咥え込まれて大きな声で喘がれたら、誰でも起きるよ」
そう言いながら、ヴァルア様が腰を動かした。
「あっ、あぁぁっ、あっ、あっ、」
「そうか。まだ媚薬の効果が切れていなかったんだね。言ってくれればこうしたのに。どうして起こしてくれなかったんだい?」
「起こしたっ、あぁっ、あっ、けどっ、んぁっ、起きなかったっ、あぁぁっ、ぁっ」
「そうだったのか。すまない」
「良いからっ、もっと、奥までっ、あぁっ、はっ、あ、そこっ、もっとっ」
「……媚薬を打たれたときの君は、いつもこんな感じなのかい?」
「んっ、分からなっ、あぁっ、あっ、きもちいっ、あぁぁっ、ヴァルア様っ、ヴァルア様っ」
ヴァルア様の首にしがみついた僕は、やみくもにキスをした。
「んっ……、ナストっ、激しい……っ」
「はぁっ……あぁっ、もっとしたいっ……」
「~~……」
散々キスに付き合ったあと、ヴァルア様は僕をベッドに押し倒した。
「俺の体、ベトベトなんだけど。これ、君のせい?」
「んっ……うんっ……ごめんなさいっ……」
「こんなことが嬉しいなんて……。全く……。君といるとどうにかなりそうだよ」
ペニスが差し込まれ、ヴァルア様の腰が僕の尻にぴったりとくっついた。
「あぁぁぁっ!? あぁっ、あっ、あぁぁっ!!」
絶え間なく喘ぐ僕の口を、ヴァルア様が手で塞ぐ。
「もう少し静かに。宿泊者に迷惑をかけるから」
「んっ、んんんっ、んっ、んっ、んんん~!! んっ、んっ」
「……抑えられないようだね。分かった。じゃあ、このまま塞いでおくから好きに声を出していいよ」
「んっ、んんんっ、んんんっ!!」
それから何度ヴァルア様と体を重ねたか分からない。少なくとも分かることは、僕が求めるだけ求めても、ヴァルア様はそれだけ僕を抱いてくれたことだ。
ヴァルア様はなかなか手洗い場から離れなかった。「血の臭いはなかなか取れないんだ」なんてぼやきながら、何度も手を洗っていた。
その後、僕はヴァルア様に体を洗ってもらった。肛門から垂れている精液はすぐに掻き出せたが、媚薬による愛液は溢れて止まらないので途中で掻き出すのを諦めた。
「尻から愛液なんて……まるで女性の陰部みたいだな……」
「元からこのフェロモンを持つヒト族は、男性でも妊娠することができると司祭様がおっしゃっていました。つまりそのヒト族の男性の肛門は、女性の陰部と同じ機能を持つということです。興味深いですよね」
「へえ。俺の前でまだ司祭の話をするんだ」
「?」
ヴァルア様が急に不機嫌になってしまい、反応に困った。
湯浴みを済ませた僕たちは、同じベッドの中で横になった。ヴァルア様は疲れたようで、僕の隣ですぐに寝息を立て始めた。
僕はといえば、まだ抜けきっていない媚薬の効果に悩まされていた。先ほどまでは緊張感が勝り感じていなかったが、ベッドに入りホッと一息ついたとたん、急激に情欲が沸き上がって来たのだ。
「……ヴァルア様……」
名前を呼ばれても、ヴァルア様は寝息を返すだけだった。
「~~……」
僕はおそるおそる、自分のペニスに手を伸ばした。己の体に触れてはいけないなんて掟は、司祭様が勝手に作ったデタラメだ。僕はもう、自分の体を触ってもいい。
「……ダメだ……」
分かってはいても、体が言うことを聞いてくれなかった。
「ヴァルア様……」
何度呼んでも起きてくれない。朝まで我慢しようとも考えたが、気付けば思考とは裏腹に体が動いていた。
僕はそっとヴァルア様の腹の上に乗った。眠っている彼の唇や首筋に吸い付きながら、腹にペニスを押し付ける。
「あっ……」
ヴァルア様の温かくすべる肌でペニスを擦ると、じわっとした快感が得られた。さらなる快感を求めて、僕は必死に腰を振った。
「あっ、あっ……んっ、ヴァルア様……っ、あぁっ……、あっ、あっ、出るっ……――」
精液がヴァルア様の胸にかかる。その光景に少しばかり興奮した。肛門が疼く。ヴァルア様の上に愛液の水たまりができていた。
僕は体勢を変え、服に隠れているヴァルア様のペニスを取り出した。勃起していないときのヴァルア様のペニスを初めて見た。
口や手で刺激を与えていると、少しずつ硬くなってきた。僕はそれを肛門に当て、腰を下ろす。
「あぁぁぁ……っ!」
媚薬で酔っている体にヴァルア様のペニスは快感が強すぎた。僕はヴァルア様が眠っていることも忘れ、嬌声を上げながら腰を振った。ペニスを呑み込むたびに、肛門が品のない音を立てている。
「あっ、あっ、あぁっ、ヴァルア様……っ! んっ、ぁぁっ、きもちっ……!」
二度目の射精をしてしまった。それでも腰は止まらない。もっとヴァルア様が欲しいと全身が叫んでいる。
「はぁっ、あっ、あぁぁっ、あっ、あっ、あっ、」
本能のまま快感を求めていると、突然ヴァルア様の腰が押し上げられた。
「あぁぁぁあっ!?」
奥まで突かれた僕は下腹部を痙攣させた。思いがけない快感に頭が真っ白になる。
「!? っ、!?」
「……俺が寝ている間になんてことをしているんだ、君は……」
「あっ……ぁ……ヴァルア様……起きて……?」
「そりゃ、ペニスを咥え込まれて大きな声で喘がれたら、誰でも起きるよ」
そう言いながら、ヴァルア様が腰を動かした。
「あっ、あぁぁっ、あっ、あっ、」
「そうか。まだ媚薬の効果が切れていなかったんだね。言ってくれればこうしたのに。どうして起こしてくれなかったんだい?」
「起こしたっ、あぁっ、あっ、けどっ、んぁっ、起きなかったっ、あぁぁっ、ぁっ」
「そうだったのか。すまない」
「良いからっ、もっと、奥までっ、あぁっ、はっ、あ、そこっ、もっとっ」
「……媚薬を打たれたときの君は、いつもこんな感じなのかい?」
「んっ、分からなっ、あぁっ、あっ、きもちいっ、あぁぁっ、ヴァルア様っ、ヴァルア様っ」
ヴァルア様の首にしがみついた僕は、やみくもにキスをした。
「んっ……、ナストっ、激しい……っ」
「はぁっ……あぁっ、もっとしたいっ……」
「~~……」
散々キスに付き合ったあと、ヴァルア様は僕をベッドに押し倒した。
「俺の体、ベトベトなんだけど。これ、君のせい?」
「んっ……うんっ……ごめんなさいっ……」
「こんなことが嬉しいなんて……。全く……。君といるとどうにかなりそうだよ」
ペニスが差し込まれ、ヴァルア様の腰が僕の尻にぴったりとくっついた。
「あぁぁぁっ!? あぁっ、あっ、あぁぁっ!!」
絶え間なく喘ぐ僕の口を、ヴァルア様が手で塞ぐ。
「もう少し静かに。宿泊者に迷惑をかけるから」
「んっ、んんんっ、んっ、んっ、んんん~!! んっ、んっ」
「……抑えられないようだね。分かった。じゃあ、このまま塞いでおくから好きに声を出していいよ」
「んっ、んんんっ、んんんっ!!」
それから何度ヴァルア様と体を重ねたか分からない。少なくとも分かることは、僕が求めるだけ求めても、ヴァルア様はそれだけ僕を抱いてくれたことだ。
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