【完結】【R18BL】清らかになるために司祭様に犯されています

ちゃっぷす

文字の大きさ
上 下
10 / 47

10話

しおりを挟む
「っ、っ……っ、~~……っ、」

 薄い唇なのに柔らかく、ざらつきがない。舌を絡めるたび口の中に広がるのは、おそらくミントの香りだろう。舌は司祭様よりも薄く、少し長い。もったりとした舌の動きに戸惑ってしまう。まるで、羽でくすぐられているような感覚だ。
 僕は拒絶の意を示すため、ヴァルア様の胸を強く押した。ヴァルア様は「ん?」と子どもみたいな甘えた声を出した。

「どうしたんだい?」

 僕は口をこすり、ヴァルア様を睨みつけた。

「やっ……やはりあなたに触れられると穢れる……!! これで証明されました……!!」
「どうしてそう思う?」
「司祭様と同じことをするよりも、ペニスの膨張が著しいからです!!」

 僕の気も知らず、ヴァルア様は噴き出した。必死に笑いを堪えているようだが、表情が隠し通せていない。やはり確信犯か。彼は自身が穢れであると自覚しているのだ。それなのに、僕を穢すためにあのようなことを嘯いたんだ。

「それがどうして穢れに繋がる? 快感は清めの証拠なのだろう?」
「ペニスの快感は別です! ここは卑しい快感を得るところです。忌まわしい快感を!!」
「キスだけでそんなに感じてくれたのなら嬉しいよ。ふふっ」
「何を笑って……やっぱり、あなたが王族と言うのは偽りで、僕を穢すために来た悪の使者か何かだな!?」

 今度は我慢する様子もなく、ヴァルア様は腹を抱えて笑った。こんな品のない笑い方をする人なんて、教会の中に一人もいない。嫌悪感が極まって吐き気を覚えた。
 ヴァルア様はいかにも楽しそうに言った。

「それじゃあ今から、俺が悪の使者じゃないことを証明してみせようじゃないか!」

 キャソックのボタンに手をかけられたので、僕は声を荒らげた。

「何をしている!? 僕に触れるな汚らわしい!」
「ペニスの快感は、えーっと、卑しい快感、なんだっけ? それで、アナルの快感は、清めの証拠……なんだよね? じゃあ、俺が君のアナルを感じさせたら、俺が悪の使者じゃないと分かるだろう」
「そんなことをされずとも、もうお前の正体は分かり切っている!」

 ヴァルア様は「へえ?」と僕の目を見て、ニッと口角を上げる。

「俺にアナルを触れさせたくない? 俺で快感を覚えたら怖いからかな?」
「なっ……」

 どこまで司祭様と僕をバカにすれば気が済むんだ。司祭様の聖なる力を日々与えられている僕なら、そこらへんの聖職者ですら快感を覚えるはずがないのだ。当然、こんな悪の使者なんかに触れられたくらいで感じるわけがない。むしろ穢れに当てられて気分が悪くなるはずだ。体調にも支障をきたすだろう。それなのにこの人は、その穢れた体で僕に快感を与えられると思っている。

「愚かな穢れとは会話すら成り立たないのか」

 僕はそう呟き、自ら足を開いた。

「さあ、やってごらんよ」

 またヴァルア様が震えた気がした。彼は口元を手で押さえ、「あー……」とだらしない声を漏らす。

「君がそんなことをするから少し勃ってしまったじゃないか」
「はっ。汚らわしい」
「今にも破裂しそうなほど勃起している君には言われたくないがね」

 ヴァルア様は自身の薬指を、唾液をたっぷり含んだ舌でひと舐めした。そしてその指先を僕の肛門に添え、穴の周りをぬるぬると唾液で濡らしていく。

「……指を濡らす必要なかったね。見て、司祭の精液がアナルから少し垂れてるよ」
「僕の穢れが司祭様の聖なる力を拒絶するせいで、全てを体内に留めておけない」
「うーん……。ま、いっか。……入れるよ」
「……」

 肛門に異物が侵入するのを感じた。細長い指が、ゆっくりと根元まで押し込まれる。
 予想通りだ。この男に肛門を触られても、何も感じない。

「おー。使い込まれているね。簡単に根元まで入った」
「司祭様に毎晩清めてもらっている。その程度の穢れならば、僕にはどうってことない」
「うーん。やはり会話が微妙に成り立たないな」

 それはこちらのセリフだ。
 腸の上側に指の腹を当てたまま、ヴァルア様の指がすぅっと引き下がっていく。

「あっ……!」
「ん?」
「……」

 指がある場所を通ったとき、望まない快感が僕を襲った。思わず声が出てしまったことに自分で気付き、口を真一文字に結んだものの、ヴァルア様に聞かれてしまったようだ。
 しかし、ヴァルア様は特段何を言うわけでもなく、肛門の中に指を這わせる。まるで何かを探るように、ゆっくりと、念入りに、あらゆるところを指の腹で触れた。

「っ……、っ……、っ」

 長い。いつまでこんなことを続けるんだ。でも、やはり、僕は司祭様以外で感じることはないようだ。正直に言えば、快感が訪れそうになる瞬間はあった。だがそれは体の誤作動に過ぎず、この指が司祭様のものではないと気付いた体はすぐに正気に戻るのだ。

「……もう分かったでしょう? 僕はあなたでは――」
「うん。よく分かったよ」
「だったらもうその指を抜いて――」
「君の好きなところ、全部ね」
「あぁっ!?」

 ヴァルア様の指がぐいと腸を押さえ付けた瞬間、僕の肛門がきつく締まった。体の奥が痙攣している。それに、金の輪が射精しそうになるペニスを抑圧するために、ギチギチと音を立てたかのように感じた。

「!? っ、っ!?」
「わ、すごい。一発で中イキ」
「っ、~~……っ、な、なに、今のっ……」

 ヴァルア様は胡散臭い笑みを浮かべ、今度は激しく指を出し入れしはじめた。彼の指が中で動くたび、体がのけぞる。

「あっ!? あぁっ、あぁぁっ、やっ、あぁぁっ、!? !? なにっ、なにこれっ、んあぁっ!?」
「快感というのはね、ナスト。清めや穢れの証明なんかではないんだよ。ただの生理現象だ」
「やっ、もうそこやめてっ、あぁっ、やぁっ! おかしくなる……っ、んんぁぁっ……!!」
「男性には前立腺と言う臓器があってね、そこを刺激されると……調教済みの限られた人ではあるが……快感を覚えるんだよ。君のようにね。それが、ここ」
「あぁぁぁっ!!」

 再び体中が痙攣する。肛門でここまでの暴力的な快感を得たのははじめてで、なにもかも意味が分からなくなった。
 ヴァルア様が指を抜いた。気付けば僕は、涎を垂らしてぐったりと脱力していた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

処理中です...