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2話

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 司祭様のペニスに付着した精液を綺麗に舐めとったあと、それを祭服の奥にしまい、ボタンを留めた。
 手招きをされたので司祭様の隣に座る。司祭様は僕を抱き寄せ、唇を重ねた。司祭様の舌が僕の口内を清めてくれる。
 だんだんと体に熱が帯び、ペニスにはめている輪がきつくなっていく。
 それに気付いたのか、司祭様が僕の股間に手を添えた。

「ふふ。もどかしそうだね」
「はっ……はい……っ」

 司祭さまは何度かそこを撫でてから手を離した。

「夜まで我慢なさい」

 苦しい。今すぐどうにかしてほしい。でも、司祭様の言うことには従うほかない。僕はなんとか頷いた。
 しばらく触れ合ったあと、司祭様は僕の耳元で囁いた。

「ナスト。そろそろ用を足す時間だ」

 起きてからずっと尿意に耐えていた僕は、やっとだ、と安堵のため息を吐いた。
 自分の体に触れてはいけない聖職者は、用を足すとき、誰かに手を貸してもらわなければいけない。僕が用を足すときは、司祭様が世話をしてくれる。反対に、司祭様のお世話は僕がしている。どちらも恐縮するほど、身に余る。

 便器の前に立つ僕のうしろに司祭様が立った。司祭様は僕の祭服のボタンを外し、ペニスを取り出す。はめた輪が埋もれそうなほど膨張している僕のペニスをさすりながら、司祭様はクスクスと笑った。

「こんなに大きくなったままで、ちゃんと出るだろうか」
「す、すみません……」
「ああ、可愛い」
「し、司祭様っ……。そのように触れられては、いつまで経ってもおさまりません……っ」
「すまない。あまりに愛しくてだね」
「もう……っ」

 しばらく司祭様は僕のペニスを指先で弄んだ。そのせいで最後までおさまらず、勃起したまま用を足すハメになった。

「ああぁ……っ」
「ふふ。用を足すだけで感じているのかい? いけない子だねナストは」
「だ、だって……」

 僕はここ一カ月ほど射精できていない。僕が射精を許されるのは、自然と溢れ出すときだ。つまり、ペニスを直接刺激するのではなく、司祭様と繋がっているときの悦びでのみ、射精することができる。
 僕の体には、まだこびりついた罪の汚れが残っているため、繋がっているときの悦びたけで射精するが難しい。
 そして今はちょうど、直接触れられずとも射精できそうなほど、ペニスが限界を迎えている時期だった。尿が尿道を通るだけでもひどい快感に襲われるほど、体が敏感になっていた。

 全て理解している司祭様は、ときどきちょっとした意地悪をする。

「あっ!?」

 用を足し終えた僕のペニスを、司祭様はおもむろに刺激しはじめた。ゆっくりと、そして徐々に激しく、握った手を動かす。

「あっ、あっ!! 司祭様っ! ダメです、それ以上は……っ!!」

 ペニスを直接刺激して射精することは、僕のような下級職位の聖職者にとって恥ずべきことである。聖なる力を分け与える力を持つ司祭様と違い、僕の射精はただの卑しい体液の噴射に過ぎず、それによる快感だけを求めて体を刺激することは、穢れをひとつ身にまとうことと同義だった。

「あっ……! あっ……やだっ、出る――」

 絶頂の快感がむくむくと押し寄せ、解放される直前――
 司祭様の手がすっと離れた。

「う!? うぅー……っ」

 得られたはずの快感が得られず、もどかしさで股間がズキズキと痛む。先ほどまで絶対に射精したくないと思っていたのに、今ではどうして最後までしてくれないのかと、司祭様に恨みがましい目を向けてしまっている。
 そんな僕に、司祭様は微笑んだ。

「穢れは簡単に手に入ってしまう。その誘惑は耐えがたいものだよ。いいかい、ナスト。一時の快感に溺れてはいけないよ。君は未来の司祭になるんだ。もっと心を強く持ち、毅然と悪に抗う力を身に付けなさい」

 その言葉を聞き、恥ずかしさで頬が赤く染まった。そうだ。僕は未来の司祭になりたいんだ。こんな一瞬だけの快感のために、穢れを抱き寄せようとするなんてどうかしている。
 僕がその教えを忘れそうになったとき、司祭様はこうして意地悪をする。

「ありがとうございます、司祭様」
「いいんだよ。さあ、では次はわしの世話をしておくれ」
「はい。喜んで」

 用を足した司祭様と僕は、質素な朝食を済ませてから礼拝堂に向かった。
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