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トラブル

第二十三話

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「小鳥遊……俺、なんか……すげー興奮してきた」

 激しいキスのあと、俺は小鳥遊の腰の上にまたがった。

「月見里……?」
「ごめん、ちょっとちんこ借りるわ」
「っ!? んっ……!」

 小鳥遊の屹立したペニスをアナルに当て、一息に呑み込んだ。
 奥まで小鳥遊のペニスでいっぱいになり、襲い掛かる快感に身をのけぞらせる。

「んぁぁっ……!!」

 そのまま腰を動かし始めると、小鳥遊の動揺した声が聞こえてきた。

「やっ、月見里っ……! な、なな、何をしているっ……! んっ……、んんっ……!」
「うるさいな……っ。んっ、あっ、……あんま見んな。恥ずかしいだろ……っ」

 見るなと言ったのに、俺の乱れる姿に小鳥遊の目が釘付けになっている。

「はっ……あっ、んんっ……、あっ、気持ちい……っ」

 俺が自分本位に動くことなんてめったにない。そんな気があまり起きないというのもあるが、なによりこんなことをして耐えられるペニスが今までなかった。
 全く。こいつはどこまで俺を満たせば気が済むんだ。

 小鳥遊が俺の手首をがっしり掴む。

「やっ……月見里っ……激しい……っ、もっとゆっくり……っ!」
「お前は黙ってろっ……。あっ……んっ、は……、あっ……!」

 あっ、ここ。ここ好き。気持ちいい。もっと。もっと欲しい。

「あぁぁ……っ、気持ちいっ……っ、はっ、あぁっ……」
「月見里……っ! ちょっ、まっ……待てっ、一回止まれっ……!」
「無理っ……、やめたくない……っ」
「ダメだって……っ! じゃないと俺っ……、もっ……んんっ!!」
「んぁぁっ!?」

 唐突に中出しされて、俺は目をチカチカさせた。

「ちょっ……、なんで出た!? まだ五分くらいしか……っ」

 小鳥遊は恥ずかしさのあまり両手で顔を覆っている。

「~~……。あのなっ、俺がなんの努力もせずに二十分も三十分も腰を振り続けているとでも思っていたのか!?」
「へっ!? 思ってたけど!? だってお前遅漏なんだろ!?」
「遅漏でもなっ、お前の中だと普通に腰振ってたらこのくらいだ!!」
「へ!?」

 小鳥遊は真っ赤な顔で俺を睨みつける。

「お、お前。時間かけて抱かれるのが好きなんだろう。だから毎回ノロノロやってたんだ。気付いてなかったのか」
「き、気付かなかった……」

 しかしそう言われてみれば……
 前回も前々回も、基本的にやたらとゆっくり動いていた。
 それに、途中で動くのをやめて俺の体を舐めたくるフェーズがあったのを思い出した。クールダウンの時間だったのか、あれ。
 こいつが激しく動くのは、面白がって一時的に俺をイジめるときか、射精するときくらいだった。

 俺はハァァ……とため息を吐いた。

「小鳥遊、お前なあ……」
「~~……」

 そんな恥ずかしそうな顔をするな。またお前が可愛く見えてしまうだろうが。

「どこまで俺のためのセックスしてんだよ、バカ」
「も、もういいだろう。ほら、そこをどけ。次は俺が動くから……」
「いや、まだ俺のターン」
「は? ……ぐっ!?」

 ダン、と激しく腰を打ち付けると、小鳥遊の体がのけぞった。
 そのまま俺は、再び腰を激しく振り始める。

「やっ……月見里!? お、おいっ、止まれっ、お、俺イッたばっか……!! ぐっ、うっ……んんっ……!!」
「今まで頑張ってきたご褒美やる」
「はっ……? ちょっ……まっ……、んんっ……やめろっ……、なんか変だからっ……!!」

 俺は腰を振ったまま、小鳥遊の耳元に顔を近づける。

「俺の中で潮吹かせてやるよ」
「はぁ!? やめろぉっ!! 止まれ月見里ぃぃぃっ……!! もっ、……んぐぅっ!!」
「――っ……」

 俺の中で、精液とは違う液体がピシャッと噴き出したのを感じた。

「あー……。……大丈夫か、小鳥遊。……小鳥遊?」

 小鳥遊から反応がない。放心状態になっていた。

「おーい。小鳥遊。生きてる?」
「……なんだ、今のは」
「潮だけど。この前お前も俺に吹かせてたじゃん」
「……こういうのは抱かれる側がするものだろう。なぜ俺が潮を吹かされた?」
「どうだった? 気持ちよかっただろう」
「……頭がおかしくなるかと思った」
「だろう。また吹かせてやるからな」

 頭を撫でてやると、小鳥遊はうわ言のように呟いた。

「なぜだ。俺が抱かれた気分だ……」
「ま、ケツで抱いたな」
「こんなこと、はじめてだ」

 はじめてと快感と、主導権を奪われたことへの悔しさ、そして潮吹きの恥ずかしさなどが相まってか、しばらく小鳥遊はぼんやりと天井を眺めていた。

 俺はそんな小鳥遊の隣に寝ころび、目を閉じた。

「……ん? 月見里、もう終わるのか?」
「うん。今日はこれでいい」
「お前、まだ一回も中でイッていないだろう」
「うん。でも今日はいいや。なんかすげー満足した」
「……俺、まだいけるぞ?」
「ううん。なんかもう充分」

 その代わり、と俺は続ける。

「また、さっきみたいなのさせてよ」
「……ふん」

 断らないということは、小鳥遊もちょっと気に入ったということだな。
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