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二年:中間考査~
第五十四話
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夜、凪が俺の家に顔を出した。
ずっと凪が持ったままだった合鍵でドアを開け、おずおずと部屋に入ってくる。
俺と目が合った凪は、照れながら小さい声で言った。
「ただいま」
おかえり、と言う前に、俺は凪を抱きしめていた。
気付けば俺は泣きながら、凪に恨みつらみを垂れ流していた。
「バカ。バカ。バカ野郎。勝手に離れていきやがって。バカ。クソ」
「……ごめん」
「俺のためにやったんだろうが、そんなの誰も望んでなかったわボケ」
「ごめん」
「もう二度と離れんなクソが。俺をこんな気持ちにさせるな今後一生」
「……うん。約束する」
凪が俺のあごに手を添える。俺の顔を上向かせ、そっとキスをした。
心地の良い時間を与えられ、不本意ながら俺の恨みが吹き飛んでしまった。
「……なに」
「ん?」
「なに急に」
どうせ「ふとキスしたくなった」んだろ。聞かなくても分かるわ。
凪はゆったり目じりを下げ、俺を抱きしめた。
「ずっとキスしたかったから」
「~~……」
クソ。こいつ卑怯だ。ズルい。今の一言でつらみまで吹き飛んでしまった。
「理玖」
「なんだよ」
「ずっとしたかったこと、いっぱいあるんだ」
「……」
「してもいい?」
聞くなそんなこと。良いに決まってんだろ。さっさとしやがれクソが。
俺たちは晩メシも食わずにシャワーを浴びて、二人してベッドになだれこんだ。
「っ……、凪っ、しつこいっ……」
ベッドに押し倒した俺に、凪が吸い付いて離れない。体中いたるところに舌を這わせ、ときどき吐息を漏らしている。
しゃぶり回している方は楽しいだろうが、やられている側はじれったくてしょうがない。
「……理玖。すごい敏感になってない? どこ触ってもビクビクして……」
「うっ、うるさいなあっ……、そりゃっ……何カ月も焦らされたら……っ、こうもなるっ……」
「はあ……可愛すぎるんだけど……」
全身を舐め回している間、今度は凪が恨みつらみを垂れ流していた。
「理玖……。高梨先生とはあれからなんもないよね?」
「ないっ……あるわけないだろっ……」
「Cに告られたときどんな気持ちだった? ちょっとは迷ったりした?」
「さあなっ……知らねえよ……っ」
「理玖にもちんこ付いてるもんね。突っ込みたいとか思うの?」
「思うわそりゃ……っ」
「え」
「お前にな……」
「……今のは聞かなかったことにする。うん。ごめん」
我慢できなくなって、凪の手を俺のちんこに触れさせた。
凪は目を見開いたのち、はにかんだ。
「何その顔」
「……」
「物欲しそうな顔してる」
「いいから、早く触れぇ……」
凪は指先で軽くちんこを撫でたあと、クスッと笑った。
「触るより……舐めてもいい?」
「えっ……」
俺の返事を聞かずして、凪がちんこに舌を這わせる。
「あっ……!」
「はは。すげー声」
「んんっ……! んっ、んん……っ」
久しぶりのセックスでフェラは刺激が強すぎる。しかもこんなに愛おしげに舐められたら、興奮せざるをえないだろうが。
「あー……理玖のちんこの味だぁ……」
「おいぃ……キモいこと言うんじゃねえ……」
「ずっとしゃぶってたい、これ」
「きっしょぉ……」
とか口では言いながら、ずっとしゃぶらせておきたいと思った俺も俺だ。
「っ……、あっ、凪、出そ――」
「あっ、危ない」
「えっ……」
射精寸前で、凪に口を離された。
「な、なんで……?」
「だって久しぶりだしさ、一緒にイキたいじゃん」
「えぇ……。一回イキたい……。ジンジンする……」
「だーめ。一緒にイキたい」
なんてワガママなヤツなんだ。
それから凪はキスしながら、指で俺のケツをほぐした。
やっと得られたケツの快感に、俺は我も忘れて体をくねらせ、嬌声をあげまくった。
「はは……。今日の理玖やっば……」
「凪ぃっ……!! もっと奥……っ、……っ、あっ、そこっ、そこ!!」
「そんなおしり気持ちよくなりたかったの?」
「うんっ……うんっ……!」
「やっば……なにこれ……エロ……」
興奮した凪が激しく中を掻き回したので、俺は簡単に中イキしてしまった。
ひくひくと痙攣している俺の両脚を、凪が開かせる。
「理玖……挿れていい?」
「うん。はやく……」
ぴと、と凪のちんこがケツに触れ、ゆっくりと中に押し込まれる。
「うわ、キツ……ッ」
「うぅ……っ」
「理玖、痛い……?」
「痛い……けど……やめないで……」
「……やめれるわけないじゃん」
痛かったけど、気持ちよかった。数カ月間挿れていなくても、俺の中は凪の形を覚えていた。
「っ……、入った……っ」
「ん……」
「痛くない?」
「うん、痛くない……」
胸に雫が数滴落ちる。それが何かは分かっていたが、俺は何も言わずにいた。
長い間、凪は動かなかった。ただ繋がったまま、俺を抱きしめていた。
ずっと凪が持ったままだった合鍵でドアを開け、おずおずと部屋に入ってくる。
俺と目が合った凪は、照れながら小さい声で言った。
「ただいま」
おかえり、と言う前に、俺は凪を抱きしめていた。
気付けば俺は泣きながら、凪に恨みつらみを垂れ流していた。
「バカ。バカ。バカ野郎。勝手に離れていきやがって。バカ。クソ」
「……ごめん」
「俺のためにやったんだろうが、そんなの誰も望んでなかったわボケ」
「ごめん」
「もう二度と離れんなクソが。俺をこんな気持ちにさせるな今後一生」
「……うん。約束する」
凪が俺のあごに手を添える。俺の顔を上向かせ、そっとキスをした。
心地の良い時間を与えられ、不本意ながら俺の恨みが吹き飛んでしまった。
「……なに」
「ん?」
「なに急に」
どうせ「ふとキスしたくなった」んだろ。聞かなくても分かるわ。
凪はゆったり目じりを下げ、俺を抱きしめた。
「ずっとキスしたかったから」
「~~……」
クソ。こいつ卑怯だ。ズルい。今の一言でつらみまで吹き飛んでしまった。
「理玖」
「なんだよ」
「ずっとしたかったこと、いっぱいあるんだ」
「……」
「してもいい?」
聞くなそんなこと。良いに決まってんだろ。さっさとしやがれクソが。
俺たちは晩メシも食わずにシャワーを浴びて、二人してベッドになだれこんだ。
「っ……、凪っ、しつこいっ……」
ベッドに押し倒した俺に、凪が吸い付いて離れない。体中いたるところに舌を這わせ、ときどき吐息を漏らしている。
しゃぶり回している方は楽しいだろうが、やられている側はじれったくてしょうがない。
「……理玖。すごい敏感になってない? どこ触ってもビクビクして……」
「うっ、うるさいなあっ……、そりゃっ……何カ月も焦らされたら……っ、こうもなるっ……」
「はあ……可愛すぎるんだけど……」
全身を舐め回している間、今度は凪が恨みつらみを垂れ流していた。
「理玖……。高梨先生とはあれからなんもないよね?」
「ないっ……あるわけないだろっ……」
「Cに告られたときどんな気持ちだった? ちょっとは迷ったりした?」
「さあなっ……知らねえよ……っ」
「理玖にもちんこ付いてるもんね。突っ込みたいとか思うの?」
「思うわそりゃ……っ」
「え」
「お前にな……」
「……今のは聞かなかったことにする。うん。ごめん」
我慢できなくなって、凪の手を俺のちんこに触れさせた。
凪は目を見開いたのち、はにかんだ。
「何その顔」
「……」
「物欲しそうな顔してる」
「いいから、早く触れぇ……」
凪は指先で軽くちんこを撫でたあと、クスッと笑った。
「触るより……舐めてもいい?」
「えっ……」
俺の返事を聞かずして、凪がちんこに舌を這わせる。
「あっ……!」
「はは。すげー声」
「んんっ……! んっ、んん……っ」
久しぶりのセックスでフェラは刺激が強すぎる。しかもこんなに愛おしげに舐められたら、興奮せざるをえないだろうが。
「あー……理玖のちんこの味だぁ……」
「おいぃ……キモいこと言うんじゃねえ……」
「ずっとしゃぶってたい、これ」
「きっしょぉ……」
とか口では言いながら、ずっとしゃぶらせておきたいと思った俺も俺だ。
「っ……、あっ、凪、出そ――」
「あっ、危ない」
「えっ……」
射精寸前で、凪に口を離された。
「な、なんで……?」
「だって久しぶりだしさ、一緒にイキたいじゃん」
「えぇ……。一回イキたい……。ジンジンする……」
「だーめ。一緒にイキたい」
なんてワガママなヤツなんだ。
それから凪はキスしながら、指で俺のケツをほぐした。
やっと得られたケツの快感に、俺は我も忘れて体をくねらせ、嬌声をあげまくった。
「はは……。今日の理玖やっば……」
「凪ぃっ……!! もっと奥……っ、……っ、あっ、そこっ、そこ!!」
「そんなおしり気持ちよくなりたかったの?」
「うんっ……うんっ……!」
「やっば……なにこれ……エロ……」
興奮した凪が激しく中を掻き回したので、俺は簡単に中イキしてしまった。
ひくひくと痙攣している俺の両脚を、凪が開かせる。
「理玖……挿れていい?」
「うん。はやく……」
ぴと、と凪のちんこがケツに触れ、ゆっくりと中に押し込まれる。
「うわ、キツ……ッ」
「うぅ……っ」
「理玖、痛い……?」
「痛い……けど……やめないで……」
「……やめれるわけないじゃん」
痛かったけど、気持ちよかった。数カ月間挿れていなくても、俺の中は凪の形を覚えていた。
「っ……、入った……っ」
「ん……」
「痛くない?」
「うん、痛くない……」
胸に雫が数滴落ちる。それが何かは分かっていたが、俺は何も言わずにいた。
長い間、凪は動かなかった。ただ繋がったまま、俺を抱きしめていた。
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