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一年:冬休み

第二十二話

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 キスのあと、凪がスマホを取り出した。もじもじしている。

「なあなあ。理玖と一緒に観たいエロ動画あるんだけど、流していい?」
「えー。どんなの?」
「観たら分かるよ」

 こいつの頭は常にエロいことでいっぱいだな。お盛んなこと。
 凪はスマホをモニターと繋げ、大画面で目当てのエロ動画を再生した。
 そこに映し出されたのは――

「お、おい……。まさかこれって……」

 ――男と男が裸で抱き合っている映像だった。

「ゲイのエロ動画じゃねえか!!」

 凪はへにゃんと頬を緩め(なぜこの状況でそんな和やかな笑みを浮かべられるんだ)、俺の腕に抱きついた。

「最近のお気に入りのエロ動画なんだよこれえ~」
「おいぃ……。こういうのは一人で観てくれ……。俺は巨乳にしか――」

 ……あれ? そういえば俺、最近巨乳のエロ動画観ながらシコッていない。巨乳どころか、エロ動画自体観ていないぞ……。

「……」

 俺は最近のシモ生活を振り返った。
 凪がいない日、俺はどうやって抜いていた?
 エロ動画も付けず、凪とのエロ行為を思い出しながら、一人でちんこを――

「うわぁぁぁあっ……」
「ど、どうした? 急にそんな大声出して」
「いや……なんでもない……」

 俺のしていることに比べれば、ゲイのエロ動画で抜いている凪はいたって健全なのではなかろうか……!?
 俺なんて、俺なんて……! クラスメイトのちんこ思い出してシコッてんだぞ!?!?

「ほら理玖、はじまったぞ! 一緒に観てよ」
「お、おう……」

 現実から目を背けるために、俺はエロ動画に目を向けた。
 いいガタイした金髪の男の人と、細身の黒髪の男の人。どちらも外国人だ。
 やたらとやらしいキスをしている。ひぇぇ……はたから見たら男同士のキスってこんなふうに見えるのか……。

 金髪が黒髪の乳首をいじっている。黒髪はわざとらしくも見えるくらい感じており、「oh...oh...」と甘ったるい声で喘いでいる。

 そんな感じのねちっこい前戯のあと……
 金髪が黒髪のケツに……ちんこを……突っ込んだ……。

「ひぃぃぃ……」

 まじでケツにちんこ入ってるぅぅぅぅ……!!
 そんなことされてなんで黒髪はアンアン喘げんの!? 本当に気持ちいい!? ケツがっ……ケツが裂けそうなんだが!?

 怯えている俺の耳元で、凪が囁いた。

「理玖……これ、すごくない?」
「うん、すごい……すごく怖い……」
「受けの人すごく気持ちよさそうでしょ?」

 凪の手が、すっと俺の服の中に差し込まれる。

「っ……」
「俺、いろいろ調べてみたんだけどさ」
「……」
「やっぱりはじめは気持ちよくないみたいなんだけど」

 凪の指が乳首を軽く引っ掻いた。

「んっ……」
「ゆっくり慣らしていくとね、だんだん気持ち良くなるらしいよ。ちょうど理玖の乳首みたいに」
「っ……」

 凪の手が下りていき、俺のちんこを優しく撫でる。

「ちんこいじるより気持ちいいらしいよ」
「へっ……。んなまさか……」
「ほんとほんと」
「……っ!?」

 ちんこを撫でていた手がさらに下り、ケツの割れ目をくんと押し込んだ。

「おいっ、なにして……」
「理玖のおしり、触りたい」
「ひぅっ……」
「ちんこ入れないから。指だけ」
「む、むり……」

 次に凪に言われる言葉を、俺はもう分かっていた。

「〝なんでも言うこと聞く〟んでしょ」
「~~……っ」

 凪は欲情した目で俺を見つめ、ねちっこいキスをした。
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