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第二章

寸止め地獄

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大地の布団に二人して飛び込み、もはや共食いしているように見えてもおかしくないくらい激しくキスをする。俺もたいがいだけど、大地も相当興奮しているみたいだった。激しすぎて舌を吸いちぎられるかと思ったもん。

唇を離した大地が、肩で息をしながら勉強机の引き出しをまさぐった。そこに何が入っているのか、俺はもう知っている。

「最近ケツばっかでソウタロウのことしっかり面倒みれてなかったからなー。今日は久しぶりにこれやるか、爽!」
「うぅぅ……それ、気持ち良すぎてキツいんだよな……」
「何がキツいんんだよ。だから一番緩いヤツなんだって」

大地が取り出したのは、早漏改善用のオナホだ。慣れた手つきで開封し、すっかり勃起している俺のちんこにゆっくり差し込んだ。

「んんん~~……っ」
「ひゅー、相変わらず突っ込んだだけでイク寸前」
「ダメだ大地……。俺、動かされたら秒でイク自信ある……」
「いつもはイッていいぞーって言うけど、今日はダメだぞー」
「えぇ……」

大地はゆっくりオナホを動かしながら言う。

「爽、イク寸前になったら教えてくれよ」
「え……なんで……?」
「いいからいいから」

にゅこ、にゅこ、と音を立てて、オナホがちんこを呑み込んだり吐き出したりを繰り返す。
ものの十秒で俺は悲鳴を上げた。

「大地っ……! イキそ……っ」
「分かった!」

ピタ、と大地の手が止まる。あと一回動かされていたらイッていた俺は、来ていたはずの快感が得られなくて混乱する。

「!? っ!?」

そんな俺の耳元で大地が囁いた。

「俺、気付いたんだ。ソウタロウのこと甘やかしすぎてたなーって」
「どっ、どゆこと……」
「ソウタロウも、ちょっとは我慢できる子にならないといけないだろ?」
「だからどういうことだよぉ……っ」

イキたい。早く手を動かしてくれよ。あともうちょっとでイケるんだから。おい、大地ぃ!

「わ、爽、やば……」
「え……なに……」
「気付いてないのか? お前、腰振ってるぞ」
「ひょっ!?」

ど、どあぁぁぁっ!! 俺の腰、カクカク動いてらぁ! 止まれっ、おい、止まれ俺の腰ぃっ! おま、大地の前でこんな恥ずかしいことすんな俺の腰ぃぃぃぃっ! あ……っ、気持ちい。イキそ……。

「だからダメだって」
「んあっ……!」

まただ。あともうちょっとでイケそうだって時に、大地は俺のちんこからオナホを引っこ抜いた。
溜め込んでいたパワーが放出できず、キンタマの中で暴れまくる。体中がジンジンしてすっげー辛い。

「だ、大地ぃ……っ、俺、イキてぇって……っ」
「ちょっとくらい我慢しなさいよ」
「無理ぃ……っ、出したい……勃起しすぎてちんこ痛いよぉ……。俺んちんこじゃこのパワーに耐えきれねえ……っ」

ふーん、と大地は他人事のように適当な相槌を打ち、俺のちんこの先を指でこねる。

「んあぁ……っ」
「じゃあこうしようぜ。お前がイッたら、今日のセックスおしまい。俺は用事に行く」
「えっ」

見上げると、ニッコリ笑っている大地がいた。

「どうだ? 我慢する気になったか?」
「……ムカつく……」
「怒ったお前も可愛いよっ」
「嬉しくねえー……」

分かったよ。要は俺がイかなきゃいい話だろ。上等だコラ。ナメたクチききやがって。
……と、まんまと口車にのってしまった俺は、イキそうになるまでシゴかれ、イク寸前で止められて、を何度も何度も繰り返した。

頭の中が「出したい」でいっぱいになって、おかしくなりそうだ。っていうかもうそれしか考えらんねえ。
でも我慢しなきゃ、大地が彼女(仮)のところに行ってしまう。そんなのつまんねえ。だから一生イッてやんねえ。

「ふっ、ぁっ、……あっ……」

何回目か分からなくなるほど寸止めされた俺は、我慢しきれずにちょっと精液をこぼしてしまった。

「~~~っ……」

それでもちんこの蛇口を必死で締めて、残されたパワーをキンタマに抑え込む。

「……」
「……」

たぶん大地も、俺の精液が出たことに気付いている。
もしかして今日の特訓これで終わりになったり……する?

「……」

やべえ、大地なんも喋んねえし動かねえ。

「だ……大地……」
「ん?」

妙に優しい大地の声に、なぜか見捨てられたような気持ちになった。

「ごめん……ちょっと出た……」
「うん。出たな」
「……」
「……」

俺はおそるおそる大地を見上げ、尋ねた。

「……大地、用事行くの……?」
「……」

大地は応えず、俺のちんこを握り、ガシガシとシゴいた。

「あっ!? やめっ、やめろぉっ……! そんなんされたら我慢できねえって……っ! んん~~っ……!」

俺にしては珍しく、ちんこから大量の精液が飛び出した。いつもは垂れるくらいしか出ないのに、噴水みたいに勢いよく噴き出しシーツに落ちる。

「あ……っ、あ……」

そして俺は、お預けされていた快感が一気に押し寄せ放心状態になっていた。
大地はそんな俺にキスをして、そっと抱きしめる。

「行くわけねえじゃん。はじめっから行く気なんてなかった。ソウタロウを我慢させるために言っただけ。意地悪なこと言ってごめんな」
「……ほんとだよ。めちゃくちゃ腹立ったわ」
「それなのにちゃんと我慢してくれてありがとな、爽。なんか……嬉しかった」
「キモォ。こんなことで喜ぶなよ」
「はいはい。頑張ったご褒美に、お前の好きなこといっぱいしてやるから許して」
「意地悪なこと言ったお詫びも足せ」
「悪かったって」

大地のちんこが俺の中に入ってくる。俺、この感覚好き。大地と深いところで繋がった気分になる。
俺知らなかった。セックスってこんな気持ち良かったんだ。体も心も満たされて、まるで素っ裸の俺たち二人、ひだまりの下で寝っ転がっているような気持ちになる。
眩しすぎて、目は開けられないけれど。
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