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4月
プラトニックなラブがしたい!
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スルトにセックス禁止令を出した日曜の夜、引きこもってる僕の部屋にピーターとエドガーが入ってきた。事情をスルトから聞いたのか、エドガーは始終ニヤニヤしてる。ピーターが用意してくれた軽食を3人で食べながら僕たちはそのことについて話しをした。
「事情はだいたいスルトから聞いてるよ。それを聞いて僕も悪いことをしたなあと反省してるんだ。ごめんねケーゴ」
「俺もごめん…」
「ううん。…いや、うん。さすがにこの数日はキツかったかな…。あ、ピーターは気にしないで。だってピーターは節度をもって1日1回くらいしかしないじゃん。媚薬飲んでなかったらだけど」
「そうだよね。ただでさえ僕とスルトは艶福家(=絶倫)なのに、君はそれを二人相手にしなきゃいけないもんね。これから気を付けるよ」
「エドガーは話が早くて助かるよ。それに僕はエドガーには別に怒ってない。だってエドガーは僕の体だけじゃなくて、僕自身のこともちゃんと好きでいてくれてるって感じられるから」
「ふふ。ありがとう」
「スルト様もケイゴ自身のことをちゃんと愛していらっしゃるぞケイゴ…」
「もちろんそうさ。それはケーゴも分かってるんだろう?」
「分かってる…。でもときどき疑いそうになるんだ。だって…スルトは僕の顔見たら欲情するし…。αだから仕方ないんだけど…。分かってるけど…ちょっと寂しくなるんだ」
「ケーゴにそう思わせたスルトに非がある。ケーゴはおかしいことなんて言ってないよ。それでケーゴは…セックス禁止令を出したんだって?ぷぷ」
いまこの人笑いましたよね?笑いましたよね?!
「エドガー面白がってない?僕はまじめなんですけどぉ!」
「面白がってないよ。たまにはいいと思うよ。これでスルトがどうなるか楽しみだなあ」
「ふんっ、どうせなにもせずに無理矢理セックスされて終わるよ」
「ふーん」
「…?」
エドガーはニヤニヤした目で僕を見たあと、ソファから立ち上がって僕の隣に座った。耳元で程よく低い良い声で囁かれて僕の体がピクっと反応してしまう。
「無理矢理セックスされなかったら、ケーゴはどうするのかな?」
「え…?」
エドガーの唇が僕に触れる。優しいキスに思わず口が開き舌が絡み合う。体が熱くなってくる。エドガーのキスは本当にずるい。キスするだけで、僕の体が反応して愛液がとろりと下着を濡らすのを感じた。エドガーの手が下に伸び、僕の反応したものに触れる。エドガーはそれを見てクスリと笑い唇と手を離した。途中で止められて体が疼く。
僕はエドガーの服をきゅっと握り、小さい声で名前を呼んだ。
「…エドガー…?」
「スルトにだけセックス禁止令を出すなんてずるいよねケーゴ?」
「……?」
「ケーゴも今日からセックス禁止。もちろん僕とピーターもね」
「……」
僕は口をぱくぱくさせたあと俯いた。エドガーの言ってることは分かる。確かにスルトにだけセックス禁止令を出して、同じ家の中で僕とエドガーとピーターがあんあんやってたらそりゃ酷すぎるよね。
でもさ…だったらなんでこんな…僕が反応しちゃうようなキスしたんだよ…。
「…エドガーのいじわる」
「いじわるはケーゴもだよ。スルトにセックス禁止令なんて出すから、僕までケーゴとセックスできなくなっちゃったじゃないか。こんなにケーゴを抱きたいのに」
そう言いながらエドガーが僕の手を掴んで股間に触れさせる。僕以上にギンッギンだ。わぁ…これ挿れてほし…いやいやいやいや。え?ちょっと待って。僕まで脳内セックス畑になっちゃってない?やば。あっぶなー…。セックスしすぎて頭おかしくなってる。よし。セックス禁止令は僕にとっても良いタイミングだったかもしれない。
「分かった。じゃあ、高戸家にセックス禁止令発令だね。期間はスルトが悔い改めるまで」
「うん。そうしようか。その間は、今まで以上にたくさんお話しようねケーゴ」
「うん!…わぁ…なんだか嬉しいかも…」
「ふふ。ピーターは普段とあまり変わらないかな?」
「そうですね。俺はケイゴと週2,3回くらいしかしてませんから。…よかったなケイゴ。その間に4人でモンハンしよう」
「うん!!したい!!」
それからは他愛のない話をして、深夜前にエドガーとピーターが僕の部屋を出て行った。僕は4人でゲームしたり、お喋りしたり、お出かけするところを想像してニコニコしながら布団に潜る。セックス禁止令、最高かも!!
◇◇◇
「ケイゴ、とても楽しそうでしたね。激怒していなくてよかったです」
圭吾の部屋を出たあと、ピーターがホッと溜息をつきながらそう漏らした。エドガーはクスクス笑って「さあどうかな」と呟く。
「え?」
「ピーター。僕たちの中で一番セックスの回数が多いのは誰だと思う?」
「それは…ケイゴでしょうね。俺たち3人を相手にしてますから、エドガー様たちの2倍以上の回数をしてるってことになります」
「そうだよね。じゃあ、一番絶頂に達してるのは誰だと思う?」
「それもケイゴでしょうね。毎日勃たなくなるまで射精させられてますし、ケイゴは中も何度もイカされてますし…」
「うん。ピーター、僕はね、ケーゴが気持ち良くなるセックスを心がけているんだよ。それに、意外かもしれないけどスルトもそうさ。1,2回は自分勝手に抱くけれど、それ以降はケーゴが好きなことばかりする。ケーゴが以前言ってたよ。スルトのセックスは快感の暴力だって」
「エドガー様…?いったい何をおっしゃりたいのでしょうか…?」
「つまりね。セックスで一番体に負担がかかってるのはケーゴだけど、セックスで一番快感を感じているのもケーゴなんだよ」
「……」
「ねえピーター。このセックス禁止令で一番苦しむのは誰なんだろうねえ」
「事情はだいたいスルトから聞いてるよ。それを聞いて僕も悪いことをしたなあと反省してるんだ。ごめんねケーゴ」
「俺もごめん…」
「ううん。…いや、うん。さすがにこの数日はキツかったかな…。あ、ピーターは気にしないで。だってピーターは節度をもって1日1回くらいしかしないじゃん。媚薬飲んでなかったらだけど」
「そうだよね。ただでさえ僕とスルトは艶福家(=絶倫)なのに、君はそれを二人相手にしなきゃいけないもんね。これから気を付けるよ」
「エドガーは話が早くて助かるよ。それに僕はエドガーには別に怒ってない。だってエドガーは僕の体だけじゃなくて、僕自身のこともちゃんと好きでいてくれてるって感じられるから」
「ふふ。ありがとう」
「スルト様もケイゴ自身のことをちゃんと愛していらっしゃるぞケイゴ…」
「もちろんそうさ。それはケーゴも分かってるんだろう?」
「分かってる…。でもときどき疑いそうになるんだ。だって…スルトは僕の顔見たら欲情するし…。αだから仕方ないんだけど…。分かってるけど…ちょっと寂しくなるんだ」
「ケーゴにそう思わせたスルトに非がある。ケーゴはおかしいことなんて言ってないよ。それでケーゴは…セックス禁止令を出したんだって?ぷぷ」
いまこの人笑いましたよね?笑いましたよね?!
「エドガー面白がってない?僕はまじめなんですけどぉ!」
「面白がってないよ。たまにはいいと思うよ。これでスルトがどうなるか楽しみだなあ」
「ふんっ、どうせなにもせずに無理矢理セックスされて終わるよ」
「ふーん」
「…?」
エドガーはニヤニヤした目で僕を見たあと、ソファから立ち上がって僕の隣に座った。耳元で程よく低い良い声で囁かれて僕の体がピクっと反応してしまう。
「無理矢理セックスされなかったら、ケーゴはどうするのかな?」
「え…?」
エドガーの唇が僕に触れる。優しいキスに思わず口が開き舌が絡み合う。体が熱くなってくる。エドガーのキスは本当にずるい。キスするだけで、僕の体が反応して愛液がとろりと下着を濡らすのを感じた。エドガーの手が下に伸び、僕の反応したものに触れる。エドガーはそれを見てクスリと笑い唇と手を離した。途中で止められて体が疼く。
僕はエドガーの服をきゅっと握り、小さい声で名前を呼んだ。
「…エドガー…?」
「スルトにだけセックス禁止令を出すなんてずるいよねケーゴ?」
「……?」
「ケーゴも今日からセックス禁止。もちろん僕とピーターもね」
「……」
僕は口をぱくぱくさせたあと俯いた。エドガーの言ってることは分かる。確かにスルトにだけセックス禁止令を出して、同じ家の中で僕とエドガーとピーターがあんあんやってたらそりゃ酷すぎるよね。
でもさ…だったらなんでこんな…僕が反応しちゃうようなキスしたんだよ…。
「…エドガーのいじわる」
「いじわるはケーゴもだよ。スルトにセックス禁止令なんて出すから、僕までケーゴとセックスできなくなっちゃったじゃないか。こんなにケーゴを抱きたいのに」
そう言いながらエドガーが僕の手を掴んで股間に触れさせる。僕以上にギンッギンだ。わぁ…これ挿れてほし…いやいやいやいや。え?ちょっと待って。僕まで脳内セックス畑になっちゃってない?やば。あっぶなー…。セックスしすぎて頭おかしくなってる。よし。セックス禁止令は僕にとっても良いタイミングだったかもしれない。
「分かった。じゃあ、高戸家にセックス禁止令発令だね。期間はスルトが悔い改めるまで」
「うん。そうしようか。その間は、今まで以上にたくさんお話しようねケーゴ」
「うん!…わぁ…なんだか嬉しいかも…」
「ふふ。ピーターは普段とあまり変わらないかな?」
「そうですね。俺はケイゴと週2,3回くらいしかしてませんから。…よかったなケイゴ。その間に4人でモンハンしよう」
「うん!!したい!!」
それからは他愛のない話をして、深夜前にエドガーとピーターが僕の部屋を出て行った。僕は4人でゲームしたり、お喋りしたり、お出かけするところを想像してニコニコしながら布団に潜る。セックス禁止令、最高かも!!
◇◇◇
「ケイゴ、とても楽しそうでしたね。激怒していなくてよかったです」
圭吾の部屋を出たあと、ピーターがホッと溜息をつきながらそう漏らした。エドガーはクスクス笑って「さあどうかな」と呟く。
「え?」
「ピーター。僕たちの中で一番セックスの回数が多いのは誰だと思う?」
「それは…ケイゴでしょうね。俺たち3人を相手にしてますから、エドガー様たちの2倍以上の回数をしてるってことになります」
「そうだよね。じゃあ、一番絶頂に達してるのは誰だと思う?」
「それもケイゴでしょうね。毎日勃たなくなるまで射精させられてますし、ケイゴは中も何度もイカされてますし…」
「うん。ピーター、僕はね、ケーゴが気持ち良くなるセックスを心がけているんだよ。それに、意外かもしれないけどスルトもそうさ。1,2回は自分勝手に抱くけれど、それ以降はケーゴが好きなことばかりする。ケーゴが以前言ってたよ。スルトのセックスは快感の暴力だって」
「エドガー様…?いったい何をおっしゃりたいのでしょうか…?」
「つまりね。セックスで一番体に負担がかかってるのはケーゴだけど、セックスで一番快感を感じているのもケーゴなんだよ」
「……」
「ねえピーター。このセックス禁止令で一番苦しむのは誰なんだろうねえ」
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