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22歳の冬

おもちゃ

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満員電車。僕のまわりをスルト、エドガー、ピーターが囲ってくれているから3人以外と接触せずにすんでいる。電車が激しく揺れてスルトにしがみついた。

「わっ。ごめんスルト」

「かまわない。しっかりつかまっていろ」

「うん。……おい」

スルトさん…勃ってますけど?

「え?なんで?」

「いや…ローターまみれのお前がしがみついていると思うと…」

「きっしょ…」

「なんだと?」

「んっ…!」

スルトの手がポケットに伸び、そこに入っているのであろうリモコンのスイッチを押す。ちんこのローターが軽く振動した。

「こらこら電車でいちゃいちゃしちゃだめでしょう」

そう言いながらエドガーが僕の肩に顎を乗せた。息が耳にかかってくすぐったい。

「エドガー…スルトがこんなとこでスイッチ入れる…なんとか言ってよ…」

「へえ。やんちゃなことするね」

「ふっ…!」

ちんことお尻のローターが同時に振動する。僕の腰が引けてしまって、僕のお尻とエドガーの脚が密着した。

「だめだよケーゴ。こんなところでおねだりしちゃ。帰ってからいっぱいしてあげるから」

「ちがっ…とめ…とめてよぉっ…」

「次の駅に着いたら止めてやる」

「んっ…んんっ…」

「ケーゴ、少し声が漏れてるぞ。口止めしてやろうか」

スルトはそう言って僕の両頬を持ってキスをした。はぁ?!電車で何やってんのこいつ?!うわっ!しかもめっちゃ激しいしっ!こんなことされたら逆に興奮するわぼけっ!!
次の駅に到着するまでローターの振動とスルトのキスは続いた。電車を降りる頃には僕は自分で歩けないくらいとろとろになっていた。そんな僕を引きずりながら、3人は駅を出た。

「電車の中…、たぶんαの人でしょうか。ケイゴの匂いに興奮しすぎて射精してしまってる人いましたよ…」

「射精してる人までいたのかい?勃起してる人はたくさんいたけど」

「だから電車はきらいなんだよね…」

電車で痴漢にあわない日はない。スルトがついてたら無茶な痴漢はしてこないけど、さりげなく体を触られたり服の中に手を突っ込まれたりする。だから最近は、僕が電車に乗るときは3人が必ず一緒に乗ってくれるようになった。揃わない日はタクシーで帰ることにしてる。自衛大事。
いやでもさっきのは完全にスルトとエドガーが悪い。えろいことされたら僕の匂いきつくなるの知ってるくせに。

その後僕たちはショッピングをした。僕はポールスミス、スルトはグッチ、エドガーがエルメス、ピーターはディオールの服を着てることが多いから、それらの店をまわった。僕以外さ、大学生が着る服じゃないと思うんだよね。僕の服も僕にとってはたいがい高いよ。でもこの3人に比べたら倍から値段違うから。まあ全員の服をエドガーが買ってくれてるんだけども。

スルトとエドガーの買い物が終わり、次は僕の番だ。入店早々試着室へ放り込まれ、3人が持ってきた服を着続ける。服を着替えて披露するたびに3人が絶賛してくれる。

「ああっ!ケーゴは何を着ても似合う!!」

「美しすぎる!!ブランドモデルの方ですか?!」

「ケイゴは本当にどれも似合うなあ」

スルトが興奮しすぎてキャラ崩壊してるのはほっといて。3人の気が済むまで着せ替え人形になってあげた。エドガーは結局試着した全ての服を買うと言い出した。いつもそうなんだよね。

「やっぱりそうなるんだね?!」

「うん。ケーゴが着た服を他の人が着ると思ったらはらわたが煮えくり返るからね。ケーゴが着てしまったものは全て買わないと」

「きもっちわる…」

「さあ、口の悪いケーゴ。この服をレジに持っていこうね。はい、財布」

「え?」

「たまには自分でお会計を済ませておいで」

「う、うん…」

エドガーの財布を渡されてレジに大量の服を持っていく。店員さんは「こ、これ全てお買い上げでおまちがいないでしょうかー?」と顔が引きつっている。申し訳ない。

店員さんが一生懸命お会計をしているのを眺めていると、一斉にすべてのローターが振動しだした。

「あっ!」

「えっ?どうされましたかお客様?」

「あっ…いえ、なんでもないですすみませんっ…んっ…」

エドガー…これがしたかったんだね?!店員さんの前で僕を困らせたかったからお会計僕にさせたんだね?!僕は離れて様子を伺ってる3人を睨みつけた。みんなポケットに手をつっこんでる。くそぉ…。

「お待たせいたしましたー。お会計60万8580円ですー」

「はっ…んっ…はい…」

僕はカウンターにもたれかかって体を支えながら、エドガーの財布から札束を取り出してトレーに乗せる。店員さんは少し顔を赤らめながらお釣りを僕に渡してくれた。大きな紙袋2つを抱えながら、ふらふらと3人のもとへ歩いていく。エドガーが僕の腰に手をまわして体を支えた。

「よく頑張ったねケーゴ」

「ほんと…明日覚悟しててねエドガー…」

「ああ…ずっと明日が来なければいいのに…」

ポールスミスのお店を出たあと、ピーターの服を買いに行く。この時は僕もピーターに似合いそうな服を山ほど持って行ってピーターに着てもらった。気に入った服をピーターが選び、今日は10着ほど購入していた。エドガーとスルトは隙を見てはローターのスイッチを入れて僕をいじめた。僕はスルトの腕にしがみついてなんとか立っていられた。ピーターが会計を終えたころ、スルトが「げっ」と呻いた。

「おいケーゴ」

「ひんっ!」

急にスルトにお尻を掴まれて変な声を上げてしまう。スルトはお尻を握りながら耳元で囁いた。

「おまえ、ズボンまで濡れてるぞ」

「えっ、うそ…」

「わ、ほんとだ」

エドガーも僕のお尻に手を当てる。

「そんなに気持ち良かったの?でもこれじゃあ町を歩くのは無理そうだねえ」

「ホテル行くか」

「ああ残念。食事したり映画見たりしたかったんだけどな」

「日を改めてだな。今日はここまでだ」

「いや日を改めてまでリベンジしようとしないでください」

「じゃあ、今日はホテルで泊まろうか。タクシーに乗ろう」

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