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20歳の冬 就活(※)
就活
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「いやぁ、待たせたねケーゴ。ごめんね」
「さっきはすまなかったな。さすがに生で見るとメンタルが崩壊してしまった」
「俺もちょっと魂抜けてしまった!ごめんなケイゴほったらかして…」
「みんなぁ…!」
「ケーゴのいつもの声が聞こえてきて正気に戻ったよ。ありがとう」
「しつこいよ君たち。はやく帰りなさ…」
「しつこいのはお前のほうだ。なに人の婚約者に手を出しているのだ。けしからんやつめ」
「死罪です」
「ふん。なにが婚約者だ。紙切れでしか繋がっていない関係でよくもまあそんな偉そうな口をたたけるね。私と圭吾くんは運命のー…」
「はん。運命の番?くだらん」
「まったくくだらない。そんな体だけでしか繋げられない関係でよくもまあそんな偉そうな口をたたけるね」
エドガーが磯崎さんの言葉を真似してそう言った。磯崎さんはあからさまにムッとした表情をしていたが、三人は構わず言葉を続けた。
「出会って数か月で偉そうなことを言うなよ貴様」
「ピーターの言う通りだ。お前は俺たちとケーゴの繋がりを何も知らないからそのようなことを言えるのだ」
「紙切れでしか繋がっていない関係?笑っちゃうね。僕たちの婚約はそんな薄っぺらいものじゃない」
「俺たちの縁は前世から繋がっている」
「僕たちは前世で出会い、今世も、来世もずっと結ばれるよう神に約束されている」
「だから俺たちがケーゴと離れることはありえない」
「何を意味の分からないことを…」
ばかばかしいとでも言いたげに、磯崎さんが苦笑いしながら首を振った。意外とあっさり僕から体を離し、バスローブを羽織りベッドから出た。
「君たちのおかげですっかり興が冷めてしまったよ。圭吾くんを連れて帰っていいよ」
「おい。それではいそうですかと帰れると思うのか?俺はお前を殺したいのだが」
「殺害予告かな。訴えるよ」
「スルトやめたほうがいい。イソザキはかなり厄介な相手だよ。下手なことをするとそれこそ刑務所に入れられる。今日は大人しく帰るよ」
「ちっ…」
エドガーに肩を掴まれたスルトは舌打ちをして磯崎さんから目を逸らした。ピーターが僕を拘束してた縄と鎖を外してくれる。部屋の中に僕の服がなかったので、スルトがカッターシャツを脱いで着せてくれた。下半身はバスタオルでなんとか隠し、エドガーがタクシーをホテルの下へ呼んでくれた。
「圭吾くん」
「……」
部屋を出ようとする僕に磯崎さんが声をかけた。僕は振り返らずに立ち止まる。
「きっと君はまた私の元に戻ってくるよ」
「ありえません」
「私に抱かれたくなったらまたこのホテルにおいで」
「行きません」
「君を番にする準備を進めておくよ。家に君の部屋を用意して待ってるからね」
「必要ありません」
磯崎さんの言葉を聞いていた三人がギリギリと歯を鳴らして拳を握りしめている。僕は三人の背中を押してホテルから出た。なるほど、今日簡単に僕を手放したのは、僕が磯崎さんの体を忘れられずに戻ってくるって疑ってないからか。
…たしかに磯崎さんの体はすごかった。あれが運命の番とのセックスと言われても頷ける。それほどまでに、僕と磯崎さんの体は鍵と鍵穴のようにぴったりと合わさった。磯崎さんの体でしか開かない僕の部分がある。それは…悔しいけど本当だ。
でもそれがどうしたっていうんだ。あんなセックス僕には必要ない。僕が必要としてるのは、スルトとエドガー、それにピーターだけだから。3人がいてくれるのなら、僕は他になにもいらない。
「さっきはすまなかったな。さすがに生で見るとメンタルが崩壊してしまった」
「俺もちょっと魂抜けてしまった!ごめんなケイゴほったらかして…」
「みんなぁ…!」
「ケーゴのいつもの声が聞こえてきて正気に戻ったよ。ありがとう」
「しつこいよ君たち。はやく帰りなさ…」
「しつこいのはお前のほうだ。なに人の婚約者に手を出しているのだ。けしからんやつめ」
「死罪です」
「ふん。なにが婚約者だ。紙切れでしか繋がっていない関係でよくもまあそんな偉そうな口をたたけるね。私と圭吾くんは運命のー…」
「はん。運命の番?くだらん」
「まったくくだらない。そんな体だけでしか繋げられない関係でよくもまあそんな偉そうな口をたたけるね」
エドガーが磯崎さんの言葉を真似してそう言った。磯崎さんはあからさまにムッとした表情をしていたが、三人は構わず言葉を続けた。
「出会って数か月で偉そうなことを言うなよ貴様」
「ピーターの言う通りだ。お前は俺たちとケーゴの繋がりを何も知らないからそのようなことを言えるのだ」
「紙切れでしか繋がっていない関係?笑っちゃうね。僕たちの婚約はそんな薄っぺらいものじゃない」
「俺たちの縁は前世から繋がっている」
「僕たちは前世で出会い、今世も、来世もずっと結ばれるよう神に約束されている」
「だから俺たちがケーゴと離れることはありえない」
「何を意味の分からないことを…」
ばかばかしいとでも言いたげに、磯崎さんが苦笑いしながら首を振った。意外とあっさり僕から体を離し、バスローブを羽織りベッドから出た。
「君たちのおかげですっかり興が冷めてしまったよ。圭吾くんを連れて帰っていいよ」
「おい。それではいそうですかと帰れると思うのか?俺はお前を殺したいのだが」
「殺害予告かな。訴えるよ」
「スルトやめたほうがいい。イソザキはかなり厄介な相手だよ。下手なことをするとそれこそ刑務所に入れられる。今日は大人しく帰るよ」
「ちっ…」
エドガーに肩を掴まれたスルトは舌打ちをして磯崎さんから目を逸らした。ピーターが僕を拘束してた縄と鎖を外してくれる。部屋の中に僕の服がなかったので、スルトがカッターシャツを脱いで着せてくれた。下半身はバスタオルでなんとか隠し、エドガーがタクシーをホテルの下へ呼んでくれた。
「圭吾くん」
「……」
部屋を出ようとする僕に磯崎さんが声をかけた。僕は振り返らずに立ち止まる。
「きっと君はまた私の元に戻ってくるよ」
「ありえません」
「私に抱かれたくなったらまたこのホテルにおいで」
「行きません」
「君を番にする準備を進めておくよ。家に君の部屋を用意して待ってるからね」
「必要ありません」
磯崎さんの言葉を聞いていた三人がギリギリと歯を鳴らして拳を握りしめている。僕は三人の背中を押してホテルから出た。なるほど、今日簡単に僕を手放したのは、僕が磯崎さんの体を忘れられずに戻ってくるって疑ってないからか。
…たしかに磯崎さんの体はすごかった。あれが運命の番とのセックスと言われても頷ける。それほどまでに、僕と磯崎さんの体は鍵と鍵穴のようにぴったりと合わさった。磯崎さんの体でしか開かない僕の部分がある。それは…悔しいけど本当だ。
でもそれがどうしたっていうんだ。あんなセックス僕には必要ない。僕が必要としてるのは、スルトとエドガー、それにピーターだけだから。3人がいてくれるのなら、僕は他になにもいらない。
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