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10歳の冬
小学校生活
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放課後が近くなってきたら子どもたちがソワソワし始める。僕とスルトに告白したい子がちらちらこっちを見ては友だちとコソコソ話をする。今日も何人かが僕たちに告白しようとしてるようだ。…よし、このタイミングで作戦決行だ。
視線を感じる中、僕は席を立ってスルトの席に近づいた。僕に気付いたスルトが顔を上げ、クソイケメンな顔で大人の笑みを浮かべる。僕も微笑んで、耳元に顔を近づけてコソコソ話をした。その時点で子どもたちが数人「きゃー!」と黄色い歓声をあげてる。
「スルト、今から僕が何をしても、いつもみたいに気持ち悪い反応しないでね」
「きもちわるい反応とはなんだ!」
「しーっ!いいから!そのまま冷静にイケメンな顔維持しててね」
「むぅ…」
僕は耳元から顔を離し、そのままスルトのほっぺにキスをした(スルトが「んぐぅっ…!」と気持ち悪いうめき声を漏らしたけど聞かなかったことにします)。そのあとスルトの頭を抱きしめて、近くにいる子に聞こえるくらいの声で言った。
「彗斗だいすきだよ」
「ふぎぃっ…!」
「彗斗は僕のことすき?」
「ふぐっ…ああ!愛しているぞケーゴ」
「ずっとすきでいてくれる?」
「大人になっても、じいさんになっても、死ぬまでずっと愛している!」
「ほんとう?嬉しい。僕もだよ」
「ふぐぅっ…!ふぐっ…!」
「ねえ、今日も彗斗の家に遊びに行ってもいい?」
「もちろんいいぞ。ステラ…母さんと父さんもお前に会いたいと言っているからな」
「やった。僕ステラさんの料理だいすきなんだ」
「ああ、母さんもおまえに料理を作ることが好きなんだ」
「嬉しい。あ、そうだ。今週の土曜日うちに泊まりに来ない?」
「ではお言葉に甘えて行かせてもらおうかな」
「嬉しい!また一緒にお風呂はいろうね!」
「んぐぅっ…!ふごぉっ…!あ、ああ!入ろうな」
「あ、あと…また一緒のベッドで寝てくれる?彗斗と一緒に寝ると、落ち着くんだぁ」
「はぐぁぅぅ…!も、もちろんいいぞ。前のようにずっと抱きしめてやるからな」
「えへへ。うれしい。ねえ彗斗、ほっぺにちゅーして」
「ふごっ…!あ、ああ…!」
スルトは僕の顔を引き寄せて頬にキスをした。それ以上のことがしたくて荒い息を立ててる。スルトが僕の腰に手をまわしておしりを触ろうとしたので、僕はさりげなくその手を叩いて笑顔で牽制した。…このくらいでいいかな(スルトも限界だし。めっちゃ勃起してるし)。
僕たちの会話に教室にいる全員が聞き耳を立ててるのが分かった。僕とスルトを狙ってた子たちは、僕たちの関係がそこまで進んでることを知って衝撃を受けてるようだった。悲痛な叫びをあげてる子もいれば、意気消沈して机に顔を突っ伏してる子もいれば、ショックより僕たちの絡みに興奮してる子もいた。
放課後僕たちはまた手を繋いで帰った。生徒たちも先生も、いつも以上にイチャイチャしてる僕たちを凝視してる。通りすがりに女の人の先生が、「はぁ…尊いわ…」と呟いてるのが聞こえた。お気に召したようでよかったです。
その日から僕たちに告白する子はいなくなった。その代わりに、僕とスルトのイチャイチャをもっと見せろという要望が多数寄せられるようになった。
「ねえ彗斗くんと圭吾くん!お願いがあるんだけど…」
「なに?」
「ちゅーしてるとこ写真とらせてほしいなーって」
「ああ、いいz…」
「もちろんいやだけど?」
「いやだーーーー!!!写真ほしいいいい!!」
「どうして?!」
「部屋に飾るんだもんんんん!!!」
「やめて?!?!」
「うわぁぁぁぁん!!先生~!!圭吾くんと彗斗くんがちゅーしてくれないよぉぉぉぉ!!!」
「圭吾くん、彗斗くん、一回くらいいいじゃないの。してあげたら?」
「先生までなに言ってんの?!」
「先生も見たいわ~」
「おい教育者しっかりしろぉ!!!」
というわけで、告白してくる子はいなくなったけど、ある意味それよりめんどくさい絡まれかたをされるようになってしまった。それは小学校を卒業するまで続いたし、なんなら僕とスルトのイチャイチャを見たくて僕たちと同じ中学・高校に入学する子がたくさんいた。盗撮されることが増え、裏で写真が高値で売買されるようになったくらい需要があったらしい。…イチャイチャ大作戦、もしかして失敗だったのでは?
視線を感じる中、僕は席を立ってスルトの席に近づいた。僕に気付いたスルトが顔を上げ、クソイケメンな顔で大人の笑みを浮かべる。僕も微笑んで、耳元に顔を近づけてコソコソ話をした。その時点で子どもたちが数人「きゃー!」と黄色い歓声をあげてる。
「スルト、今から僕が何をしても、いつもみたいに気持ち悪い反応しないでね」
「きもちわるい反応とはなんだ!」
「しーっ!いいから!そのまま冷静にイケメンな顔維持しててね」
「むぅ…」
僕は耳元から顔を離し、そのままスルトのほっぺにキスをした(スルトが「んぐぅっ…!」と気持ち悪いうめき声を漏らしたけど聞かなかったことにします)。そのあとスルトの頭を抱きしめて、近くにいる子に聞こえるくらいの声で言った。
「彗斗だいすきだよ」
「ふぎぃっ…!」
「彗斗は僕のことすき?」
「ふぐっ…ああ!愛しているぞケーゴ」
「ずっとすきでいてくれる?」
「大人になっても、じいさんになっても、死ぬまでずっと愛している!」
「ほんとう?嬉しい。僕もだよ」
「ふぐぅっ…!ふぐっ…!」
「ねえ、今日も彗斗の家に遊びに行ってもいい?」
「もちろんいいぞ。ステラ…母さんと父さんもお前に会いたいと言っているからな」
「やった。僕ステラさんの料理だいすきなんだ」
「ああ、母さんもおまえに料理を作ることが好きなんだ」
「嬉しい。あ、そうだ。今週の土曜日うちに泊まりに来ない?」
「ではお言葉に甘えて行かせてもらおうかな」
「嬉しい!また一緒にお風呂はいろうね!」
「んぐぅっ…!ふごぉっ…!あ、ああ!入ろうな」
「あ、あと…また一緒のベッドで寝てくれる?彗斗と一緒に寝ると、落ち着くんだぁ」
「はぐぁぅぅ…!も、もちろんいいぞ。前のようにずっと抱きしめてやるからな」
「えへへ。うれしい。ねえ彗斗、ほっぺにちゅーして」
「ふごっ…!あ、ああ…!」
スルトは僕の顔を引き寄せて頬にキスをした。それ以上のことがしたくて荒い息を立ててる。スルトが僕の腰に手をまわしておしりを触ろうとしたので、僕はさりげなくその手を叩いて笑顔で牽制した。…このくらいでいいかな(スルトも限界だし。めっちゃ勃起してるし)。
僕たちの会話に教室にいる全員が聞き耳を立ててるのが分かった。僕とスルトを狙ってた子たちは、僕たちの関係がそこまで進んでることを知って衝撃を受けてるようだった。悲痛な叫びをあげてる子もいれば、意気消沈して机に顔を突っ伏してる子もいれば、ショックより僕たちの絡みに興奮してる子もいた。
放課後僕たちはまた手を繋いで帰った。生徒たちも先生も、いつも以上にイチャイチャしてる僕たちを凝視してる。通りすがりに女の人の先生が、「はぁ…尊いわ…」と呟いてるのが聞こえた。お気に召したようでよかったです。
その日から僕たちに告白する子はいなくなった。その代わりに、僕とスルトのイチャイチャをもっと見せろという要望が多数寄せられるようになった。
「ねえ彗斗くんと圭吾くん!お願いがあるんだけど…」
「なに?」
「ちゅーしてるとこ写真とらせてほしいなーって」
「ああ、いいz…」
「もちろんいやだけど?」
「いやだーーーー!!!写真ほしいいいい!!」
「どうして?!」
「部屋に飾るんだもんんんん!!!」
「やめて?!?!」
「うわぁぁぁぁん!!先生~!!圭吾くんと彗斗くんがちゅーしてくれないよぉぉぉぉ!!!」
「圭吾くん、彗斗くん、一回くらいいいじゃないの。してあげたら?」
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