53 / 106
10歳の冬
小学校生活
しおりを挟む
放課後、裏庭にて。
「ひとめぼれしました!付き合ってください」
「悪い、俺はケーゴにしか興味がないのでな。諦めてくれ」
「…うわーーーーーーん!!!」
同時刻、教室にて。
「あの…好きです!付き合ってください!」
「あ、無理ですごめんなさい」
「…うわーーーーん!!!」
転校してからというもの、僕とスルトは毎日のようにどこかしらに呼び出されて告白されていた。もちろんそれを受け入れるはずがなく、毎日誰かを泣かせてた。でも仕方ないよね。僕にはスルトとエドガーがいるし。スルトには僕がいるんだもん。
「はぁ…。これはいつおさまるのだ…」
帰り道、告白を断ることに疲れてきたスルトがげんなりした口調でぼやいた。僕もげっそりした顔で「わかんない…」と返す。
「もういっそのこと張り紙でも貼るか?俺とケーゴは一生を共に過ごすので俺たちに構うなと」
「あ、それいいね…。いやいいわけないでしょ。なにその恥ずかしい張り紙やめてよ」
「しかし…毎度呼び出されて告白されるのにはもううんざりなのだが」
「僕だっていやだよぉ…。子ども泣かせるのつらいよ…」
「はっ!いいことを考えたぞ!皆の前で俺とケーゴがいやらしいことをして見せたらいいのではないか?!それを見た子どもたちはさすがに俺たちのことを諦めるだろう!」
「アホなの?!教育に悪すぎるでしょ!!」
「だったら他に良い案があるのか?!人の意見を否定だけして代替案を提示しないのは無能の証だぞケーゴ!代替案を出せ!出さなければ俺の案を通す!」
「むぅ…」
僕は黙り込んだ。確かにスルトの言うこと却下するだけなのはだめだ。でもスルトの案は絶対だめ。うんうん唸りながら代替案を考え、僕はひとつの案を思いついた。でも…あんまり気が進まないんだけど…。まあ、この際ちょうどいいか…。
「どうしたケーゴ。なにかお思いついたか?」
「思いついたけど…」
「ほう。言ってみろ」
「…えろいことはせずに、イチャイチャしてるところを見せつけたらいいかなーって…」
「どういうことだ。詳しく話せ」
「…えっとぉ…、とにかくラブラブカップルみたいなことをするんだよ…。手を繋いで登校とか、二人で喋ってるときに甘々の雰囲気出すとか…ほっぺたにちゅーとか…」
「…なんだその最高な案は」
「……」
「決まりだ。明日からしよう」
「想像しただけで気持ち悪くなってきた」
「なぜだ。俺ははやく明日が来てほしい」
「うぇぇ…」
かくして僕たちはラブラブを見せつけて子どもたちに僕たちの事を諦めさせよう大作戦をすることになった。
「ひとめぼれしました!付き合ってください」
「悪い、俺はケーゴにしか興味がないのでな。諦めてくれ」
「…うわーーーーーーん!!!」
同時刻、教室にて。
「あの…好きです!付き合ってください!」
「あ、無理ですごめんなさい」
「…うわーーーーん!!!」
転校してからというもの、僕とスルトは毎日のようにどこかしらに呼び出されて告白されていた。もちろんそれを受け入れるはずがなく、毎日誰かを泣かせてた。でも仕方ないよね。僕にはスルトとエドガーがいるし。スルトには僕がいるんだもん。
「はぁ…。これはいつおさまるのだ…」
帰り道、告白を断ることに疲れてきたスルトがげんなりした口調でぼやいた。僕もげっそりした顔で「わかんない…」と返す。
「もういっそのこと張り紙でも貼るか?俺とケーゴは一生を共に過ごすので俺たちに構うなと」
「あ、それいいね…。いやいいわけないでしょ。なにその恥ずかしい張り紙やめてよ」
「しかし…毎度呼び出されて告白されるのにはもううんざりなのだが」
「僕だっていやだよぉ…。子ども泣かせるのつらいよ…」
「はっ!いいことを考えたぞ!皆の前で俺とケーゴがいやらしいことをして見せたらいいのではないか?!それを見た子どもたちはさすがに俺たちのことを諦めるだろう!」
「アホなの?!教育に悪すぎるでしょ!!」
「だったら他に良い案があるのか?!人の意見を否定だけして代替案を提示しないのは無能の証だぞケーゴ!代替案を出せ!出さなければ俺の案を通す!」
「むぅ…」
僕は黙り込んだ。確かにスルトの言うこと却下するだけなのはだめだ。でもスルトの案は絶対だめ。うんうん唸りながら代替案を考え、僕はひとつの案を思いついた。でも…あんまり気が進まないんだけど…。まあ、この際ちょうどいいか…。
「どうしたケーゴ。なにかお思いついたか?」
「思いついたけど…」
「ほう。言ってみろ」
「…えろいことはせずに、イチャイチャしてるところを見せつけたらいいかなーって…」
「どういうことだ。詳しく話せ」
「…えっとぉ…、とにかくラブラブカップルみたいなことをするんだよ…。手を繋いで登校とか、二人で喋ってるときに甘々の雰囲気出すとか…ほっぺたにちゅーとか…」
「…なんだその最高な案は」
「……」
「決まりだ。明日からしよう」
「想像しただけで気持ち悪くなってきた」
「なぜだ。俺ははやく明日が来てほしい」
「うぇぇ…」
かくして僕たちはラブラブを見せつけて子どもたちに僕たちの事を諦めさせよう大作戦をすることになった。
22
お気に入りに追加
521
あなたにおすすめの小説

こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。



どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!?
※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。
いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。
しかしまだ問題が残っていた。
その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。
果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか?
また、恋の行方は如何に。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる