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18歳の秋 ハロウィン
公平性を保つため
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「昼から随分おたのしみだなあ、エドガー?」
寝室から不機嫌そうな顔のスルトが出てきた。エドガーは眠っている圭吾とまだ体を繋げたまま、スルトに返事をした。
「お寝坊さんだねスルト。おはよう」
「1時間前から起きていた。ケーゴの匂いが濃くなったから目が覚めた」
「おや、気をつかって出てこなかったのかい?スルトらしくもない」
「はん。俺はケーゴと家が隣同士だからな!学校行く前に毎朝してるからな。あと学校から帰った後もしてるしな」
自慢げにスルトがそう言うと、エドガーがむっと顔をしかめた。
「ええ、そんなにしてるのかい?…僕も隣に住もうかな」
「ここに3人で住めばいいのではないですか?」
スルトにコーヒーを手渡しながら、先ほどまで存在を消していたピーターがひょっこり出てきた。ピーターの言葉を聞いた二人は「それだ」と声を合わせた。
「ちょうど空き部屋が3部屋あるよ。ピーターもここで住むかい?」
「えっ俺もですか?!」
「住めばいい。前世のように共に生活しよう」
「スルト様とエドガー様がそうおっしゃるのであれば…」
「よし、じゃあ3人分の家具を用意するよ」
「俺は両親に電話をしておく」
「あ、あの、先にケイゴに相談した方がいいのでは…」
「あっ、そうだね。ケーゴ、ケーゴ」
エドガーが圭吾の肩を揺らした。
◇◇◇
「ケーゴ、ケーゴ」
「ん…?なに?みんな集まって…」
目を覚ますと、わくわくしているスルトとエドガー、少し不安げなピーターが目に入った。なんだか嫌な予感がする。
「ケーゴ、ここに4人で住むぞ」
「なに…?唐突に…」
「やっぱりさ、結婚する前に同棲した方がいいと思うんだよね」
「? ? ?」
寝起きで頭が回らない僕に、ピーターが分かりやすく説明してくれた。要するに僕と一緒に過ごす時間が、スルトの方が圧倒的に長いから、公平性を保つために一緒に住もうということだった。それになぜかピーターまで巻き込まれたと。
「…僕は全然いいですけど…エドガーは大丈夫なんですか?急に3人も住人が増えて」
「何を言っているんだ。こんな広い部屋に1人って、それはもう虚しいんだよ。一日でも早くみんなに住んでほしいくらいだ」
「俺たちは大勢で生活するのに慣れているからな」
「そういうこと。ケーゴ、ご両親に聞いた方がいいんじゃない?」
「あ、はい」
僕は誘導されるまま母さんに電話をした。ちなみに今もちっちゃくなったエドガーのちんこが僕の中に入っている。こんな状態で親に電話かけるって…。
《もしもぉーし!》
「あ、母さん今大丈夫?」
《大丈夫よ!》
「父さんもいる?」
《いるよ!》
「あのさ、瑛弥が住んでるマンションあるでしょ?そこに彗斗と、あと秀汰って言う僕の親友と4人で同棲しようってことになったんだけど、いいかな?」
母さんは「きゃー!」と叫んだあと、父さんに伝言した。
《もしもし圭吾。聞こえるか》
「うん」
《父さんたちは構わないが、瑛弥くんに迷惑じゃないのか?》
「うん。むしろ早く住んでほしいって言ってくれてるよ」
《そうか。じゃあそうさせてもらいなさい。また父さんたちも挨拶に行くよ》
「ありがとう!」
僕は電話を切って、スルトとエドガーとピーターを見た。
「いいって!」
「おお!」
「良かったー!」
3人は大喜びしてくれた。そのあと僕たちは準備を整え、1か月後に同棲を始めることとなる。それぞれ個室をあてがわれたため意外と快適に生活ができた。…夜以外は。スルトとエドガーは前世と同じシステムを取り、夜になったら我先にと僕の部屋に入ってきた。毎晩二人に抱かれ、寝ている間にイタズラされ、休日はベッドから出られないような毎日が僕を待っていた。
寝室から不機嫌そうな顔のスルトが出てきた。エドガーは眠っている圭吾とまだ体を繋げたまま、スルトに返事をした。
「お寝坊さんだねスルト。おはよう」
「1時間前から起きていた。ケーゴの匂いが濃くなったから目が覚めた」
「おや、気をつかって出てこなかったのかい?スルトらしくもない」
「はん。俺はケーゴと家が隣同士だからな!学校行く前に毎朝してるからな。あと学校から帰った後もしてるしな」
自慢げにスルトがそう言うと、エドガーがむっと顔をしかめた。
「ええ、そんなにしてるのかい?…僕も隣に住もうかな」
「ここに3人で住めばいいのではないですか?」
スルトにコーヒーを手渡しながら、先ほどまで存在を消していたピーターがひょっこり出てきた。ピーターの言葉を聞いた二人は「それだ」と声を合わせた。
「ちょうど空き部屋が3部屋あるよ。ピーターもここで住むかい?」
「えっ俺もですか?!」
「住めばいい。前世のように共に生活しよう」
「スルト様とエドガー様がそうおっしゃるのであれば…」
「よし、じゃあ3人分の家具を用意するよ」
「俺は両親に電話をしておく」
「あ、あの、先にケイゴに相談した方がいいのでは…」
「あっ、そうだね。ケーゴ、ケーゴ」
エドガーが圭吾の肩を揺らした。
◇◇◇
「ケーゴ、ケーゴ」
「ん…?なに?みんな集まって…」
目を覚ますと、わくわくしているスルトとエドガー、少し不安げなピーターが目に入った。なんだか嫌な予感がする。
「ケーゴ、ここに4人で住むぞ」
「なに…?唐突に…」
「やっぱりさ、結婚する前に同棲した方がいいと思うんだよね」
「? ? ?」
寝起きで頭が回らない僕に、ピーターが分かりやすく説明してくれた。要するに僕と一緒に過ごす時間が、スルトの方が圧倒的に長いから、公平性を保つために一緒に住もうということだった。それになぜかピーターまで巻き込まれたと。
「…僕は全然いいですけど…エドガーは大丈夫なんですか?急に3人も住人が増えて」
「何を言っているんだ。こんな広い部屋に1人って、それはもう虚しいんだよ。一日でも早くみんなに住んでほしいくらいだ」
「俺たちは大勢で生活するのに慣れているからな」
「そういうこと。ケーゴ、ご両親に聞いた方がいいんじゃない?」
「あ、はい」
僕は誘導されるまま母さんに電話をした。ちなみに今もちっちゃくなったエドガーのちんこが僕の中に入っている。こんな状態で親に電話かけるって…。
《もしもぉーし!》
「あ、母さん今大丈夫?」
《大丈夫よ!》
「父さんもいる?」
《いるよ!》
「あのさ、瑛弥が住んでるマンションあるでしょ?そこに彗斗と、あと秀汰って言う僕の親友と4人で同棲しようってことになったんだけど、いいかな?」
母さんは「きゃー!」と叫んだあと、父さんに伝言した。
《もしもし圭吾。聞こえるか》
「うん」
《父さんたちは構わないが、瑛弥くんに迷惑じゃないのか?》
「うん。むしろ早く住んでほしいって言ってくれてるよ」
《そうか。じゃあそうさせてもらいなさい。また父さんたちも挨拶に行くよ》
「ありがとう!」
僕は電話を切って、スルトとエドガーとピーターを見た。
「いいって!」
「おお!」
「良かったー!」
3人は大喜びしてくれた。そのあと僕たちは準備を整え、1か月後に同棲を始めることとなる。それぞれ個室をあてがわれたため意外と快適に生活ができた。…夜以外は。スルトとエドガーは前世と同じシステムを取り、夜になったら我先にと僕の部屋に入ってきた。毎晩二人に抱かれ、寝ている間にイタズラされ、休日はベッドから出られないような毎日が僕を待っていた。
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