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18歳の夏 発情誘発剤※

帰宅

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「ただいまー」

「おかえりー…って、彗斗くんじゃない!やっほー、いつケーゴと番になってくれるのぉ?」

母さんがスルトの顔を見るなりキラキラした目で玄関に走り寄ってきた。母さんは、僕の親とは思えないくらい人懐っこくて愛想がいい。スルトは紳士スマイルで母さんに挨拶をした。

「こんばんはおばさま。俺は今すぐにでもなりたいんですがね」

「母さん!僕にはもう一人いるからスルトと番にならないんだってば!」

「圭吾~。彗斗くんがいるのにもう一人恋人作っちゃったのぉ?なんて贅沢な子なんでしょ。今度その子も紹介してよね?」

「来いって言ったら今すぐにでも来るだろうけど…」

「何ですって?!呼んで呼んで!!母さんあんたの恋人見たい!」

「ええ…」

僕がスルトを見ると、スルトは意外にも「呼べばいい」と言った。

「俺もちょうどエドガーの手を借りたいと思っていたんだ」

「え…まあ、じゃあ呼びますか…」

エドガーに電話をすると、またワンコール以内で出た。この人ずっとスマホ眺めてんのかな?

《どうしたんだいケーゴ》

「あの、今からうち来てもらうことってできますか…?無理にとは言わないんですが。母さんがエドガーに会いたいって…」

《!!もちろんすぐ行くよ。一時間後には着くと思うから待ってて》

「はーい」

電話を切り、母さんに「一時間したら来るって」と伝えると、大喜びで飛び跳ねた。

「やったー!母さんちょっと化粧直してくるわね!」

「いや…化粧直す必要はない…」

僕の話を聞かず、母さんは自分の部屋へ戻って行った。僕とスルトは目を見合わせてクスリと笑う。

「おばさまのおかげで少し元気が出た」

「僕も」

「ケーゴ、エドガーが来るまでに体を綺麗にしておこう」

「…そうだね」

僕たちは順番にシャワーを浴びた。その後は僕の部屋でまったりと体を合わせていちゃいちゃした。先ほどできなかった分を取り返すかのように、スルトは僕に長いキスをする。

「んっ…」

「ケーゴ…今晩、俺とエドガーがお前を愛し続けるから。だから、先ほどのことはできるだけ忘れてくれ。お前の望むことを全てする。お前がやられたことを全て上書きするから…」

「ああ、エドガーの手を借りたいって、そういうことだったんですね。…それより、あんなやつらに無茶苦茶にされた僕のこと、きらいになってない?」

「なるわけない。前世でも言っただろう。俺たちがお前を捨てるなどありえない。あるのはあいつらへの殺意だけだ」

「それなら…いいんです。あなたたちに見放されないなら、どんなやつに何されたって僕は平気です。もちろん嫌だし気持ち悪いから、今後一切こんなこと起こらないよう気を付けますが」

「ケーゴ、自分でも分かっているだろうが。お前の容姿と匂いと体は、αにとってこれ以上ないものなんだ。この世界に来て実感する。俺はお前以外のΩが発情していたとしてもラットにならないんだ。普段の匂いに反応もしない。それほどまでに、他のΩとお前とじゃ差がある。だから、こんなこと言いたくないが、あいつらのような節操のないαが、お前にあんなことをするのも理解できるんだ。実際俺だってはじめてお前と出会ったときレイプしたようなものだからな」

「したようなものじゃなくて、あれは完全にレイプです」

「ぐっ…すまない…」

「でも、あの時あなたが僕を拾ってくれてよかった」

僕はそう言ってスルトを抱きしめた。

「ケーゴ…」

スルトが僕を抱き返そうとしたとき、スマホが鳴った。エドガーだ。
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