【完結】【R18BL】極上オメガ、前世の恋人2人に今世も溺愛されています

ちゃっぷす

文字の大きさ
上 下
13 / 106
18歳の夏 発情誘発剤※

飲み会に誘われました

しおりを挟む
「じゃあ、また明日ねスルト」

「なにかあったらすぐ電話しろよ」

「ないよ。Ωの集まりなんだし」

学校が終わりスルトと別れた。ベンチに座ってチヨちゃんを待つ。20分ほどしてチヨちゃんが走ってやってきた。

「圭吾くんごめん!お待たせ!」

「大丈夫。いこっか」

「うん!」

集合場所へ着くまでの間、チヨちゃんと取り留めのない話をした。僕の隣で歩くのが緊張するようで、落ち着きがない。

「あ、あのね圭吾くん」

「なに?」

「こんなこと聞いていいのか分からないけど…」

「?」

「圭吾くんは、彗斗くんと番にならないの?」

「ならないよ」

「ええ!あれだけ仲良いのに?どうして?」

「エドガー…じゃなくて暎弥がいるから。彗斗と番になったら暎弥とできないから」

「あっ、やっぱり二人と付き合ってるんだね…!」

「うん」

「すごいなあ。私なんて一人もいないのに。私、圭吾くんみたいに香りも良くないし、それに顔面偏差値が…」

「え?チヨちゃんかわいいと思うけどな」

「っ」

僕のその言葉にチヨちゃんは顔を真っ赤にした。なにこのウブな子。かわいいじゃん。てかチヨちゃん冗談抜きでかわいいと思うんだけどな。ほかのΩの女の子よりも清楚感あって好感持てる。性格も良さそうだし(僕の盗撮はしてるけど)、ちょっと気が弱いところがあるみたいだけど、いい子なんだろうな。

居酒屋に到着して案内された個室へ入ると、4人の男女(2:2)が僕たちに手を振った。良かった。匂いからしてちゃんと全員Ωだ。

「きゃーーー!!本物の圭吾くんだぁ!!」

「うわぁ…まじですごい匂い…」

「かっこいい…というか美人…」

もてはやされて居心地が悪い。僕はペコリと頭を下げてテーブルの端に座った。真ん中に座れって言われたけど四方を見知らぬ人間に囲まれるなんて無理すぎるので断固として断った。Ω集団は残念そうな顔をしてたけどそんなの知らん。来ただけでも褒めてほしいくらいなんだから。

チヨちゃんは僕の向かいに座る。彼女の隣に座っているのが仲の良い友達らしく、笑いながらじゃれあっている。何度も言うけど女子の戯れ可愛い。

全員分のお酒が行き届いた後、幹事の男の人が立って挨拶をした。

「えー、今日はみなさんお集りいただきましてありがとうございますぅ!いやー、圭吾くんが本当に来てくれるとは思わなくて僕嬉しくて泣きそうです!今日は楽しんでいってね!ってことで、かんぱぁーい!!」

近くにいる人に乾杯をして、僕はカシオレを口につけた。うん、おいしい。

「圭吾くん!初めまして。わたしナナって言うんだぁ。K大。よろしくね」

「よろしくお願いします」

「圭吾くん、俺、タクヤって言うんだ!ほんとに良い匂いするね!よろしく」

「俺はシンジ、よろしく!」

「はあ、よろしくお願いします」

4人がかわるがわる僕の傍にやってきて話しかけてくる。ジロジロと僕の顔と体見やがって。これ、完全にみんな僕を狙ってるよね…。Ω同士でサカり合ってどうすんだよ…。非生産的すぎるだろ。

「ねえねえ、圭吾くんって番つくらないのー?」

「つくりません」

「なんでなんでー?」

「もう一人βの恋人いるんで」

「おぉぉー!」

「βってまた変わってるね!αだけじゃ物足りなかった?」

「性にはこだわってないんで」

「おぉぉ~!!」

「じゃあじゃあ、Ωも恋愛対象として見れる?」

「彗斗と瑛弥以外恋愛対象としては見れないですね」

「かっこいぃぃぃ…!!」

「圭吾くんだったらどんなαでもメロメロだろうにねー!」

「ねー!」

なんだこのしょうもない会話は。1時間ほど話しかけてくる人たちに適当に相槌を打っていた。カシオレとカルーアミルクしか飲んでないのにちょっと酔ってきたな。

「圭吾くん、グラス空いてるね。次はカシオレ?カルーア?」

「あ…じゃあカルーアで…」

「あれ?ちょっと酔ってきてる?顔赤いよ?かーわいい」

タクヤがそう言いながら僕の肩に腕を回してきた。スルトとエドガー以外にそんな手つきで触られるのが気持ち悪すぎて鳥肌が立つ。僕はタクヤの腕を叩き「やめてください」と言った。でもタクヤは嫌がる僕の手を握り唇に当てた。き、きっしょ…!

「いいじゃんいいじゃん。今日は相方いないんだからさ」

「さわんなっ!」

「タクヤもう始めんの?ちょっと早くない?」

ナナが後ろから抱きついてくる。振り払おうとしても力が入らない。どうして…?僕まだそんなお酒飲んでないよ…?

「え、なに、これ。力入んないんだけど…」

「あは。安心して。ケーゴくんのお酒にちょっとずつ焼酎混ぜてただけだからぁ。Ωがお酒ちょー弱いって本当だったんだぁ。かーわい」

クスクスと笑いながらナナが僕の首輪を噛んだ。ちょっと待って。この人たちの匂い、さっきと全然違う。Ωどころか…αじゃないか…!

え?こいつら全員α…?ってことは僕…もしかしてすごくやばい状況なんじゃ…。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

処理中です...