【完結】【R18BL】極上オメガ、前世の恋人2人に今世も溺愛されています

ちゃっぷす

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18歳の夏 発情誘発剤※

飲み会に誘われました

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「じゃあ、また明日ねスルト」

「なにかあったらすぐ電話しろよ」

「ないよ。Ωの集まりなんだし」

学校が終わりスルトと別れた。ベンチに座ってチヨちゃんを待つ。20分ほどしてチヨちゃんが走ってやってきた。

「圭吾くんごめん!お待たせ!」

「大丈夫。いこっか」

「うん!」

集合場所へ着くまでの間、チヨちゃんと取り留めのない話をした。僕の隣で歩くのが緊張するようで、落ち着きがない。

「あ、あのね圭吾くん」

「なに?」

「こんなこと聞いていいのか分からないけど…」

「?」

「圭吾くんは、彗斗くんと番にならないの?」

「ならないよ」

「ええ!あれだけ仲良いのに?どうして?」

「エドガー…じゃなくて暎弥がいるから。彗斗と番になったら暎弥とできないから」

「あっ、やっぱり二人と付き合ってるんだね…!」

「うん」

「すごいなあ。私なんて一人もいないのに。私、圭吾くんみたいに香りも良くないし、それに顔面偏差値が…」

「え?チヨちゃんかわいいと思うけどな」

「っ」

僕のその言葉にチヨちゃんは顔を真っ赤にした。なにこのウブな子。かわいいじゃん。てかチヨちゃん冗談抜きでかわいいと思うんだけどな。ほかのΩの女の子よりも清楚感あって好感持てる。性格も良さそうだし(僕の盗撮はしてるけど)、ちょっと気が弱いところがあるみたいだけど、いい子なんだろうな。

居酒屋に到着して案内された個室へ入ると、4人の男女(2:2)が僕たちに手を振った。良かった。匂いからしてちゃんと全員Ωだ。

「きゃーーー!!本物の圭吾くんだぁ!!」

「うわぁ…まじですごい匂い…」

「かっこいい…というか美人…」

もてはやされて居心地が悪い。僕はペコリと頭を下げてテーブルの端に座った。真ん中に座れって言われたけど四方を見知らぬ人間に囲まれるなんて無理すぎるので断固として断った。Ω集団は残念そうな顔をしてたけどそんなの知らん。来ただけでも褒めてほしいくらいなんだから。

チヨちゃんは僕の向かいに座る。彼女の隣に座っているのが仲の良い友達らしく、笑いながらじゃれあっている。何度も言うけど女子の戯れ可愛い。

全員分のお酒が行き届いた後、幹事の男の人が立って挨拶をした。

「えー、今日はみなさんお集りいただきましてありがとうございますぅ!いやー、圭吾くんが本当に来てくれるとは思わなくて僕嬉しくて泣きそうです!今日は楽しんでいってね!ってことで、かんぱぁーい!!」

近くにいる人に乾杯をして、僕はカシオレを口につけた。うん、おいしい。

「圭吾くん!初めまして。わたしナナって言うんだぁ。K大。よろしくね」

「よろしくお願いします」

「圭吾くん、俺、タクヤって言うんだ!ほんとに良い匂いするね!よろしく」

「俺はシンジ、よろしく!」

「はあ、よろしくお願いします」

4人がかわるがわる僕の傍にやってきて話しかけてくる。ジロジロと僕の顔と体見やがって。これ、完全にみんな僕を狙ってるよね…。Ω同士でサカり合ってどうすんだよ…。非生産的すぎるだろ。

「ねえねえ、圭吾くんって番つくらないのー?」

「つくりません」

「なんでなんでー?」

「もう一人βの恋人いるんで」

「おぉぉー!」

「βってまた変わってるね!αだけじゃ物足りなかった?」

「性にはこだわってないんで」

「おぉぉ~!!」

「じゃあじゃあ、Ωも恋愛対象として見れる?」

「彗斗と瑛弥以外恋愛対象としては見れないですね」

「かっこいぃぃぃ…!!」

「圭吾くんだったらどんなαでもメロメロだろうにねー!」

「ねー!」

なんだこのしょうもない会話は。1時間ほど話しかけてくる人たちに適当に相槌を打っていた。カシオレとカルーアミルクしか飲んでないのにちょっと酔ってきたな。

「圭吾くん、グラス空いてるね。次はカシオレ?カルーア?」

「あ…じゃあカルーアで…」

「あれ?ちょっと酔ってきてる?顔赤いよ?かーわいい」

タクヤがそう言いながら僕の肩に腕を回してきた。スルトとエドガー以外にそんな手つきで触られるのが気持ち悪すぎて鳥肌が立つ。僕はタクヤの腕を叩き「やめてください」と言った。でもタクヤは嫌がる僕の手を握り唇に当てた。き、きっしょ…!

「いいじゃんいいじゃん。今日は相方いないんだからさ」

「さわんなっ!」

「タクヤもう始めんの?ちょっと早くない?」

ナナが後ろから抱きついてくる。振り払おうとしても力が入らない。どうして…?僕まだそんなお酒飲んでないよ…?

「え、なに、これ。力入んないんだけど…」

「あは。安心して。ケーゴくんのお酒にちょっとずつ焼酎混ぜてただけだからぁ。Ωがお酒ちょー弱いって本当だったんだぁ。かーわい」

クスクスと笑いながらナナが僕の首輪を噛んだ。ちょっと待って。この人たちの匂い、さっきと全然違う。Ωどころか…αじゃないか…!

え?こいつら全員α…?ってことは僕…もしかしてすごくやばい状況なんじゃ…。
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