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20歳の冬

バーテンダーごっこ

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もう…くったくただよ…。あの絶倫二人、本気で僕を殺しにかかってた。朝までかわるがわる僕の中にちんこ突っ込んでガンガン突きやがった…。途中の記憶がちょいちょい抜けてるから、たぶん何回か失神したんだと思う。でも絶対あの二人、気を失ってる僕にも腰振ってたと思う。生命の危機を感じる。

数か月ぶりに抱き潰されて体中痛い。朝になって二人がやっと眠りについてくれたから、僕も体液まみれのまま死んだように眠った。目が覚めると昼過ぎになっていた。僕はガックガクの体を引きずってシャワーを浴びる。お尻からぼたぼた二人の精液が垂れてくる。何cc注ぎ込んだの?こわい。浴室から出てリビングに入ったけど誰もいない。というかどの部屋にも人の気配がない。どこかへ出かけたのかな?僕はタオルで頭をわしゃわしゃしながらしばらくテレビを付けて眺めていた。

夜になってやっと3人が帰ってきた。山ほど荷物を持っている。

「おかえりー。…ってなにその荷物」

「ちょっと買い物に行っててね。運ぶの手伝ってくれる?」

「分かった。どこに持っていけばいいですか?」

「ダイニングの、カウンターに置いてくれる?」

「はーい」

僕はなにかがパンパンに入っている袋を2つ持ちカウンターまで運んだ。やたらと重い。なにが入っているのか中を覗くと、いろんな種類のリキュールやジュースが入っていた。

「……」

なんか嫌な予感がする。

「よし、運び終わったね。じゃあ後ろに並べようか」

「あの、エドガー…何をする気ですか?」

「え?ケーゴにうち専属のバーテンダーになってもらおうと思って」

「はぁぁ?!」

「俺たちだってお前に酒を作ってもらいたい」

「ちょっと…まだ根に持ってます…?」

「そんなんじゃないよー」

めっちゃ棒読みですやん。完全に根に持ってますやん。

「あっ、先にしとこう。スルト」

「ああ」

「?」

スルトとエドガーはそれぞれカバンから小箱を取り出した。そして僕の前で跪き、小箱を開く。中に入っていたのは、僕がエドガー、スルト、ピーターに渡したものと同じデザインの…指輪。

「ケーゴ。一生をお前と共に過ごしたい。結婚してくれ」

「ケーゴ、もう二度と君を失いたくない。僕と結婚してください」

「スルト…エドガー…」

スルトが僕の左手をとり、薬指にそれをはめさせた。同じ指にエドガーが指輪を通す。同じ指輪が、ふたつ僕の薬指に付けられた。

「どうしようか悩んだけど、やっぱりお揃いがいいから。ケーゴがくれたものと同じのにしたんだ」

「ケイゴ、俺からも」

ピーターは僕の右手小指に指輪を通した。

「ピーター…」

僕は指に通された3つの指輪を見つめた。ぽろぽろと涙がこぼれてしまう。

「僕、世界で一番しあわせものかもしれない…」

「ケーゴと一生を過ごせる僕たちの方が、世界一しあわせものだよ」

「俺たち3人で、お前を幸せにすると約束する」

「一生三人を見守るよ」

「えっ…もはや僕ピーターとも結婚した方がいいんじゃない?」

「ちがう。俺はケイゴと結婚したいんじゃない。3人を見守りたいだけだ」

「なんて茨の道を選ぶんだピーター…」

「前世では普通のことだったから気にするな」

「ピーター…僕、ピーターのことも大好きだし家族だと思ってるよ」

「俺もだピーター」

「僕もだよ。というか前世でも今世でも、僕にとってはかけがえのない存在だよピーターは」

「ケイゴ…スルト様…エドガー様…。身に余るお言葉、感謝します…!」

僕たち4人はぎゅーっとハグをした。男しかいなくてなんだかむさくるしいけど、僕にとっては最高の家族だ。
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