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僕を抱きしめてくれますか?

第六十二話

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 ◇◇◇
(エディside)

「っ……」

 ローラン様が抱きしめてくれた。発情している僕を、受け入れてくれた。
 嬉しくてちょっと涙が出た。

「エディ、ありがとう。もう大丈夫だ」

 そう言って、僕にキスをしてくれた。
 僕とローラン様の緊張がほぐれていく。

 長いキスのあと、ローラン様が苦しそうな声を出す。

「すまないエディ……。ゆっくり戯れる余裕がない……」
「えへへ……実は僕もです……。だから、早く……っ」

 ローラン様は頷き、僕のおしりにペニスを当てた。それだけで、敏感になっている僕の体がぴくんと跳ね上がる。

「あっ……!?」

 いつもならゆっくり挿入するのに、今日のローラン様にはそんな余裕はなかったらしい。前触れもなく一気に奥まで突き上げた。

「あぁぁぁっ……!!」

 いつもと感覚が全然違う。ローラン様の……アルファのペニスが入ってきた瞬間全身が痺れた。中は痙攣し、ペニスからは勢いよく精液が噴き出す。耐えがたいほどの快感に一瞬意識が飛んだ。

「んんん……!!」

 僕と同時にローラン様も呻いていた。きっとオメガの中に人一倍の快感を覚えているのだろう。
 ローラン様も目がふらふらしている。

「「あ……あぁっ……んっ……」」

 ローラン様がゆっくり腰を引いた。それだけで、僕たちから絶頂を迎えたときのような嬌声が漏れてしまう。
 そして、ローラン様は激しく動かし始めた。

「ふっ!? あぁぁっ、あっ! あぁぁぁっ!!」
「んっ、あぁっ、あぁぁっ……! はっ、んんっ……!!」

 これ、ダメだ。気持ち良すぎておかしくなっちゃう。中イキが止まらず、ローラン様が奥を突き上げるたびにペニスから精液が飛び出す。
 快感に溺れて息ができない。それなのにもっと欲しい。

「あっ、あっ……」

 うわ言のようにローラン様が声を漏らし、さらに激しく腰を振る。そして――

「んっ……!!」
「あっ……」

 ペニスが痙攣したかと思えば、ドバッと熱い精液が噴き出した。

「あ……、あっ……、あぁぁぁっ!!」

 アルファの精液を中に注ぎ込まれた僕は、今までにないくらい激しく体がのけぞった。
 体がバカになってしまったみたいだ。射精した直後、僕のペニスからおしっこが出てしまった。止めようと思っても止まってくれない。

 僕は顔をペニスを手で隠す。

「ごめっ……ごめんなさっ……。おしっこ止まんない……、ごめんなさいっ……」
「……」

 ローラン様はシミが広がるシーツをしばらく無言で見下ろしていた。
 しかし、おしっこが止まるのを待たずに再び中を突き上げる。

「ふぁっ……!?」

 ローラン様は僕の両手首を掴みつつ、激しく腰を振った。
 おしっこを垂れ流すペニスがローラン様の動きに合わせて揺れる。
 ローラン様はそんな僕のペニスを凝視していた。

「あっ、あぁぁっ! ローラン様……っ! やっ……止まって……!!」
「すまないエディ……っ、我慢できない……」
「見ないでっ……! おしっこ見ないでぇ……っ!」
「愛らしいよ」
「うぅっ……うぅぅっ……」

 おしっこが終われば次は精液が出た。ずっと何かが尿道を通っている。その快感が終わらない。
 さらに中はアルファのペニスで悦ばされている。
 頭がおかしくなりそうだ。体が壊れてしまいそう。

「死んじゃうっ……死んじゃうぅぅっ……!!」
「ぐっ……!」

 ローラン様が二度目の射精をした。

「あぁぁぁっ!!」

 全身が痙攣して息ができない。快感を与えられすぎて言葉を忘れそうだ。

「はっ……は……っ」

 ローラン様が僕のおしりからペニスを抜いた。その瞬間、僕のお尻から愛液と精液がどばどばとシーツに落ちた。ほとんどが僕の愛液だったけれど。たぶん、挿れられている間に何度かおしりも潮を吹いていたのだと思う。

 ベッドにぐったり沈み込んだ僕を、ローラン様が四つん這いにした。

「え……? あぁぁっ!?」

 そして、うしろから挿入した。

「あぁっ、あぁぁっ!! ローラン様っ、ローラン様ぁっ!! もっ、気持ち良すぎて死んじゃうっ、僕……っ!!」
「すまないエディ……っ、これで最後にするから……っ」

 僕はそばで(ニッコニコで)眺めているロジェに助けを求めた。

「ロジェさんっ、助けてっ……! 死んじゃうっ!!」

 しかしロジェはニッコニコの顔のまま首を横に振った。

「よかったですねえ。死にそうなほど気持ちよくしてもらえて」
「えっ、た、助けてよっ、死んじゃうっ、死んじゃう……!!」
「はあ。妬いてしまいます。あなた、私としているときはそこまで気持ちよくなってくれなかったですのに」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!? あっ、あぁぁっ、もっ、ダメッ、無理っ、死んじゃうからっ!!」
「ピュッピュピュッピュ精液噴き出しながらそんなこと言われてもねえ。そもそも死にませんから。月に一度しか得られない快感ですよ。存分に楽しみなさい」
「あなたなんのためにいるんですかっ!? 僕を助けるためじゃないんですかぁっ!?」
「そんなの建前に決まっているじゃないですか」

 僕がロジェを思いつく限りの言葉で罵っていると、ローラン様が三度目の射精をした。

「あぁぁぁ……っ」

 これほどまでに暴力的な快感を何度も与えられたら本当に死んでしまう。
 意識が遠のき、僕はうつ伏せにベッドに倒れ込んだ。

 ローラン様に、乱暴に髪を掴まれる。

「いっ……」
「はっ……はっ……」

 ローラン様の呼吸がすぐそばで聞こえた。彼の息がうなじにかかる。

「……?」

 うなじを舐められた。くすぐったい。
 そして、そっと歯を当てられる。

 ローラン様が歯に力を入れそうになった瞬間――

「ローラン様。それはいけません」

 ロジェがローラン様を僕から引き離した。
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