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弟から手紙が届きました

第四十六話※

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 ◆◆◆
(ローランside)

「ったく。エディのやつ、まぁだ騒いでやがる」
「いいじゃねえか。ガキの泣き叫ぶ声ほど気分がよくなるモンねえぜ」
「へへっ。親玉は底なしのロクデナシですねえ」

 借金取りたちはエディを牢屋に残し、僕だけを別室に連れて行った。狭くて汚い、カビ臭い場所だ。
 そこには今にも壊れそうなベッドがあった。シーツは今まで洗ったことがないのではないかというほど汚れている。
 こんな場所でこんな臭い男たちの相手をしなければならないかと思うとげんなりした。

 そんな僕の顔を、親玉が覗き込む。

「ンン。なんべん見てもきれいな顔してら」
「息が臭い。歯くらい磨け」
「ガハハッ! 生意気なガキは好きだぜ。だがな、ガキ」

 親玉がそっと僕の頬を撫でた。

「震えてるの、丸わかりだぜ」
「っ……」

 親玉が僕をベッドに投げ捨てる。親玉もベッドに上がり、上体を起こしている僕のうしろに座った。
 僕のズボンを脱がせながら、親玉が耳元で言った。

「見たとこ、オメェ、アルファだろ」
「……」
「黙ってたって俺には分かんだ。気の強そうな顔、そのクソ高ぇプライド、そんで――」
「っ……」

 親玉が僕のペニスを乱暴に握る。

「でっけぇちんぽ。ま、オメェのはまだ育ちきってねえがなあ。ガハハハッ!」

 親玉はペニスを握る手をガシガシとゆする。もう片方の手で僕のシャツのボタンを外し、乳首をつねった。

「いっ……!」
「ヒヒッ。ほら、やっぱりアルファだぜ。ちょーっといじくっただけですぐ勃ちやがる!」

 それまでそばで見ていた手下が、ふらふらとベッドに近づいてきた。

「お、親分……。お、俺も、いいっすか……?」
「おー、いいぜ」
「あざす!」

 手下は僕の体をまじまじと見て、鼻の下を伸ばす。

「ヒッ、ヒヒッ。真っ白でつやっつやじゃねえか。乳首なんてピンク色だぜっ」
「んっ……!」

 手下が乳首に吸い付き、乱暴に歯を立てる。

「おいっ……。痛いだろう……っ」
「こんなことで文句言ってたら、これからの人生やっていけねえぜ? ヘヘッ」

 この体にはつくづく嫌になる。こんな気色の悪い男たちに乱暴に触られているだけでも、律儀に反応するんだから。

「お。ヒヒ。ダラダラ汁垂らしやがって。そろそろ佳境かあ?」
「あっ……!」

 親玉の手がさらに激しくなる。僕は唇を噛み我慢していたが、親玉のしつこい刺激に抗えず射精してしまった。
 精液が勢いよく飛び出し、空中で弧を描く。
 それを見た親玉は興奮気味に僕の頬を舐め上げた。

「良い射精するじゃねえか、オイ。何回出せるか試してみようや」
「あっ!?」

 休む間も与えず、親玉が再びペニスを刺激し始める。

「おっ、おいっ! 少し待て――」
「待つワケねえだろ、なあ?」

 射精したばかりのペニスを刺激されて、得も言われぬ気持ち悪さが僕を襲う。それに痛い。

「おいっ、やめっ……やめろっ……!」
「ほれ。もうちょっとだ、もうちょっと」
「んっ……んん……っ!」

 ずっとそれをされていると、突然尿意に襲われた。
 僕は危機感を覚え、止めさせるために親玉の太ももをつねった。

「何すんだ! イッテェな!!」

 しかし、親玉は手を止めない。

「おいっ! 今すぐやめろっ!! 別のものが出そうだ!!」
「ヘヘッ。それでいいんだよ。出しちまえよ」
「嫌に決まっているだろう!! やめっ、やめろぉっ!! やめっ……――あぁぁ!?」

 その瞬間、ペニスから勢いよく尿が噴き出した。しかしいつものような尿の色でも出かたでもない。半透明の液体が、まるで噴水のようにピシャッと噴射したのだ。
 それと同時に、今まで感じたことのない快感が僕を襲った。僕は親玉にぐったりともたれかかり、放心状態になった。

「あ……あぁ……」
「ヘヘッ。いつ見ても潮吹きは最高だなぁ!!」
「親玉ぁ! さっきまで生意気な顔してたのに、すっかり呆けた顔してますぜ!」

 手下がそう言いながら、僕のペニスにしゃぶりつく。

「あぁ!?」
「ンンン~! ツルッツルのぷりっぷりだぜぇ!!」
「もっ……もうやめろっ……! もう無理だから……っ!!」

 親玉が暴れる僕の手を掴み、うっとりした声を出す。

「ボウズ。一番高く売れる人間ってのが何か知ってっか?」

 首や肩を舐め回しながら、親玉は言葉を続けた。

「男オメガだ。希少だし体の具合も最高だ。それにだいたい良い顔と体してっからなあ」

 そんなことは分かっている。だから今こうしてお前たちに好き勝手体を触らせているんだ。
 ――エディが男オメガだと知られたら、僕以上にひどい目に遭うだろうから。
 きっと、散々抱いたあとに薬で無理やり発情させて、さらに楽しもうとするだろう。最悪孕ませるかもしれない。

「じゃあ次に高く売れるのは何か知ってるか? 女オメガだと思ったか? 違うぜ。……アルファの少年だ」
「あぁっ……!!」

 手下の口内で三度目の射精をした僕は、ぐったりとベッドに倒れ込んだ。
 親玉はそんな僕の脚を開かせる。

「……」
「アルファの少年は男にも女にも、ゲスいヤツにも真っ当なヤツにも人気があってなあ」

 親玉が、なお勃起している僕のペニスをさする。

「真っ当なヤツはアルファの賢いオツムを欲しがる。女はアルファのちんこを欲しがる。……何度でも射精できるデケェちんこ。しかも精液ン中には優秀なアルファの遺伝子が入ってると来たもんだ。その上アルファの顔は一級品が多いからなあ。女が欲しがるのも納得だぜ。なあ、オイ」
「……」
「で、男もアルファのガキを欲しがる理由はなぁ……」

 親玉のペニスが、僕の尻に触れる。

「……」
「クッソプライドの高ぇアルファ野郎のケツにちんこブチ込んで、屈辱に顔を歪ませるのがたまんねえんだとよ!!」
「ぐっ……!!」

 一気に奥まで突き上げられ、痛みで顔をしかめた。
 親玉が激しく腰を振る。僕は歯を食いしばり、時が過ぎるのを待った。

 親玉が不思議そうに首を傾げる。

「なんだぁ? 楽しみにしてた反応とちげぇ。もっと泣き叫んだりしろよ」

 僕はあえて笑ってみせた。
 エディには死んでも知られたくないが……

「生憎……こういうことをされるのは……初めてじゃないんでね……っ」
「なんだテメェッ、もしかして前の飼い主から逃げてきたんかあ!? ガハハ!! そんでまた売り飛ばされるたぁツイてねぇなぁ!!」

 とはいえ、この感覚は何度されても慣れない。痛いし、吐きそうなほど気持ち悪い。せめて顔が見えないようにうしろからしてほしい。

 早く終われと念じているとき、手下が僕の口にペニスをねじこんだ。

「なあ、俺のも相手してくれよ」
「んぐっ!?」
「うひひひっ!! おいっ、もっと上手く舌使えやっ」
「んーっ! んんー!!」

 最悪だ。これほどまでに汚いペニスを咥えさせられたことはなかった。反射的に目から涙が出た。
 えずいても構わず顔に向けて腰を振られる。

「あぁぁっ、たまらんなあ!! 泣きながらちんこ咥えてんのたまらんなあ!!」
「しかもこいつのちんこおっ勃ったままだしよぉ!! なんだよオメェも嬉しいんじゃねえかあ、なぁ!?」
「ほれ、オメェのちんこもシゴいてやるからなあ!! 好きなだけ出せよっ!!」

 親玉と手下が僕の中に射精しても終わらず。僕が射精してももちろん終わらず。
 体勢を変え、挿入する場所を変え、その間もずっと僕を射精させ――
 親玉と手下は長い時間をかけて僕を辱め続けた。

 これでいい。こうして僕がこいつらを引き留めておけば、エディを守ることができる。

「こいつのちんこまだ元気だぞ。もしかしてヤベェくれぇ強いアルファなんじゃねえのか?」
「だとしたら最高ですね! どえれぇ高値で売れますよ!!」
「ケツの具合もそこそこ良いしヨォ。売るのが惜しくなるくらいだぜ! ガハハッ!!」

 どのくらい時間が経ったか分からない。
 体中、借金取りと自分の精液でまみれている。口の中も、尻の中も、こいつらの精液で散々汚された。
 僕にはもう起き上がる気力もない。

 それなのに、親玉はまだ僕を辱める気のようだ。手下はとっくにヘバッているのに、親玉のペニスは依然いきり立っている。

「おぉー……。おい、分かるかガキ。テメェのケツ、俺のちんこの形を覚えてきたぞ。ガハハッ」
「……」

 されすぎて、もう尻の感覚がない。挿れられているかどうかも分からなかった。

「んっ、ふんっ、おっ、おぉっ……」
「ひー。親玉は相変わらず絶倫っすねえ~」
「ガハハッ! このガキには負けらぁ!」

 親玉と手下が楽しそうにそんな会話をしているとき。

「……あ?」

 親玉が間抜けた声を出し、動きを止めた。彼の視線は自分の胸に向かい――

「ぎゃぁぁぁぁ!?」

 刃先が覗いている胸を見て、おぞましい悲鳴を上げた。
 そして、僕に挿入したまま血を吐いて息絶えた。

 僕は、死人の背後に立っている人を睨みつける。

「遅い」
「申し訳ございません、ローラン様。少しばかり、道に迷いまして」
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