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ナストとフラストとヴァルア
2話【ナストとフラストとヴァルア】
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「あっ……」
フラスト様の手が僕のペニスに触れる。少し冷たい。だがすぐに僕の体温が伝播し、フラスト様の手も温かくなった。その手はゆっくりと上下に動き、僕のペニスに心地よい快感を与えた。
「あっ、あっ……」
久しぶりの快感に、僕はすぐ呑み込まれた。
「きもちっ……、んっ、あぁっ……」
「……」
フラスト様の手にカウパーが垂れる。フラスト様はそれを無言で見つめ、しばらくして僕の顔を見た。
「あっ……あぁ……っ、あっ、……」
「……ここもか?」
フラスト様のもう片方の手が尻をなぞった。僕は小さく頷き、両足を広げた。ゆっくりと、フラスト様の指が肛門に差し込まれる。
「あぁぁぁっ……、あっ……、んっ、あぁっ……」
気持ちいい。この優しい快感をずっと感じていたい。
絶頂の予感がした。それが少し残念に思ってしまうほど、フラスト様の手は心地よかった。
「フラスト様っ……、もうっ……」
「好きなときに出せ」
「んっ……、っ、っ、」
こんなに静かに絶頂を迎えたのなんて初めてなのではないだろうか。まるで母親に寝かしつけをされているときのように、安心して身を預けられた。このまま眠ってしまいそうだ。
「……おい」
フラスト様に声をかけられ、重い瞼を上げた。
「その手をどかせ」
「っ!!」
気付かぬ間に、僕はフラスト様の股間に手を置いていた。それどころか、ペニスをがっしり掴んでいる。……フラスト様のペニス、勃起している。
「……」
「なんだその目は」
「……」
「なんだ。言え」
「……勃っています」
「そうだな。それがどうした」
「……」
何も言えなかった。フラスト様はまたイラッとした表情を浮かべる。
「……お前の目は、全てを語りすぎているんだよ」
そう言って立ち上がり、僕に背を向けて言った。
「……俺の部屋に来い。ここではさすがに気が引ける」
心臓が飛び上がった。フラスト様は心が読めるのだろうか。
僕は慌ててベッドから下り、フラスト様のあとをついていった。
フラスト様の部屋に入るなり、ドアに背中を押し付けられ、唇を奪われた。あの時より少し荒っぽいキスだったが、それでもやはり優しさが勝っている。
「お前は悪いヤツだ。ノコノコと俺の部屋に入ってきた」
「……」
「これから何をされるか分かってついてきたんだろうな?」
「……はい」
「……悪いヤツだ、本当に」
フラスト様は軽々と僕を抱え上げ、今度はそっとベッドに降ろした。僕の頬に手を添え、じっと僕を見つめる。そして「チッ」と舌打ちをして、僕を睨みつけた。
「忌まわしいほどに美しいなお前は」
「……それは褒められていると受け取っていいのでしょうか」
返事はなかった。その代わりに、フラスト様は長いキスをした。
舌を絡めながら、フラスト様は僕をベッドに押し倒した。寝衣を脱がされ、下着だけになった僕を見下ろし、また舌打ちをする。
「相変わらず気色悪い下着だな。お前はまだこんなものを身に着けているのか」
「だ、だって、こっちの方が落ち着くから……」
「さっさと外せ。目障りだ」
「……」
僕は自分の肌に触れないよう、慎重に下着の紐をほどいた。フラスト様はそれを剥ぎ取り、床に投げ捨てる。そして僕の左足の太ももを押し上げ、そっと唇を添えた。
「何も身に着けていないときのお前が一番美しいな」
その言葉に、僕の顔が急に熱を帯びた。
「フ、フラスト様……どうされたんですか……?」
「なにがだ」
「先ほどから、何度も僕のことを美しいと言っています……」
するとフラスト様は鼻で笑い、太ももに口を付けたまま言った。
「自分のベッドの上でくらい本音を漏らしてもいいだろう」
「んっ……」
フラスト様の下が太ももを伝う。足の付け根までなぞり、そのまま睾丸にキスをした。
「あっ……フラスト様……」
「なんだ」
「あっ……!」
フラスト様の舌先が睾丸からペニスに移り、亀頭まで這い上がった。そしてそっと亀頭を口で包み込む。口の中で、唾液をたっぷり含んだ舌で弄ばれ、射精したばかりだというのに僕のペニスは屹立した。
「あっ……あぁっ……フラスト様っ……んんっ……」
「本当に……感じやすい体だな」
「はっ……あぁ……っ、んっ……んん……っ。……あっ!?」
肛門に指を差し込まれた。口の動きに合わせて指が出し入れされる。口と指で同時に刺激され、気付けば僕は腰を高く浮かせていた。
「あっ、あぁぁっ、あっ、あっ」
「あまり動くな。舐めづらいだろうが」
「ごめんなさっ……体が、勝手に……っ、あっ、あぁっ、んっ、あぁぁっ」
フラスト様の指がぐいと押し上げられる。前立腺を刺激された僕は、その瞬間に絶頂を迎えた。
「あぁぁぁぁっ!!」
「っ……」
フラスト様の口内に射精してしまった。フラスト様は顔をしかめながら、射精が終わるのを待っていた。
ペニスから口を離したフラスト様は、僕に覆いかぶさった。
「口を開け」
「……?」
よく分からないまま口を開けた僕に、フラスト様は尋ねる。
「精液を口に含んだのは初めてだ。お前は自分の精液の味を知っているか?」
「い、いえ……知りません……。……ふっ!?」
フラスト様が口から何かを垂らした。それは僕の口内に落とされる。似ている味は知っているが、この味は知らない。
「これがお前の精液の味だ。まだ呑み込むなよ」
「ん……っ」
フラスト様が唇を重ねた。僕とフラスト様の舌に、僕の精液が絡みつく。苦い。
僕から離れたフラスト様の唇から、白濁した唾液が糸を引いていた。
「……自分の精液を呑まされたのははじめてです……」
「そうだったのか。お前にも経験したことのないことがあるんだな」
「もしかして、フラスト様って変態ですか?」
「断じて、お前にだけは言われたくない」
フラスト様の手が僕のペニスに触れる。少し冷たい。だがすぐに僕の体温が伝播し、フラスト様の手も温かくなった。その手はゆっくりと上下に動き、僕のペニスに心地よい快感を与えた。
「あっ、あっ……」
久しぶりの快感に、僕はすぐ呑み込まれた。
「きもちっ……、んっ、あぁっ……」
「……」
フラスト様の手にカウパーが垂れる。フラスト様はそれを無言で見つめ、しばらくして僕の顔を見た。
「あっ……あぁ……っ、あっ、……」
「……ここもか?」
フラスト様のもう片方の手が尻をなぞった。僕は小さく頷き、両足を広げた。ゆっくりと、フラスト様の指が肛門に差し込まれる。
「あぁぁぁっ……、あっ……、んっ、あぁっ……」
気持ちいい。この優しい快感をずっと感じていたい。
絶頂の予感がした。それが少し残念に思ってしまうほど、フラスト様の手は心地よかった。
「フラスト様っ……、もうっ……」
「好きなときに出せ」
「んっ……、っ、っ、」
こんなに静かに絶頂を迎えたのなんて初めてなのではないだろうか。まるで母親に寝かしつけをされているときのように、安心して身を預けられた。このまま眠ってしまいそうだ。
「……おい」
フラスト様に声をかけられ、重い瞼を上げた。
「その手をどかせ」
「っ!!」
気付かぬ間に、僕はフラスト様の股間に手を置いていた。それどころか、ペニスをがっしり掴んでいる。……フラスト様のペニス、勃起している。
「……」
「なんだその目は」
「……」
「なんだ。言え」
「……勃っています」
「そうだな。それがどうした」
「……」
何も言えなかった。フラスト様はまたイラッとした表情を浮かべる。
「……お前の目は、全てを語りすぎているんだよ」
そう言って立ち上がり、僕に背を向けて言った。
「……俺の部屋に来い。ここではさすがに気が引ける」
心臓が飛び上がった。フラスト様は心が読めるのだろうか。
僕は慌ててベッドから下り、フラスト様のあとをついていった。
フラスト様の部屋に入るなり、ドアに背中を押し付けられ、唇を奪われた。あの時より少し荒っぽいキスだったが、それでもやはり優しさが勝っている。
「お前は悪いヤツだ。ノコノコと俺の部屋に入ってきた」
「……」
「これから何をされるか分かってついてきたんだろうな?」
「……はい」
「……悪いヤツだ、本当に」
フラスト様は軽々と僕を抱え上げ、今度はそっとベッドに降ろした。僕の頬に手を添え、じっと僕を見つめる。そして「チッ」と舌打ちをして、僕を睨みつけた。
「忌まわしいほどに美しいなお前は」
「……それは褒められていると受け取っていいのでしょうか」
返事はなかった。その代わりに、フラスト様は長いキスをした。
舌を絡めながら、フラスト様は僕をベッドに押し倒した。寝衣を脱がされ、下着だけになった僕を見下ろし、また舌打ちをする。
「相変わらず気色悪い下着だな。お前はまだこんなものを身に着けているのか」
「だ、だって、こっちの方が落ち着くから……」
「さっさと外せ。目障りだ」
「……」
僕は自分の肌に触れないよう、慎重に下着の紐をほどいた。フラスト様はそれを剥ぎ取り、床に投げ捨てる。そして僕の左足の太ももを押し上げ、そっと唇を添えた。
「何も身に着けていないときのお前が一番美しいな」
その言葉に、僕の顔が急に熱を帯びた。
「フ、フラスト様……どうされたんですか……?」
「なにがだ」
「先ほどから、何度も僕のことを美しいと言っています……」
するとフラスト様は鼻で笑い、太ももに口を付けたまま言った。
「自分のベッドの上でくらい本音を漏らしてもいいだろう」
「んっ……」
フラスト様の下が太ももを伝う。足の付け根までなぞり、そのまま睾丸にキスをした。
「あっ……フラスト様……」
「なんだ」
「あっ……!」
フラスト様の舌先が睾丸からペニスに移り、亀頭まで這い上がった。そしてそっと亀頭を口で包み込む。口の中で、唾液をたっぷり含んだ舌で弄ばれ、射精したばかりだというのに僕のペニスは屹立した。
「あっ……あぁっ……フラスト様っ……んんっ……」
「本当に……感じやすい体だな」
「はっ……あぁ……っ、んっ……んん……っ。……あっ!?」
肛門に指を差し込まれた。口の動きに合わせて指が出し入れされる。口と指で同時に刺激され、気付けば僕は腰を高く浮かせていた。
「あっ、あぁぁっ、あっ、あっ」
「あまり動くな。舐めづらいだろうが」
「ごめんなさっ……体が、勝手に……っ、あっ、あぁっ、んっ、あぁぁっ」
フラスト様の指がぐいと押し上げられる。前立腺を刺激された僕は、その瞬間に絶頂を迎えた。
「あぁぁぁぁっ!!」
「っ……」
フラスト様の口内に射精してしまった。フラスト様は顔をしかめながら、射精が終わるのを待っていた。
ペニスから口を離したフラスト様は、僕に覆いかぶさった。
「口を開け」
「……?」
よく分からないまま口を開けた僕に、フラスト様は尋ねる。
「精液を口に含んだのは初めてだ。お前は自分の精液の味を知っているか?」
「い、いえ……知りません……。……ふっ!?」
フラスト様が口から何かを垂らした。それは僕の口内に落とされる。似ている味は知っているが、この味は知らない。
「これがお前の精液の味だ。まだ呑み込むなよ」
「ん……っ」
フラスト様が唇を重ねた。僕とフラスト様の舌に、僕の精液が絡みつく。苦い。
僕から離れたフラスト様の唇から、白濁した唾液が糸を引いていた。
「……自分の精液を呑まされたのははじめてです……」
「そうだったのか。お前にも経験したことのないことがあるんだな」
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