3 / 29
ナストとリング①
1話【ナストとリング①】
しおりを挟む
これは僕がフィリッツ大公家で暮らすことになってから間もないときの話。
「ヴァルア様っ! 朝ですっ! おはようございます!」
朝八時、使用人の少年リングが精一杯元気な声で僕に呼びかけた。
ベッドですやすや眠っていた僕は、なんとか目を開ける。
「ん……、おはよう、リング」
「おっ、おはようございます! 朝です!」
使用人になりたての――それどころか、牢獄生活から抜け出せたばかりのリングは、それ以外の挨拶の仕方が分からないようで、「おはようございます」と「朝です」を繰り返すばかりだ。
彼の手足は緊張でふるふる震えている。
「リング」
「っ……」
僕が名前を呼んだだけで、リングは目をぎゅっと閉じ、体を強張らせた。叱られて暴力をされるのではないかと、彼はいつも恐れている。
「良い朝だね」
僕がそう言うと、リングはおそるおそる僕を見て頷いた。
「は、はいっ。朝です!」
リングは甲斐甲斐しく僕の世話をしてくれる。上体を起こした僕から寝衣を脱がせ、ぎこちない手つきで下着を付ける。紐の結び目は不格好だったが、僕は文句を言わなかった。
「リング。用を足すのを手伝ってくれる?」
「はいっ!」
僕のあとをリングが小走りでついてくる。便器に立った僕の背後に立ち、あらわになったままのペニスを支えた。用を足し終えたらペニスの先を舐めてきれいにしてくれる。
本当はもう一人で用を足さなければいけないのだが、沁みついた慣習により僕はまだそれができない。ヴァルア様やアリスがいるときは彼らにしてもらうけれど、二人が忙しいときは、こうしてリングに手伝ってもらっている。
「ありがとう、リング」
「はいっ!」
リングは元気よく返事をして、僕の下着や服を整えた。それからしばらくは黙々と僕の部屋を掃除して、温かい飲み物を用意してから出て行った。
その夜、ちらちらと時計ばかりを見ている僕に、アリスが声をかけた。
「ナスト様。もう夜も遅いです。そろそろお眠りに」
「……今日も一人だ」
「……仕方ありませんよ。ヴァルア様はああ見えてお忙しい方なのですから」
ここ数日、ヴァルア様の顔を見ていない。また別の教会で悪事を見つけ、教会監視団体が慌ただしく動いている最中だから……というのは頭で分かっているのだが、だからと言って寂しさがどうにかなるわけではない。
僕はベッドの中で太ももをきつく締めた。こんなに長い間、誰にも体に触れられなかったことは今までなかった。体が疼く。でも、自分では触れられない。
「はぁ……」
触れてもいないのにペニスが反り返っている。それどころかカウパーまで垂れているではないか。
こんな状態では眠れないではないか、と苛立っていたが、いつの間にか夢の中に沈んでいた。
「……っ!」
空が明るみ始めた頃、誰かに背後から抱きしめられて目が覚めた。振り返ると、ヴァルア様と目が合った。ヴァルア様は僕に微笑みかけ、キスをした。
「起こしてしまったかな」
「ヴァルア様……! 仕事は落ち着いたのですか?」
「まだ落ち着いていないが……君に会えない日々に飽き飽きしてね。抜け出してきたんだ」
ヴァルア様は、僕の顔をじっと見つめてはキスをして、キスをしてはじっと見つめた。それから僕を強く抱きしめて吐息を漏らす。
「はあ……」
「っ」
ヴァルア様のペニスが僕の体に押し付けられる。服越しでも、彼のペニスがひどく膨張しているのが分かった。
「……ヴァルア様、ペニスが当たっています」
「君のペニスもね。あーあ。服が濡れてしまった。どれだけカウパーを垂らすんだい、君は」
「す、すみません……」
「かわいい」
ヴァルア様は僕に覆いかぶさり、執拗にキスをした。僕は無意識に開脚し、今か今かとヴァルア様と繋がるときを待ってしまう。それなのに、ヴァルア様は挿入しようとせず、僕の顔まわりや上半身を舐めたり撫でたりするばかりだ。
「もう……っ、ヴァルア様……っ。焦らさないでくださいっ……」
「ええ……。焦らしているつもりなんて……」
「いいから、早くペニスをください……」
「……全く。君は男を興奮させるのが上手い」
ヴァルア様は荒っぽく服を脱ぎ捨て、僕の両脚をぐいと押し上げた。ペニスと肛門が上からはっきり見える体勢にさせられた僕に、ずぶずぶとペニスを差し込んだ。
「あぁぁぁぁっ……!」
「んんっ……、久しぶりだと……余計に……っ」
「ヴァルア様っ……ヴァルア様ぁっ……! あっ、あぁっ、あぁぁっ!」
「すまない、今日は長くもちそうにない……っ」
「あっ、あぁぁっ、激しっ、奥ッ、あぁっ!? あぁぁっ!! あっ、あっ、あっ、」
下腹部が痙攣する。ヴァルア様のペニスを離したくないと、肛門が締め付ける。
「ぐっ……!」
「あぁぁぁ……」
中がヴァルア様の精液で満たされ、得も言われぬ幸福感が僕を襲った。
興奮しきっているのか、ヴァルア様は無言のまま僕の体勢を変えた。横向きに寝た僕の片脚を上げ、うしろから再びペニスを挿入した。
「んあぁぁっ……」
「んっ、は……っ、んぐっ……んっ、んっ……」
ヴァルア様は声を漏らしながら激しく腰を振っている。その快感に朦朧とする意識の中で溺れていると、ペニスを握られた。
「あぁっ!? ヴァッ、ヴァルア様、そこはっ……あぁっ、あぁっ! ど、同時にそんなっ、やめっ、あっ、あっ、あぁぁっ! だめっ、おかしくなるぅっ……やぁぁっ、あっ、あっ、!」
その時、ドアからノックの音が聞こえた。
「おはようございます、ナスト様っ! 朝ですっ! ……!!」
まもなくリングが中に入って来て、目の前の光景に硬直した。
「あっ、あぁっ、ヴァルア様っ! ヴァルア様っ、ちょっと、あぁぁっ、あっ、あぁぁ!!」
彼の目に映ったものは、乱れている僕とヴァルア様。特に僕は、体の前面をドアに向けて曝け出していた。ヴァルア様のペニスが肛門に激しく出し入れされているのも、カウパーを溢れさせている屹立したペニスも、全てリングが立っている方向から丸見えだ。
「ヴァルア様……っ! 止まってくださいっ、リングがっ……! リングが見てますからぁっ!!」
久しぶりの僕とのセックスに興奮しきっているヴァルア様の耳には、僕の声が届かなかったようだ。彼は荒い息で依然腰を動かしている。それに、僕のペニスを握っている手も。
「やっ、あぁぁっ、ダメッ、止めてっ、出ちゃうっ……!! 出ちゃ――……んん~――……」
僕は体をドクンと大きく痙攣させ、ペニスから大量の精液を噴射した。
「あ……あ、あ……」
遠のく意識の中で、リングが部屋から走りさるところが見えた。
「ヴァルア様っ! 朝ですっ! おはようございます!」
朝八時、使用人の少年リングが精一杯元気な声で僕に呼びかけた。
ベッドですやすや眠っていた僕は、なんとか目を開ける。
「ん……、おはよう、リング」
「おっ、おはようございます! 朝です!」
使用人になりたての――それどころか、牢獄生活から抜け出せたばかりのリングは、それ以外の挨拶の仕方が分からないようで、「おはようございます」と「朝です」を繰り返すばかりだ。
彼の手足は緊張でふるふる震えている。
「リング」
「っ……」
僕が名前を呼んだだけで、リングは目をぎゅっと閉じ、体を強張らせた。叱られて暴力をされるのではないかと、彼はいつも恐れている。
「良い朝だね」
僕がそう言うと、リングはおそるおそる僕を見て頷いた。
「は、はいっ。朝です!」
リングは甲斐甲斐しく僕の世話をしてくれる。上体を起こした僕から寝衣を脱がせ、ぎこちない手つきで下着を付ける。紐の結び目は不格好だったが、僕は文句を言わなかった。
「リング。用を足すのを手伝ってくれる?」
「はいっ!」
僕のあとをリングが小走りでついてくる。便器に立った僕の背後に立ち、あらわになったままのペニスを支えた。用を足し終えたらペニスの先を舐めてきれいにしてくれる。
本当はもう一人で用を足さなければいけないのだが、沁みついた慣習により僕はまだそれができない。ヴァルア様やアリスがいるときは彼らにしてもらうけれど、二人が忙しいときは、こうしてリングに手伝ってもらっている。
「ありがとう、リング」
「はいっ!」
リングは元気よく返事をして、僕の下着や服を整えた。それからしばらくは黙々と僕の部屋を掃除して、温かい飲み物を用意してから出て行った。
その夜、ちらちらと時計ばかりを見ている僕に、アリスが声をかけた。
「ナスト様。もう夜も遅いです。そろそろお眠りに」
「……今日も一人だ」
「……仕方ありませんよ。ヴァルア様はああ見えてお忙しい方なのですから」
ここ数日、ヴァルア様の顔を見ていない。また別の教会で悪事を見つけ、教会監視団体が慌ただしく動いている最中だから……というのは頭で分かっているのだが、だからと言って寂しさがどうにかなるわけではない。
僕はベッドの中で太ももをきつく締めた。こんなに長い間、誰にも体に触れられなかったことは今までなかった。体が疼く。でも、自分では触れられない。
「はぁ……」
触れてもいないのにペニスが反り返っている。それどころかカウパーまで垂れているではないか。
こんな状態では眠れないではないか、と苛立っていたが、いつの間にか夢の中に沈んでいた。
「……っ!」
空が明るみ始めた頃、誰かに背後から抱きしめられて目が覚めた。振り返ると、ヴァルア様と目が合った。ヴァルア様は僕に微笑みかけ、キスをした。
「起こしてしまったかな」
「ヴァルア様……! 仕事は落ち着いたのですか?」
「まだ落ち着いていないが……君に会えない日々に飽き飽きしてね。抜け出してきたんだ」
ヴァルア様は、僕の顔をじっと見つめてはキスをして、キスをしてはじっと見つめた。それから僕を強く抱きしめて吐息を漏らす。
「はあ……」
「っ」
ヴァルア様のペニスが僕の体に押し付けられる。服越しでも、彼のペニスがひどく膨張しているのが分かった。
「……ヴァルア様、ペニスが当たっています」
「君のペニスもね。あーあ。服が濡れてしまった。どれだけカウパーを垂らすんだい、君は」
「す、すみません……」
「かわいい」
ヴァルア様は僕に覆いかぶさり、執拗にキスをした。僕は無意識に開脚し、今か今かとヴァルア様と繋がるときを待ってしまう。それなのに、ヴァルア様は挿入しようとせず、僕の顔まわりや上半身を舐めたり撫でたりするばかりだ。
「もう……っ、ヴァルア様……っ。焦らさないでくださいっ……」
「ええ……。焦らしているつもりなんて……」
「いいから、早くペニスをください……」
「……全く。君は男を興奮させるのが上手い」
ヴァルア様は荒っぽく服を脱ぎ捨て、僕の両脚をぐいと押し上げた。ペニスと肛門が上からはっきり見える体勢にさせられた僕に、ずぶずぶとペニスを差し込んだ。
「あぁぁぁぁっ……!」
「んんっ……、久しぶりだと……余計に……っ」
「ヴァルア様っ……ヴァルア様ぁっ……! あっ、あぁっ、あぁぁっ!」
「すまない、今日は長くもちそうにない……っ」
「あっ、あぁぁっ、激しっ、奥ッ、あぁっ!? あぁぁっ!! あっ、あっ、あっ、」
下腹部が痙攣する。ヴァルア様のペニスを離したくないと、肛門が締め付ける。
「ぐっ……!」
「あぁぁぁ……」
中がヴァルア様の精液で満たされ、得も言われぬ幸福感が僕を襲った。
興奮しきっているのか、ヴァルア様は無言のまま僕の体勢を変えた。横向きに寝た僕の片脚を上げ、うしろから再びペニスを挿入した。
「んあぁぁっ……」
「んっ、は……っ、んぐっ……んっ、んっ……」
ヴァルア様は声を漏らしながら激しく腰を振っている。その快感に朦朧とする意識の中で溺れていると、ペニスを握られた。
「あぁっ!? ヴァッ、ヴァルア様、そこはっ……あぁっ、あぁっ! ど、同時にそんなっ、やめっ、あっ、あっ、あぁぁっ! だめっ、おかしくなるぅっ……やぁぁっ、あっ、あっ、!」
その時、ドアからノックの音が聞こえた。
「おはようございます、ナスト様っ! 朝ですっ! ……!!」
まもなくリングが中に入って来て、目の前の光景に硬直した。
「あっ、あぁっ、ヴァルア様っ! ヴァルア様っ、ちょっと、あぁぁっ、あっ、あぁぁ!!」
彼の目に映ったものは、乱れている僕とヴァルア様。特に僕は、体の前面をドアに向けて曝け出していた。ヴァルア様のペニスが肛門に激しく出し入れされているのも、カウパーを溢れさせている屹立したペニスも、全てリングが立っている方向から丸見えだ。
「ヴァルア様……っ! 止まってくださいっ、リングがっ……! リングが見てますからぁっ!!」
久しぶりの僕とのセックスに興奮しきっているヴァルア様の耳には、僕の声が届かなかったようだ。彼は荒い息で依然腰を動かしている。それに、僕のペニスを握っている手も。
「やっ、あぁぁっ、ダメッ、止めてっ、出ちゃうっ……!! 出ちゃ――……んん~――……」
僕は体をドクンと大きく痙攣させ、ペニスから大量の精液を噴射した。
「あ……あ、あ……」
遠のく意識の中で、リングが部屋から走りさるところが見えた。
38
お気に入りに追加
176
あなたにおすすめの小説
【BL】SNSで人気の訳あり超絶イケメン大学生、前立腺を子宮化され、堕ちる?【R18】
NichePorn
BL
スーパーダーリンに犯される超絶イケメン男子大学生
SNSを開設すれば即10万人フォロワー。
町を歩けばスカウトの嵐。
超絶イケメンなルックスながらどこか抜けた可愛らしい性格で多くの人々を魅了してきた恋司(れんじ)。
そんな人生を謳歌していそうな彼にも、児童保護施設で育った暗い過去や両親の離婚、SNS依存などといった訳ありな点があった。
愛情に飢え、性に奔放になっていく彼は、就活先で出会った世界規模の名門製薬会社の御曹司に手を出してしまい・・・。
浮気をしたら、わんこ系彼氏に腹の中を散々洗われた話。
丹砂 (あかさ)
BL
ストーリーなしです!
エロ特化の短編としてお読み下さい…。
大切な事なのでもう一度。
エロ特化です!
****************************************
『腸内洗浄』『玩具責め』『お仕置き』
性欲に忠実でモラルが低い恋人に、浮気のお仕置きをするお話しです。
キャプションで危ないな、と思った方はそっと見なかった事にして下さい…。
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
【R18】息子とすることになりました♡
みんくす
BL
【完結】イケメン息子×ガタイのいい父親が、オナニーをきっかけにセックスして恋人同士になる話。
近親相姦(息子×父)・ハート喘ぎ・濁点喘ぎあり。
章ごとに話を区切っている、短編シリーズとなっています。
最初から読んでいただけると、分かりやすいかと思います。
攻め:優人(ゆうと) 19歳
父親より小柄なものの、整った顔立ちをしているイケメンで周囲からの人気も高い。
だが父である和志に対して恋心と劣情を抱いているため、そんな周囲のことには興味がない。
受け:和志(かずし) 43歳
学生時代から筋トレが趣味で、ガタイがよく体毛も濃い。
元妻とは15年ほど前に離婚し、それ以来息子の優人と2人暮らし。
pixivにも投稿しています。
EDEN ―孕ませ―
豆たん
BL
目覚めた所は、地獄(エデン)だった―――。
平凡な大学生だった主人公が、拉致監禁され、不特定多数の男にひたすら孕ませられるお話です。
【ご注意】
※この物語の世界には、「男子」と呼ばれる妊娠可能な少数の男性が存在しますが、オメガバースのような発情期・フェロモンなどはありません。女性の妊娠・出産とは全く異なるサイクル・仕組みになっており、作者の都合のいいように作られた独自の世界観による、倫理観ゼロのフィクションです。その点ご了承の上お読み下さい。
※近親・出産シーンあり。女性蔑視のような発言が出る箇所があります。気になる方はお読みにならないことをお勧め致します。
※前半はほとんどがエロシーンです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる