高く昇る薔薇の香に、ただ君だけを思う

快活で向こう見ずな若王×記憶を失った異形の騎士

聖都ロージアは数百年間、ヴィスと呼ばれる魔物との闘いが繰り広げられていた。
そこを治める王・ローランは若さ故か、家臣の忠告を余所に前線へと駆け出しては闘いを続けていた。
そんな彼はある日、闘いの最中に国の外れにある『禁忌の森』へと迷いこんでしまった。
動くこともままならない彼を救ったのは、ヴィスのような歪な爪と、禍々しい毛皮を纏う手足を持った男・シリル。
彼の従者と名乗るカーバンクルのダミアンは、シリルは記憶を失っているという。
助けてくれた例に、シリルの記憶を取り戻すことに協力するローラン。
しかしシリルの記憶には、秘密があって……。


「いっそのこと、これが自分の正体を知る、一番の手がかりなのかもしれない。怪物だと追いやられたのか、迫害されたのか……」
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