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救出劇
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『おい!ファガス!無事か?』
アレンは後宮の入り口を守る衛兵を蹴散らし、中の女達にも目もくれず、頑丈なドアの鍵をぶち壊し、先生の軟禁されている部屋にやってきたのだ。
3日間城中を探し回り、やっとそこに辿り着いたようだ。
しかし、タイミングが良かったとは決して言えない。今し方、王に犯された先生は、お尻から王の精液を大量に漏らした状態であったのだ。
『ファガス…!!』
『アレン。随分と遅かったのぉ。ファガスは、既にワシのものだ。』
『あ、あんたがファガスをこんなにしたのか!!』
アレンの声は震え、今にも王に殴りかからんばかりだった。
『お主だって、此奴の腹の紋に漬け込んで良い思いをしているではないか?どこが違う?』
『俺が、ファガスを、どんなに大事に、抱いてきたか!!あんたに分かるか!!』
アレンの怒声は窓を震わし、後宮中に響き渡った。そして、ついにアレンは王に殴りかかった。王の顔を二、三発殴り、腰の剣に手を掛けたところで騒ぎを聞き付けた衛兵達がドアから乗り込んできた。
アレンはそいつらも、素手でぼこぼこに殴り倒した。圧倒的な力を見せたアレンであるが、いかんせん相手の数が多かった。
その間に体勢を立て直した王が叫んだ。
『アレン!止まれ!交渉をしようではないか?止まらぬと、ファガスの秘密を国民にばらす。』
その言葉を聞いてアレンがピタリ止まった。
『くそっ…卑怯だぞ…。』
『まぁ、聞け。ワシは世継ぎが欲しいのだ。お前たちでエルフの里にあるという黄金の柘榴をとってこい。それん食べれば身籠ると言われておる。ランスとフィーナに子ができればお前たちを解放してやろう。』
『…どうせ断れないんだろ?…分かった。明日、すぐに発つ。』
『良いだろう。ファガスの腕輪も取ってやる。…だが、忘れるな。私はファガスの秘密を知っている。』
アレンは燃えるような目で王を睨み付けると、先生を手近なシーツで包み、横抱きに抱え、王の前から立ち去った。
****
「ああ!アレン!先生!!ずっと案じておりました」
アレンが先生を抱えて、この部屋にやってきたのは、それから間も無くの事だった。
意識を失っている先生の身体を清め、服も新しい物に着せ替えた。
王による陵辱の後は生々しく、至る所に鬱血の跡があり、叩かれた尻は赤く腫れていた。
「先生…、御いたわしい…。僕が未熟なばっかりに。」
「いや、俺が守りきれなかった…。あんな王に末長く仕えていたなど、情けない…」
つい数日前に積年の想いを伝えた相手が、自分の仕えた王により犯されたのだ。
アレンは見るからに憔悴していた。
アレンの手が先生の頬を撫でる。汗で額についた髪を払い、乾いてしまった唇をなぞった。
「ファガス…」
アレンが名前を囁くと、そこでピクリと先生の瞼が動いた。
「ア、アレンか…?」
目も開くことが出来ないのか、囁く程の声であったが、僅かに指先が動いた。
「ファガス!俺だ!遅くなって、すまなかった…。」
アレンが先生の手をしっかりと握りしめる。
「…き、気にするな…。それよりも…キ、キスを…して、くれ…」
無言でアレンがその唇に口付けると、先生は少しだけ嬉しそうに口角をあげたのだ。
僕たちはその夜寄り添うように、先生を抱きしめて眠ったのだ。
アレンは後宮の入り口を守る衛兵を蹴散らし、中の女達にも目もくれず、頑丈なドアの鍵をぶち壊し、先生の軟禁されている部屋にやってきたのだ。
3日間城中を探し回り、やっとそこに辿り着いたようだ。
しかし、タイミングが良かったとは決して言えない。今し方、王に犯された先生は、お尻から王の精液を大量に漏らした状態であったのだ。
『ファガス…!!』
『アレン。随分と遅かったのぉ。ファガスは、既にワシのものだ。』
『あ、あんたがファガスをこんなにしたのか!!』
アレンの声は震え、今にも王に殴りかからんばかりだった。
『お主だって、此奴の腹の紋に漬け込んで良い思いをしているではないか?どこが違う?』
『俺が、ファガスを、どんなに大事に、抱いてきたか!!あんたに分かるか!!』
アレンの怒声は窓を震わし、後宮中に響き渡った。そして、ついにアレンは王に殴りかかった。王の顔を二、三発殴り、腰の剣に手を掛けたところで騒ぎを聞き付けた衛兵達がドアから乗り込んできた。
アレンはそいつらも、素手でぼこぼこに殴り倒した。圧倒的な力を見せたアレンであるが、いかんせん相手の数が多かった。
その間に体勢を立て直した王が叫んだ。
『アレン!止まれ!交渉をしようではないか?止まらぬと、ファガスの秘密を国民にばらす。』
その言葉を聞いてアレンがピタリ止まった。
『くそっ…卑怯だぞ…。』
『まぁ、聞け。ワシは世継ぎが欲しいのだ。お前たちでエルフの里にあるという黄金の柘榴をとってこい。それん食べれば身籠ると言われておる。ランスとフィーナに子ができればお前たちを解放してやろう。』
『…どうせ断れないんだろ?…分かった。明日、すぐに発つ。』
『良いだろう。ファガスの腕輪も取ってやる。…だが、忘れるな。私はファガスの秘密を知っている。』
アレンは燃えるような目で王を睨み付けると、先生を手近なシーツで包み、横抱きに抱え、王の前から立ち去った。
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「ああ!アレン!先生!!ずっと案じておりました」
アレンが先生を抱えて、この部屋にやってきたのは、それから間も無くの事だった。
意識を失っている先生の身体を清め、服も新しい物に着せ替えた。
王による陵辱の後は生々しく、至る所に鬱血の跡があり、叩かれた尻は赤く腫れていた。
「先生…、御いたわしい…。僕が未熟なばっかりに。」
「いや、俺が守りきれなかった…。あんな王に末長く仕えていたなど、情けない…」
つい数日前に積年の想いを伝えた相手が、自分の仕えた王により犯されたのだ。
アレンは見るからに憔悴していた。
アレンの手が先生の頬を撫でる。汗で額についた髪を払い、乾いてしまった唇をなぞった。
「ファガス…」
アレンが名前を囁くと、そこでピクリと先生の瞼が動いた。
「ア、アレンか…?」
目も開くことが出来ないのか、囁く程の声であったが、僅かに指先が動いた。
「ファガス!俺だ!遅くなって、すまなかった…。」
アレンが先生の手をしっかりと握りしめる。
「…き、気にするな…。それよりも…キ、キスを…して、くれ…」
無言でアレンがその唇に口付けると、先生は少しだけ嬉しそうに口角をあげたのだ。
僕たちはその夜寄り添うように、先生を抱きしめて眠ったのだ。
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