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初1一3 俺と彼氏の「ウブウブ♡ボディガード大作戦」レビュー
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「どお?すっきりした?」
2人で同時に達した後、ゆっくりと握ったブツから手をはなす。
ユウヤのモノも、やっと出し切ったらしく。フニャっとしている。
「変な事させて、悪いな、、、。
もう、大丈夫みたいだ。ありがとう、、。」
ユウヤがそそくさと乱れた衣服を整える。
「あんた、あんまり女とやった事ないの?、、、ずいぶん初だよね?」
「うるせーよ、、。悪いかよ。」
ユウヤが途端に真っ赤になる。茹で蛸のような顔してむくれてる。
「いや、可愛いなと思って。あんた、そんなに綺麗なのに、、、。店にもファン多いじゃん?」
「そういうの、興味ないんだよ。1人でまったりゲームしたり、映画見たりが好きなんだよ。」
もったいない、、、。
若いのに、ずいぶんと落ち着いているというか、枯れているというか、、。
俺が彼氏だったらもっとコイツをいろんな所に連れて行って、楽しいことも(もちろん気持ちことも)、いっぱい教えてやれんのに。
もっとユウヤの笑顔がみたいなぁ。
そこで、フト思い出す。ジャケットのポケットに入りっぱなしだった映画のチケットを。
本来なら、昨日、誘うはずだった映画だけど、今からでも遅くない。
「あ、そうだ。映画のチケットあるんだった。これっ!二枚貰ったんだ。
、、、一緒に、行く?」
「お!あの話題作じゃん!見たかったんだ!行きたい!」
ユウヤがチケットを手にして、笑っている。
ああ、やっと笑顔がみれた。
「まぁ、でも明日だな。あんたの体調が整ってからだ。」
「うん。確かにちょっと疲れたから、、、一旦寝るわ、、、、。ありがとう。マサトさん、居て、よかった、、、。」
ユウヤの目が、トロンと落ちて、そのままソファに横になって、寝てしまう。まぁ、二回も出したら疲れるよな。
あんまり、事件の事を引きずっていない様で良かった。
実際それどころではないのかもしれないが、、。
なにしろ、店の客程度しか面識がない男に裸見られたり、チンコ咥えられたりしてんだからなぁ、、。
身体も、精神も、揺れ幅の多い1日だろう。
結局、ユウヤはそのまま寝続けた。
途中、うなされている様な時もあったが、手を握って、頬を撫でてやると、再び静かな寝息に戻るのであった。
次の日、連れ立って映画に行く。話題の映画という事で、そこそこ混んでいた。
ポップコーンを2人で分けたり、ゲーセンでUFOキャッチャーやったり、なんだかデートみたいで。
「あ、俺、あれ飲む。」
途中のタピオカミルクティー屋でユウヤが反応する。そそくさと、列の最後に並ぶ。
カップルか女の子ばかりの列に10分程並び、タピオカミルクティーを手にしたユウヤはニコニコだった。
女子かな?
女子高生なのかな、この子?
「マサトさんは買わなくて良かったの?」
「俺、甘いの苦手。(でも、甘いのが好きなゆうたんは大好きよ♡)」
「ふーん、美味いのにな。」
ミルクティーをすすりながら、ユウヤがポツリと呟く。
「あー、映画館入って、痴漢に合わなかったの久しぶりだなぁ。」
「え?!何それ?いつも痴漢に遭うの?!」
「うん。電車でも多い。」
マジかよ、、。どんだけ引き寄せちゃってんの?
「あ、そういえば、、、今日は電車でも痴漢に合わなかった、ラッキー!あんたと居ると、運が良くなるな。」
いや、それちがうよ、ゆうたん。
いくらなんでも、痴漢だって彼氏が横に居たら手を出せないからだよ。皆、俺の事、彼氏って勘違いして、寄ってこないだけだよ、、、。
なんて、言えないんだけどさ。
俺、ヘタレだから。
帰りの電車で、ゲーム機を取り出して何やらピコピコやっている。
「何やってんの?それ?」
「ん?ポ○モン。あんたもやってる?」
すげー期待した目で見られだけど、生憎俺は、ゲーム機を持ってない。
あからさまに、ガッカリした顔をされた。
「なんだよ。交換したかったのに。」
どうやら、ユウヤはゲームが好きらしい。さっきもゲーセンで、子供みたいにはしゃいでいたしな。
それならと、駅前の家電量販店に立ち寄って、俺もポ○モンとゲーム機本体を買った。
「俺もやるから、教えて。」
それを口実にユウヤを引き止める。
ニコニコと嬉しそうに、俺に操作を説明してくれる。俺は、本当はそんな画面なんて見てなくて、お前の横顔ばかり眺めていたいよ、、なんて言えない。
「もう、遅いから今日も泊まってけよ。明日、朝、アイツらが店に張ってたら危ないから、俺が送ってけば安心だし。」
そんなのも、勿論口実。なんとかして、ユウヤを側に置いておきたくて。
「そこまで、あんたの世話になるの悪いから、、、。」
「せっかく助けたのに、また襲われたら、こっちが夢見が悪いし。それに、ポケ○ン、全然分からないから、もっと教えて。」
「分かった。少し世話になる。」
そして始まる2人の共同生活。
俺がユウヤを落とすまで、あと数日。
****
結局、俺はマサトの家に暫く厄介になることにした。
朝、マサトが一緒に電車に乗って店までついてきてくれる。
そして、夜はシフトが終わる時間に迎えにきてくれる。
なんだか付き合ってるカップルみたいだな、、と思ってしまう。
朝の満員電車の中では、背の高いマサトが俺を庇う様に後ろに立ってくれるからか、毎日にように合っていた痴漢もピタリと止んだ。
それは、嬉しいのだが、満員電車でマサトとの距離が異様に近くなってしまうのが、なんだかドキドキしてしまう。
身体が密着したり、顔が近かったり。
彼の心臓の音や息遣いが聞こえる程で。
(なんで、俺、こんなにドキドキしてんだ?、、、しかし、間近で見ると、つくづく男前だよな。女の子だったらイチコロだろうな。)
そして、迎えの時間には、少し早く来て、店内でコーヒーを飲んで待っている。
目が合うと、ニッコリ笑って手をヒラヒラ振ってくる。
嬉しいけど、働いている姿をずっと目で追われているようで、少し緊張する。
シフトが終わると、裏口でマサトが出迎えてくれる。
「お疲れさん♡」
そんなイケボで言われたら、女子じゃなくても、トキメクじゃん、、。
帰りは、2人でコンビニに寄って、弁当やビールを買い、ポケ○ンしながら晩酌する。
上京して友達と離れてしまった俺にとって、そんな生活は久しぶりで、凄く楽しい生活だった。
****
3日程そんな生活を続けた夜、事件が起こる。
いつものように夜のシフトが終わり、マサトと帰る。
店を出ると、マサトが妙に近寄ってきて、小声で耳打ちする。
「ユウヤ、あいつらだ。バレないように、彼女の振りしろ。」
マサトに腰を引き寄せられる。
そして、
「まくぞ」
早足で歩き、路地を曲がり、電柱の影で立ち止まる。アイツらがまだ来ないことを確認すると、マサトはコートを脱ぎ、俺に着せる。
「なっ、、何すんだ?」
「しっ!黙っとけ!!」
お喋りを小声で制される。
そして、次の瞬間、
俺は、壁に押し倒され、
マサトの顔が迫ってきて、
そして、、、、
唇が合わさる。
ん、!、、(はむっ)ふぐっ、、あっ、、んんっ、、(くちゅっ、、)
その後ろを見た事のある2人組が走り去っていった。
暫くそのままで、
2人組の足音が消えるまで、
唇が合わさったままで、、、、。
やっとマサトの唇が離れた時は、俺の腰は立たなくなっていて、、、。
「あ、すまない。顔を隠そうと思って、、、。大丈夫?立てる?アイツらお前を襲った奴らだろ?」
俺は、頷くことしかできなくて。
ドキドキした。
キスなんて、子供の頃に遊びみたいなキスをした以来で。
あんなに長くて、大人なキスなんて初めてで。
「ばっ、ばか!!急に何すんだよ、、。」
次に繋ぐ言葉が見つからず、悪態をつく。そのくせ、俺は腰がフラフラになっちゃったから、マサトの腕にしがみかないと歩けなくて、全くダラシないんだけど。
次の日の帰りも、またアイツらが居るかもしれないからと、カモフラージュの為に、手を繋ぎながら帰るという。
マサトのコートを羽織らされ、髪を下ろす。コートから漂うマサトの匂いが鼻腔をつく。なんだろ、爽やかな香水の匂い。
「ほら、手寄越せ。」
手を握られる。普通のじゃなくて、俗に言う恋人繋ぎってやつ。
寒いと、呟いたら、手を繋いだまま、マサトのジャケットのポッケに誘導され、中で、さらにギュッと握られる。
「、、、なにも、恋人繋ぎじゃなくても。」
「ばか、こういうのはリアリティが大事♡」
「、、、そういうもんなん?こんな所、彼女に見られたら、誤解されるだろ?」
「ん?俺、彼女居ないし。
っーか、俺、ゲイだし。あ、お前、自分でちゃんとガードしてね。」
?!、、、うそ。この状況で、そんな事カミングアウトしないでよ、、。
手、離せないじゃんか、、、。カモフラージュなんだから。
そして、その夜、お礼を兼ねて料理を作った。
さすがに、俺も連日コンビニ弁当は飽きるしね。
「お前、料理できんのすげ~な!!」
マサトは、料理がダメみたいで、ずっと外食やコンビニらしく、すごく感謝された。
居候の身としては、何か役に立ちたいし。
コンビニで買ったちょっとした材料しかないけど、簡単なものなら作れる。
料理を作っている間、マサトが興味深げに手元を覗いてくる。
「へー、包丁も上手だなー!!お、カニカマ、ちょっと頂戴。」
なんて言いながら、後ろから腰を掴み、俺の肩に顎を乗せてくる。
また身体が密着する。マサトの香水の匂い、嫌いじゃない。
マサトの手が、さらに前に周り、まるで後ろから抱きしめられているみたいになる。
喉が、急にカラカラになる。
心臓だって、途端にドキドキと大きな音を立て始める。
「あーん。ユウヤ、口にカニカマ入れてよ。」
耳元でマサトが囁く。
声が上手くでない。
「っ、、、包丁使ってる時、ちかづいたら危ないだろっ、、、。」
なんとか、それだけの言葉を絞り出す。
「、、、じゃあ、包丁、使ってない時なら、いいの?」
マサトが俺の手から、静かに包丁を奪って、流しに置く。
「ほら、もう、包丁使ってない、、。」
マサトに正面を向けられて、顎を掴まれる。
「包丁使ってないなら、この前の続きしてもいいの?」
マサトの目が俺を射抜き、唇が降りてくる。
そして、ギリギリで止まる。
「ダメ?ダメなら、跳ね除けて。俺、言ったろ?俺、ゲイだから、自分でガードしろって。」
分からない。
分からないけど、イヤでは無い気がする。
「跳ね除けないの?ダメじゃないの、、、?」
マサトの唇が俺の唇をかすめる。
「ほら、跳ね除けないと、キスしちゃうよ、、、。俺、もう、止まんないよ。」
腰が引き寄せられ、唇が合わさる。
クチュ、、、ハムっ、、チュッ、、
はぁン♡、、チュッ、、んん、、!
(ああっ、、!俺、マサトとキスしてる、、。カモフラージュじゃない、本当のやつ、、、。早く、拒否しないと、、、。男同士なのに、、、。なんで、俺、、。)
「ユウヤ、可愛い。ごめんね、強引で。可愛いくて、止められない、、。」
舌で歯をこじ開けられ、口内も愛撫される。
股の間にマサトの脚が入ってくる。腰が更に密着する。
(あっ、、!マサト、勃ってる。俺で、興奮してるの?俺で、こんなに硬くしてんの?)
嫌じゃなかった。寧ろ嬉しかった。
大人になって、誰かをこんなに近づけて、受け入れたのは初めてかもしれない。
マサトが、知らず知らずの内に、俺の心に寄り添って、ガードをかい潜り、俺の素の心を優しく抱いてくれている。
「あんた、、、下、硬くなってる。
興奮してんの?俺で?」
「ユウヤだって、おっ勃ってるぜ?」
「こんな事されたら、誰だって、、」
「それはどうかな?普通は、萎える。
ねぇ、その反応、俺、期待してもいい?」
マサトの手がより大胆になる。腰から尻に落ち、尻たぶを強く揉み込む。
前は脚でグリグリと刺激され、挟み込まれる。
「んっ、、はぁっ、、、ケツ触んなぁ。」
逃げる様に、マサトに背を向ける。すると、今度は背面から捉えられる。
「ごめん、お尻イヤだった?じゃあ、ここは?」
マサトの手が後ろからシャツの中に入り込み胸の突起に触れる。
「!?、、んああっ!!」
マサトに触られた所に、電撃が走る。
尻にマサトの勃起したモノが当たり、あたかも交尾しているかのように、擦り付けられる。
「ほら、早く跳ね除けないと。そんなイイ声出してたら、俺、本当に止まらなくなる。」
跳ね除けたいが、力がはいらない。マサトに触られている所が熱くてたまらない。
クニクニ、、、あっ、、ちょっ、、
ユウヤ、、はぁ、、かわいい、、、
あひぃ、、、、もっ、、あんっ、
ね?きもちい?、、腰ゆれてる、、
あっ、、もぅ、、だめぇ、、、
すげっ、可愛い声、、。ユウヤのかんじてる声可愛い、、
か、かんじてない、、、んっ、、
いつの間にか、乳首を弄る手が増えていて、両乳首をコリコリと嬲られていた。
これ以上は、本当に後に引けなくなる。溶けそうになる意識を総動員して、マサトを押しやる。
「も、、やめろ、、、。」
マサトがハッとした顔をして、悲しそうに、離れてゆく。
「ユウヤ、、、ごめん。俺、ズルくて、ごめんな。俺だってアイツらと、全然変わらないな。でも、好きだ。ずっと前から。」
マサトが、耳に、首筋に、唇を這わせながら呟く。
「マサト。俺、分からない。分からないよ、、、。男同士とか、そういうの。」
「分からくてもいいよ。ユウヤのボディガードでも、友達でも、同居人でも、なんでもいいから。側に居させて。」
マサトの眉が切なげに寄る。手の甲で頬を撫でられる。
「付き合うとか、そういうのよく分からないけど、、、。マサトと居ると楽しいし、なんか安心する。だから、明日からも、おまえと一緒に居たいよ。」
「ゆうや、、、側に居ても、いいのか?俺、また襲っちまうかもしれないぜ、、、」
「本当にダメな時は、あんたちゃんと止めてくれるから、大丈夫かな、、。」
先程の行為を許すと言う事は、その先もあるという事も分かっているはずなのに。
そんな曖昧な言い方で、俺は、、、。
「さぁ、飯食たべよ。」
空気を強引に変える為に、無理矢理日常に戻る。
そして、俺達はいつも通りゲームして、それぞれの居場所で眠りについた。
俺はソファで寝て、マサトは向こうの部屋で。
心臓がドキドキして眠れなくて、自然と股間に手がいく。
さっきのマサトのキスが頭から離れない。
マサトの顔を、唇の感触を思い出す。
握ってくれた大きな手、爽やかなウッド系の香水の香り。
「マサト、、、。」
彼の名を呼べば、尚更切ない。
自然と、布団に股間を擦り付けてしまい、声が漏れ出る。
でも、ここで下を弄ってしまったら、何故かいけない気がして、ひたすら熱が冷めるのを待つ。
ふと顔を上げれば、マサトの部屋の電気もまだ点いていて、部屋から俺の名前を呟く声が聞こえる。
どうして、あの時俺はキスを完全に拒まなかったのだろうか。
ごめんなさい。
あんたを跳ね除けることも、受け入れる事もできなくて。
2人で同時に達した後、ゆっくりと握ったブツから手をはなす。
ユウヤのモノも、やっと出し切ったらしく。フニャっとしている。
「変な事させて、悪いな、、、。
もう、大丈夫みたいだ。ありがとう、、。」
ユウヤがそそくさと乱れた衣服を整える。
「あんた、あんまり女とやった事ないの?、、、ずいぶん初だよね?」
「うるせーよ、、。悪いかよ。」
ユウヤが途端に真っ赤になる。茹で蛸のような顔してむくれてる。
「いや、可愛いなと思って。あんた、そんなに綺麗なのに、、、。店にもファン多いじゃん?」
「そういうの、興味ないんだよ。1人でまったりゲームしたり、映画見たりが好きなんだよ。」
もったいない、、、。
若いのに、ずいぶんと落ち着いているというか、枯れているというか、、。
俺が彼氏だったらもっとコイツをいろんな所に連れて行って、楽しいことも(もちろん気持ちことも)、いっぱい教えてやれんのに。
もっとユウヤの笑顔がみたいなぁ。
そこで、フト思い出す。ジャケットのポケットに入りっぱなしだった映画のチケットを。
本来なら、昨日、誘うはずだった映画だけど、今からでも遅くない。
「あ、そうだ。映画のチケットあるんだった。これっ!二枚貰ったんだ。
、、、一緒に、行く?」
「お!あの話題作じゃん!見たかったんだ!行きたい!」
ユウヤがチケットを手にして、笑っている。
ああ、やっと笑顔がみれた。
「まぁ、でも明日だな。あんたの体調が整ってからだ。」
「うん。確かにちょっと疲れたから、、、一旦寝るわ、、、、。ありがとう。マサトさん、居て、よかった、、、。」
ユウヤの目が、トロンと落ちて、そのままソファに横になって、寝てしまう。まぁ、二回も出したら疲れるよな。
あんまり、事件の事を引きずっていない様で良かった。
実際それどころではないのかもしれないが、、。
なにしろ、店の客程度しか面識がない男に裸見られたり、チンコ咥えられたりしてんだからなぁ、、。
身体も、精神も、揺れ幅の多い1日だろう。
結局、ユウヤはそのまま寝続けた。
途中、うなされている様な時もあったが、手を握って、頬を撫でてやると、再び静かな寝息に戻るのであった。
次の日、連れ立って映画に行く。話題の映画という事で、そこそこ混んでいた。
ポップコーンを2人で分けたり、ゲーセンでUFOキャッチャーやったり、なんだかデートみたいで。
「あ、俺、あれ飲む。」
途中のタピオカミルクティー屋でユウヤが反応する。そそくさと、列の最後に並ぶ。
カップルか女の子ばかりの列に10分程並び、タピオカミルクティーを手にしたユウヤはニコニコだった。
女子かな?
女子高生なのかな、この子?
「マサトさんは買わなくて良かったの?」
「俺、甘いの苦手。(でも、甘いのが好きなゆうたんは大好きよ♡)」
「ふーん、美味いのにな。」
ミルクティーをすすりながら、ユウヤがポツリと呟く。
「あー、映画館入って、痴漢に合わなかったの久しぶりだなぁ。」
「え?!何それ?いつも痴漢に遭うの?!」
「うん。電車でも多い。」
マジかよ、、。どんだけ引き寄せちゃってんの?
「あ、そういえば、、、今日は電車でも痴漢に合わなかった、ラッキー!あんたと居ると、運が良くなるな。」
いや、それちがうよ、ゆうたん。
いくらなんでも、痴漢だって彼氏が横に居たら手を出せないからだよ。皆、俺の事、彼氏って勘違いして、寄ってこないだけだよ、、、。
なんて、言えないんだけどさ。
俺、ヘタレだから。
帰りの電車で、ゲーム機を取り出して何やらピコピコやっている。
「何やってんの?それ?」
「ん?ポ○モン。あんたもやってる?」
すげー期待した目で見られだけど、生憎俺は、ゲーム機を持ってない。
あからさまに、ガッカリした顔をされた。
「なんだよ。交換したかったのに。」
どうやら、ユウヤはゲームが好きらしい。さっきもゲーセンで、子供みたいにはしゃいでいたしな。
それならと、駅前の家電量販店に立ち寄って、俺もポ○モンとゲーム機本体を買った。
「俺もやるから、教えて。」
それを口実にユウヤを引き止める。
ニコニコと嬉しそうに、俺に操作を説明してくれる。俺は、本当はそんな画面なんて見てなくて、お前の横顔ばかり眺めていたいよ、、なんて言えない。
「もう、遅いから今日も泊まってけよ。明日、朝、アイツらが店に張ってたら危ないから、俺が送ってけば安心だし。」
そんなのも、勿論口実。なんとかして、ユウヤを側に置いておきたくて。
「そこまで、あんたの世話になるの悪いから、、、。」
「せっかく助けたのに、また襲われたら、こっちが夢見が悪いし。それに、ポケ○ン、全然分からないから、もっと教えて。」
「分かった。少し世話になる。」
そして始まる2人の共同生活。
俺がユウヤを落とすまで、あと数日。
****
結局、俺はマサトの家に暫く厄介になることにした。
朝、マサトが一緒に電車に乗って店までついてきてくれる。
そして、夜はシフトが終わる時間に迎えにきてくれる。
なんだか付き合ってるカップルみたいだな、、と思ってしまう。
朝の満員電車の中では、背の高いマサトが俺を庇う様に後ろに立ってくれるからか、毎日にように合っていた痴漢もピタリと止んだ。
それは、嬉しいのだが、満員電車でマサトとの距離が異様に近くなってしまうのが、なんだかドキドキしてしまう。
身体が密着したり、顔が近かったり。
彼の心臓の音や息遣いが聞こえる程で。
(なんで、俺、こんなにドキドキしてんだ?、、、しかし、間近で見ると、つくづく男前だよな。女の子だったらイチコロだろうな。)
そして、迎えの時間には、少し早く来て、店内でコーヒーを飲んで待っている。
目が合うと、ニッコリ笑って手をヒラヒラ振ってくる。
嬉しいけど、働いている姿をずっと目で追われているようで、少し緊張する。
シフトが終わると、裏口でマサトが出迎えてくれる。
「お疲れさん♡」
そんなイケボで言われたら、女子じゃなくても、トキメクじゃん、、。
帰りは、2人でコンビニに寄って、弁当やビールを買い、ポケ○ンしながら晩酌する。
上京して友達と離れてしまった俺にとって、そんな生活は久しぶりで、凄く楽しい生活だった。
****
3日程そんな生活を続けた夜、事件が起こる。
いつものように夜のシフトが終わり、マサトと帰る。
店を出ると、マサトが妙に近寄ってきて、小声で耳打ちする。
「ユウヤ、あいつらだ。バレないように、彼女の振りしろ。」
マサトに腰を引き寄せられる。
そして、
「まくぞ」
早足で歩き、路地を曲がり、電柱の影で立ち止まる。アイツらがまだ来ないことを確認すると、マサトはコートを脱ぎ、俺に着せる。
「なっ、、何すんだ?」
「しっ!黙っとけ!!」
お喋りを小声で制される。
そして、次の瞬間、
俺は、壁に押し倒され、
マサトの顔が迫ってきて、
そして、、、、
唇が合わさる。
ん、!、、(はむっ)ふぐっ、、あっ、、んんっ、、(くちゅっ、、)
その後ろを見た事のある2人組が走り去っていった。
暫くそのままで、
2人組の足音が消えるまで、
唇が合わさったままで、、、、。
やっとマサトの唇が離れた時は、俺の腰は立たなくなっていて、、、。
「あ、すまない。顔を隠そうと思って、、、。大丈夫?立てる?アイツらお前を襲った奴らだろ?」
俺は、頷くことしかできなくて。
ドキドキした。
キスなんて、子供の頃に遊びみたいなキスをした以来で。
あんなに長くて、大人なキスなんて初めてで。
「ばっ、ばか!!急に何すんだよ、、。」
次に繋ぐ言葉が見つからず、悪態をつく。そのくせ、俺は腰がフラフラになっちゃったから、マサトの腕にしがみかないと歩けなくて、全くダラシないんだけど。
次の日の帰りも、またアイツらが居るかもしれないからと、カモフラージュの為に、手を繋ぎながら帰るという。
マサトのコートを羽織らされ、髪を下ろす。コートから漂うマサトの匂いが鼻腔をつく。なんだろ、爽やかな香水の匂い。
「ほら、手寄越せ。」
手を握られる。普通のじゃなくて、俗に言う恋人繋ぎってやつ。
寒いと、呟いたら、手を繋いだまま、マサトのジャケットのポッケに誘導され、中で、さらにギュッと握られる。
「、、、なにも、恋人繋ぎじゃなくても。」
「ばか、こういうのはリアリティが大事♡」
「、、、そういうもんなん?こんな所、彼女に見られたら、誤解されるだろ?」
「ん?俺、彼女居ないし。
っーか、俺、ゲイだし。あ、お前、自分でちゃんとガードしてね。」
?!、、、うそ。この状況で、そんな事カミングアウトしないでよ、、。
手、離せないじゃんか、、、。カモフラージュなんだから。
そして、その夜、お礼を兼ねて料理を作った。
さすがに、俺も連日コンビニ弁当は飽きるしね。
「お前、料理できんのすげ~な!!」
マサトは、料理がダメみたいで、ずっと外食やコンビニらしく、すごく感謝された。
居候の身としては、何か役に立ちたいし。
コンビニで買ったちょっとした材料しかないけど、簡単なものなら作れる。
料理を作っている間、マサトが興味深げに手元を覗いてくる。
「へー、包丁も上手だなー!!お、カニカマ、ちょっと頂戴。」
なんて言いながら、後ろから腰を掴み、俺の肩に顎を乗せてくる。
また身体が密着する。マサトの香水の匂い、嫌いじゃない。
マサトの手が、さらに前に周り、まるで後ろから抱きしめられているみたいになる。
喉が、急にカラカラになる。
心臓だって、途端にドキドキと大きな音を立て始める。
「あーん。ユウヤ、口にカニカマ入れてよ。」
耳元でマサトが囁く。
声が上手くでない。
「っ、、、包丁使ってる時、ちかづいたら危ないだろっ、、、。」
なんとか、それだけの言葉を絞り出す。
「、、、じゃあ、包丁、使ってない時なら、いいの?」
マサトが俺の手から、静かに包丁を奪って、流しに置く。
「ほら、もう、包丁使ってない、、。」
マサトに正面を向けられて、顎を掴まれる。
「包丁使ってないなら、この前の続きしてもいいの?」
マサトの目が俺を射抜き、唇が降りてくる。
そして、ギリギリで止まる。
「ダメ?ダメなら、跳ね除けて。俺、言ったろ?俺、ゲイだから、自分でガードしろって。」
分からない。
分からないけど、イヤでは無い気がする。
「跳ね除けないの?ダメじゃないの、、、?」
マサトの唇が俺の唇をかすめる。
「ほら、跳ね除けないと、キスしちゃうよ、、、。俺、もう、止まんないよ。」
腰が引き寄せられ、唇が合わさる。
クチュ、、、ハムっ、、チュッ、、
はぁン♡、、チュッ、、んん、、!
(ああっ、、!俺、マサトとキスしてる、、。カモフラージュじゃない、本当のやつ、、、。早く、拒否しないと、、、。男同士なのに、、、。なんで、俺、、。)
「ユウヤ、可愛い。ごめんね、強引で。可愛いくて、止められない、、。」
舌で歯をこじ開けられ、口内も愛撫される。
股の間にマサトの脚が入ってくる。腰が更に密着する。
(あっ、、!マサト、勃ってる。俺で、興奮してるの?俺で、こんなに硬くしてんの?)
嫌じゃなかった。寧ろ嬉しかった。
大人になって、誰かをこんなに近づけて、受け入れたのは初めてかもしれない。
マサトが、知らず知らずの内に、俺の心に寄り添って、ガードをかい潜り、俺の素の心を優しく抱いてくれている。
「あんた、、、下、硬くなってる。
興奮してんの?俺で?」
「ユウヤだって、おっ勃ってるぜ?」
「こんな事されたら、誰だって、、」
「それはどうかな?普通は、萎える。
ねぇ、その反応、俺、期待してもいい?」
マサトの手がより大胆になる。腰から尻に落ち、尻たぶを強く揉み込む。
前は脚でグリグリと刺激され、挟み込まれる。
「んっ、、はぁっ、、、ケツ触んなぁ。」
逃げる様に、マサトに背を向ける。すると、今度は背面から捉えられる。
「ごめん、お尻イヤだった?じゃあ、ここは?」
マサトの手が後ろからシャツの中に入り込み胸の突起に触れる。
「!?、、んああっ!!」
マサトに触られた所に、電撃が走る。
尻にマサトの勃起したモノが当たり、あたかも交尾しているかのように、擦り付けられる。
「ほら、早く跳ね除けないと。そんなイイ声出してたら、俺、本当に止まらなくなる。」
跳ね除けたいが、力がはいらない。マサトに触られている所が熱くてたまらない。
クニクニ、、、あっ、、ちょっ、、
ユウヤ、、はぁ、、かわいい、、、
あひぃ、、、、もっ、、あんっ、
ね?きもちい?、、腰ゆれてる、、
あっ、、もぅ、、だめぇ、、、
すげっ、可愛い声、、。ユウヤのかんじてる声可愛い、、
か、かんじてない、、、んっ、、
いつの間にか、乳首を弄る手が増えていて、両乳首をコリコリと嬲られていた。
これ以上は、本当に後に引けなくなる。溶けそうになる意識を総動員して、マサトを押しやる。
「も、、やめろ、、、。」
マサトがハッとした顔をして、悲しそうに、離れてゆく。
「ユウヤ、、、ごめん。俺、ズルくて、ごめんな。俺だってアイツらと、全然変わらないな。でも、好きだ。ずっと前から。」
マサトが、耳に、首筋に、唇を這わせながら呟く。
「マサト。俺、分からない。分からないよ、、、。男同士とか、そういうの。」
「分からくてもいいよ。ユウヤのボディガードでも、友達でも、同居人でも、なんでもいいから。側に居させて。」
マサトの眉が切なげに寄る。手の甲で頬を撫でられる。
「付き合うとか、そういうのよく分からないけど、、、。マサトと居ると楽しいし、なんか安心する。だから、明日からも、おまえと一緒に居たいよ。」
「ゆうや、、、側に居ても、いいのか?俺、また襲っちまうかもしれないぜ、、、」
「本当にダメな時は、あんたちゃんと止めてくれるから、大丈夫かな、、。」
先程の行為を許すと言う事は、その先もあるという事も分かっているはずなのに。
そんな曖昧な言い方で、俺は、、、。
「さぁ、飯食たべよ。」
空気を強引に変える為に、無理矢理日常に戻る。
そして、俺達はいつも通りゲームして、それぞれの居場所で眠りについた。
俺はソファで寝て、マサトは向こうの部屋で。
心臓がドキドキして眠れなくて、自然と股間に手がいく。
さっきのマサトのキスが頭から離れない。
マサトの顔を、唇の感触を思い出す。
握ってくれた大きな手、爽やかなウッド系の香水の香り。
「マサト、、、。」
彼の名を呼べば、尚更切ない。
自然と、布団に股間を擦り付けてしまい、声が漏れ出る。
でも、ここで下を弄ってしまったら、何故かいけない気がして、ひたすら熱が冷めるのを待つ。
ふと顔を上げれば、マサトの部屋の電気もまだ点いていて、部屋から俺の名前を呟く声が聞こえる。
どうして、あの時俺はキスを完全に拒まなかったのだろうか。
ごめんなさい。
あんたを跳ね除けることも、受け入れる事もできなくて。
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