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25 マサトとピーちゃん 3
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バサバサッ!
「クルッポー!!」
「ピィ♡」
窓の外から二羽の鳥達がこちらに向かって飛んでくるのが見える。
「あっ!ユウヤさん!ピーちゃんとマーちゃんですわ♡良かった、無事戻ってきてくれて♡」
桃香さんが、嬉しそうに窓に駆け寄った。
開け放たれた窓から入ってきた二羽が、部屋の中に降り立った。
「ピーチャン♡オカエリー♡ピーチャン、エライッ♡」
「クルッポ、、、。」
ピーちゃんがすこぶるご機嫌であるとこれを見ると、マサトのエスコートは上手く行ったらしい。
逆にマサトは、憔悴しきっているようで、なかなか大変だった模様だ。
あたかも、彼女のショッピングに散々付き合わされた後の男のようだ。
戻ってきた二羽のテンションの違いが非常に興味深かった。
「さあ、ピーちゃん、カゴの中に入ってね。」
桃香さんが、鳥籠のドアを開けるが、ピーちゃんは中に入ろうとしない。
「ピーちゃん?どうしたの?ピーちゃんのお部屋には美味しいご飯もお水も有るのよ。大好きな止まり木もあるでしょ?
、、、おかしいわ。いつもお部屋の中で遊ばせたあとも、籠のドアを開ければ、すぐ中に入るのに。」
桃香さんが不思議がっていると、その答えはピーちゃん本人が教えてくれたのだ。
「ピーチャン ケッコン♡マーチャント ケッコーン♡オトーサンニ アッタネー。イッショニ スムネー♡♡」
「「え、ええーっ!!」」
「ク、クルッポーー!!」
ピーちゃん以外の人間二人と鳩一匹が、同時に叫んだのだ。
そして、その直後、当事者の鳩が泡を吹いて倒れたのだ。
「う、うわーーー!まさ、、いや、マーちゃん!大丈夫かーっ!!」
「ピーちゃん、お父さんに会ってきたの?!お父さん、元気にしてた??」
俺と桃香さんが、それぞれの鳥に詰め寄る。
マサトは目を回しているが、脈はあるので大丈夫そうだ。
何故、ピーちゃんがマサトと結婚した気になっているか、非常に気になるところではあるが、桃香さんのお父さんの様子も気になる。
「オトーサン サミシー サミシー。モモカ アイタイヨー。カメラ イッパイ 。コマッタヨー!」
ピーちゃんの片言の人間語でなんとなく状況は分かった。
「お父さんに最近会えなくて、、、。私も会社に入る事ができなくなってしまったんです。お父さんに連絡しても、研究が忙しいとかで、、、。」
「成る程、どうやら研究も佳境に入り、秘密漏洩を恐れているのかもしれません。
しかし、鳥達は、今日お父さんに会えました。お父さんを助け出す方法はあるかもしれません。」
「ゆうやさん、、、、。父はどうしてしまったのでしょうか。以前は忙しいとはいえ、休みくらいは家族に顔を見せてくれたのに、、。」
桃香さんの目が涙で滲む。
ボスからの指示で、彼女を巻き込まないように、情報を漏らさないようにしてきたのだが、彼女にだってある程度は知る権利があるだろう。
俺は、今までの情報をかいつまんで彼女に話した。
「桃香さん、どうやらお父さんの研究は、なかなか危ない薬らしく、、組織的に軟禁状態にあるのです、、。」
「父が、そんな危険な薬の開発に携わっていたなんて、、、。」
彼女の顔はまだ不安気なままだ。
「大丈夫です。お父さんは我々が助け出します。」
すると、その言葉を理解したのか分からないが、ピーちゃんが突然鳴き出した、
「オトーサン、モモカ、ダイスキヨー♡ピーチャント オナジクライ ダイスキヨー♡」
「ピーちゃん、、。」
「ああ、そう言えば、ピーちゃんの名前の由来は、桃香さんの桃、ピーチから来ているみたいですよ。ウチの鳩が言ってました。」
「ああ、、ゆうやさん、、。父をよろしくお願いします。」
「クルッポーーー」
マサト鳩が返事をするように一声鳴くと、桃香さんが、笑顔に戻ったのだ。
「クルッポー!!」
「ピィ♡」
窓の外から二羽の鳥達がこちらに向かって飛んでくるのが見える。
「あっ!ユウヤさん!ピーちゃんとマーちゃんですわ♡良かった、無事戻ってきてくれて♡」
桃香さんが、嬉しそうに窓に駆け寄った。
開け放たれた窓から入ってきた二羽が、部屋の中に降り立った。
「ピーチャン♡オカエリー♡ピーチャン、エライッ♡」
「クルッポ、、、。」
ピーちゃんがすこぶるご機嫌であるとこれを見ると、マサトのエスコートは上手く行ったらしい。
逆にマサトは、憔悴しきっているようで、なかなか大変だった模様だ。
あたかも、彼女のショッピングに散々付き合わされた後の男のようだ。
戻ってきた二羽のテンションの違いが非常に興味深かった。
「さあ、ピーちゃん、カゴの中に入ってね。」
桃香さんが、鳥籠のドアを開けるが、ピーちゃんは中に入ろうとしない。
「ピーちゃん?どうしたの?ピーちゃんのお部屋には美味しいご飯もお水も有るのよ。大好きな止まり木もあるでしょ?
、、、おかしいわ。いつもお部屋の中で遊ばせたあとも、籠のドアを開ければ、すぐ中に入るのに。」
桃香さんが不思議がっていると、その答えはピーちゃん本人が教えてくれたのだ。
「ピーチャン ケッコン♡マーチャント ケッコーン♡オトーサンニ アッタネー。イッショニ スムネー♡♡」
「「え、ええーっ!!」」
「ク、クルッポーー!!」
ピーちゃん以外の人間二人と鳩一匹が、同時に叫んだのだ。
そして、その直後、当事者の鳩が泡を吹いて倒れたのだ。
「う、うわーーー!まさ、、いや、マーちゃん!大丈夫かーっ!!」
「ピーちゃん、お父さんに会ってきたの?!お父さん、元気にしてた??」
俺と桃香さんが、それぞれの鳥に詰め寄る。
マサトは目を回しているが、脈はあるので大丈夫そうだ。
何故、ピーちゃんがマサトと結婚した気になっているか、非常に気になるところではあるが、桃香さんのお父さんの様子も気になる。
「オトーサン サミシー サミシー。モモカ アイタイヨー。カメラ イッパイ 。コマッタヨー!」
ピーちゃんの片言の人間語でなんとなく状況は分かった。
「お父さんに最近会えなくて、、、。私も会社に入る事ができなくなってしまったんです。お父さんに連絡しても、研究が忙しいとかで、、、。」
「成る程、どうやら研究も佳境に入り、秘密漏洩を恐れているのかもしれません。
しかし、鳥達は、今日お父さんに会えました。お父さんを助け出す方法はあるかもしれません。」
「ゆうやさん、、、、。父はどうしてしまったのでしょうか。以前は忙しいとはいえ、休みくらいは家族に顔を見せてくれたのに、、。」
桃香さんの目が涙で滲む。
ボスからの指示で、彼女を巻き込まないように、情報を漏らさないようにしてきたのだが、彼女にだってある程度は知る権利があるだろう。
俺は、今までの情報をかいつまんで彼女に話した。
「桃香さん、どうやらお父さんの研究は、なかなか危ない薬らしく、、組織的に軟禁状態にあるのです、、。」
「父が、そんな危険な薬の開発に携わっていたなんて、、、。」
彼女の顔はまだ不安気なままだ。
「大丈夫です。お父さんは我々が助け出します。」
すると、その言葉を理解したのか分からないが、ピーちゃんが突然鳴き出した、
「オトーサン、モモカ、ダイスキヨー♡ピーチャント オナジクライ ダイスキヨー♡」
「ピーちゃん、、。」
「ああ、そう言えば、ピーちゃんの名前の由来は、桃香さんの桃、ピーチから来ているみたいですよ。ウチの鳩が言ってました。」
「ああ、、ゆうやさん、、。父をよろしくお願いします。」
「クルッポーーー」
マサト鳩が返事をするように一声鳴くと、桃香さんが、笑顔に戻ったのだ。
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