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10 ピーちゃん
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「それがさ、桃香さんのお父さんは、遺伝子組換え薬の研究をやらされてるみたいだぞ。
ピーちゃんはその実験台だったみたいなんだ。」
ピーナッツをボリボリ噛みながらマサトがインコのピーちゃんと話した事を教えてくれた。
こいつは、前はピーナッツはあんまり好きじゃなかったみたいだが、ハト態の時に摘んだら美味しかったらしく、最近では、人間状態の時もよく食べているのだ。
まあ、それは良いとして、マサトの情報は確かだろうが、一つ疑問も残る。
「うむ。確かに、そいつは、ヤバそうな薬だ、、、。施設があれだけ厳重であるのも納得できる。
でもさ、動物なんて他にも一杯いるわけだろ?なんで、ピーちゃんだけ桃香さんの家に連れてこられたわけさ??」
「あー、そういえば、そうだなぁ。ピーちゃんは、他の動物達がどうなったか心配してたなぁ。
でも、とにかく、お父さんはピーちゃんの事をすごく大切にしていたらしくて、よく話しかけてくれたり、言葉を教えてくれたって言ってた。」
マサトがピーナッツを上に放り投げては食べ、投げては食べを繰り返しながら話しを続ける。
投げられたピーナッツは、時々鼻に当たったり、頬に当たったりして半分は口に入らない。
そのせいで、気が散ってしまい、マサトの話の半分が頭に入らない。
「へぇ、人間の言葉ねぇ。ほかに何かピーちゃん言ってなかったの?」
「ちょっと女性アレルギーが発動したから、それ以上はあまり話せなかったけど、なんか、数字とアルファベットの羅列を覚えさせられたとか言ってたなぁ。」
どうやらマサトの女性アレルギーはハト態になっても健在らしく、ピーちゃん相手にカユカユが出たらしい。
ハト態でも、イケメンはイケメンのままらしく、ピーちゃんにも惚れられてしまい、無駄に距離を縮められたらしい。
「文字の羅列ねぇ。計算式とか?」
「えー、なんかパスワードとか?」
マサトがビールを煽りながら呟く。
「うおっ!!そうじゃん!なんかその薬のデータのパスワードなんじゃないか?!
だから、桃香さんの元彼もピーちゃんを狙ったんだ!!」
「おお、、、!流石、俺!めっちゃ冴えてる!」
「桃香さんに思い当たるデータがないか、次回聞いてみよう。」
息巻く俺を尻目にマサトは気乗りしない風だ。
「えー、次は、ゆうやが行ってくれよー。部屋に、ピーちゃんも桃香さんも居たら、カユカユがどうなるか分からないよ。」
情け無い顔をして、マサトが机の上に突っ伏した。成る程、人間態でもハト態でも女性に迫られたら逃げ場がないものな。
少し相方に同情しつつも、もう少ししっかりしてもらわないと、いつまで経っても、完全に人間に戻れないではないか。
「しょうがないなぁ。お前、少しは女性を克服しろよー。人類の半分は女性、鳥類の半分は雌だぞ、、、。」
思い出しただけで、カユカユを再発しそうになっている相方に呆れつつ、なんとかしてやりたいとビールを飲みながら思案したのであった。
(一度ボスにでも相談してみるか。なんとかしてくれるかもしれない。)
ピーちゃんはその実験台だったみたいなんだ。」
ピーナッツをボリボリ噛みながらマサトがインコのピーちゃんと話した事を教えてくれた。
こいつは、前はピーナッツはあんまり好きじゃなかったみたいだが、ハト態の時に摘んだら美味しかったらしく、最近では、人間状態の時もよく食べているのだ。
まあ、それは良いとして、マサトの情報は確かだろうが、一つ疑問も残る。
「うむ。確かに、そいつは、ヤバそうな薬だ、、、。施設があれだけ厳重であるのも納得できる。
でもさ、動物なんて他にも一杯いるわけだろ?なんで、ピーちゃんだけ桃香さんの家に連れてこられたわけさ??」
「あー、そういえば、そうだなぁ。ピーちゃんは、他の動物達がどうなったか心配してたなぁ。
でも、とにかく、お父さんはピーちゃんの事をすごく大切にしていたらしくて、よく話しかけてくれたり、言葉を教えてくれたって言ってた。」
マサトがピーナッツを上に放り投げては食べ、投げては食べを繰り返しながら話しを続ける。
投げられたピーナッツは、時々鼻に当たったり、頬に当たったりして半分は口に入らない。
そのせいで、気が散ってしまい、マサトの話の半分が頭に入らない。
「へぇ、人間の言葉ねぇ。ほかに何かピーちゃん言ってなかったの?」
「ちょっと女性アレルギーが発動したから、それ以上はあまり話せなかったけど、なんか、数字とアルファベットの羅列を覚えさせられたとか言ってたなぁ。」
どうやらマサトの女性アレルギーはハト態になっても健在らしく、ピーちゃん相手にカユカユが出たらしい。
ハト態でも、イケメンはイケメンのままらしく、ピーちゃんにも惚れられてしまい、無駄に距離を縮められたらしい。
「文字の羅列ねぇ。計算式とか?」
「えー、なんかパスワードとか?」
マサトがビールを煽りながら呟く。
「うおっ!!そうじゃん!なんかその薬のデータのパスワードなんじゃないか?!
だから、桃香さんの元彼もピーちゃんを狙ったんだ!!」
「おお、、、!流石、俺!めっちゃ冴えてる!」
「桃香さんに思い当たるデータがないか、次回聞いてみよう。」
息巻く俺を尻目にマサトは気乗りしない風だ。
「えー、次は、ゆうやが行ってくれよー。部屋に、ピーちゃんも桃香さんも居たら、カユカユがどうなるか分からないよ。」
情け無い顔をして、マサトが机の上に突っ伏した。成る程、人間態でもハト態でも女性に迫られたら逃げ場がないものな。
少し相方に同情しつつも、もう少ししっかりしてもらわないと、いつまで経っても、完全に人間に戻れないではないか。
「しょうがないなぁ。お前、少しは女性を克服しろよー。人類の半分は女性、鳥類の半分は雌だぞ、、、。」
思い出しただけで、カユカユを再発しそうになっている相方に呆れつつ、なんとかしてやりたいとビールを飲みながら思案したのであった。
(一度ボスにでも相談してみるか。なんとかしてくれるかもしれない。)
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