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初めての魔法、初めての絶望
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貰った水を一気に飲み干せば思考回路が整理され
頭がクリアになってくる。
俺は何故あんな馬鹿なことをしたのだろうか。
愛する両親は今頃俺の帰りを待って泣いてるのだろうかなんて不安を胸に抱えながらも起きてしまったことは仕方ないと諦めをつける。
目の前のチャラ男は俺が落ち着いたのを確認したのか太陽のような満面の笑みを浮かべながら話しかけてくる。
「まさか、こんな所でぶっ倒れてるやつがいると思わなかった!大丈夫か?怪我とか、頭とかぶつけてないか!?びっくりしたんだからな!!!」
「あっ、スー…はい。大丈夫っす…アザマス…あの、ここって…」
「あー!!そうだよな!!!えっとな!ここは…森だ!!!!!実は俺も迷っててさぁ。家出て薬草取りに行ったところまでは覚えてるんだけどなぁ。大きい道を外れちまってここが何処かわかんねぇんだ!!はは!!!」
彼は極度の方向音痴のようだ。
頭を抱えながらも森を抜けれないかと模索していればチャラ男は背を向け膝をつきこちらに話しかけてくる。
「あー、こんな所で倒れてたんだ。なんかあったらダメだろ!?だからさ!ほら、おぶってやるよ!」
「えっ、あっ、い、いいんすか…?」
「おう!!勿論だ!俺とお前はもうマブだからな!っと、マブなのに名前聞いてなかったな!俺の名前はアレク!宜しくな!!」
「あっ、叶夢…っす…」
「カナト!!!なんつっーか聞きなれない名前だな!!!でも、素敵な父さんと母さんが付けてくれた名前なんだろ?きっといい名前なんだろうなー!!!」
生粋のチャラ男…いや、アレクは俺の名前を褒めてくれた。久しぶりに話した相手ともうマブになれたのだと思うと心が弾む。
マブ…マブか…いいな……へへへ…
俺は大人しくアレクに背負われる。
ってかあれ、この人…道分からないんじゃ…?
「とりあえず!!!!進めばどこかへ着く!!!それまで待っててくれよな!!!カナト!!!!」
あっ、この人多分バカだ。
いやこんなこと言うのもダメかもしれないが
生粋のチャラ男でもあり、天性のバカだ。
「身体強化魔法、筋肉増強!!!」
彼の足元が光ったかと思えば足に光が纏わりつく。何か起こった。そう思えば、彼は思いっきり走り出す。
次の瞬間、あたりの木々は一瞬にして過ぎて行った。
必死にアレクにしがみつくが
バイク、いや、車のような速度を出しながら一気に駆け抜けていく彼の姿は
俺にとって化け物でしかなかった。
「ヒッ…ウワァァァァァァ!!!!!!!」
俺の絶望は既に、この異世界でも蔓延っていた。
異世界に、希望なんて持つんじゃなかった!!!!!
頭がクリアになってくる。
俺は何故あんな馬鹿なことをしたのだろうか。
愛する両親は今頃俺の帰りを待って泣いてるのだろうかなんて不安を胸に抱えながらも起きてしまったことは仕方ないと諦めをつける。
目の前のチャラ男は俺が落ち着いたのを確認したのか太陽のような満面の笑みを浮かべながら話しかけてくる。
「まさか、こんな所でぶっ倒れてるやつがいると思わなかった!大丈夫か?怪我とか、頭とかぶつけてないか!?びっくりしたんだからな!!!」
「あっ、スー…はい。大丈夫っす…アザマス…あの、ここって…」
「あー!!そうだよな!!!えっとな!ここは…森だ!!!!!実は俺も迷っててさぁ。家出て薬草取りに行ったところまでは覚えてるんだけどなぁ。大きい道を外れちまってここが何処かわかんねぇんだ!!はは!!!」
彼は極度の方向音痴のようだ。
頭を抱えながらも森を抜けれないかと模索していればチャラ男は背を向け膝をつきこちらに話しかけてくる。
「あー、こんな所で倒れてたんだ。なんかあったらダメだろ!?だからさ!ほら、おぶってやるよ!」
「えっ、あっ、い、いいんすか…?」
「おう!!勿論だ!俺とお前はもうマブだからな!っと、マブなのに名前聞いてなかったな!俺の名前はアレク!宜しくな!!」
「あっ、叶夢…っす…」
「カナト!!!なんつっーか聞きなれない名前だな!!!でも、素敵な父さんと母さんが付けてくれた名前なんだろ?きっといい名前なんだろうなー!!!」
生粋のチャラ男…いや、アレクは俺の名前を褒めてくれた。久しぶりに話した相手ともうマブになれたのだと思うと心が弾む。
マブ…マブか…いいな……へへへ…
俺は大人しくアレクに背負われる。
ってかあれ、この人…道分からないんじゃ…?
「とりあえず!!!!進めばどこかへ着く!!!それまで待っててくれよな!!!カナト!!!!」
あっ、この人多分バカだ。
いやこんなこと言うのもダメかもしれないが
生粋のチャラ男でもあり、天性のバカだ。
「身体強化魔法、筋肉増強!!!」
彼の足元が光ったかと思えば足に光が纏わりつく。何か起こった。そう思えば、彼は思いっきり走り出す。
次の瞬間、あたりの木々は一瞬にして過ぎて行った。
必死にアレクにしがみつくが
バイク、いや、車のような速度を出しながら一気に駆け抜けていく彼の姿は
俺にとって化け物でしかなかった。
「ヒッ…ウワァァァァァァ!!!!!!!」
俺の絶望は既に、この異世界でも蔓延っていた。
異世界に、希望なんて持つんじゃなかった!!!!!
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