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エリカが好きだった動物ランキング
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巨大オカミジンコで金色の霧を補給した翌朝、エリカはクーララ王国の首都クーララへと向かう道を歩いていた。 今回の援軍はエリカ1人のワンマン・アーミーだが、彼女には20人ほどのサポート・チームが同行している。
サポート・チームのメンバーは、荷物持ちや道案内、クーララ王国との渉外役の士官といったところである。 それに加え、護衛として10数名の屈強な兵士。 エリカ一人なら護衛は不要だが、サポート・チーム数名だけで戦地をうろつくのは危険極まりない。 そのために、これだけの護衛の兵士が必要だった。
案内人はルーケンスという名の初老の男性。 クーララ王国から派遣された人物だ。 黒い短髪と小柄な引き締まった体、痩せた頬と廉潔な眼差し。 修道僧を思わせる風貌である。 マナで肉体が強化されにくいクーララ人であるにも関わらず、彼が歩く速度はエリカたちと変わらない。 彼が案内人に抜擢されたのもそれが理由だ。
シバー少尉は連れてこなかった。 遭遇戦で足手まといになるのが目に見えていたし、シバー少尉は足が遅い。 常人に毛が生えた程度の脚力しかないのだ。 さらに少尉は、昨日ひさしぶりにたくさん歩いたので今朝は足が筋肉痛なのだという。
エリカも昨日ひさしぶりに金色の霧をたっぷり浴びたのでマナ酔いを覚悟していたが、けさ目覚めてもマナ酔いは生じていなかった。 ここしばらく感じていた体の重さが解消されただけである。 エリカの体はもはや、マナがチャージされた状態に完全に適応していた。
◇◆◇
タベザル市を出て二日目、クーララ王国へと入ったエリカたち一行は、とある宿場町で一晩を過ごすことになった。 宿場町に入ってエリカは喜んだ。
「あっ、黒猫!」
エリカは前世で黒猫を飼っていただけあって黒猫が大好き。 猫全般が好きだが、中でも黒猫が大好きである。 その次に好きな生き物は、身近な生き物の中ではスズメ。 色は茶色と地味だが小さくて動きが可愛らしい。 その次に好きなのはヤモリ。 夏の夜に家の戸に張り付き、光に誘き寄せられて集まって来る虫を食べる姿は大変かわいい。 ヤモリは漢字で「家守」と書く。 家を守ってくれるのがヤモリなのだ。 ちなみにイモリは「井守」と書く。 井戸を守るということだろう。 エリカはイモリはあまり好きではない。 イモリかヤモリかで言えば断然ヤモリ派である。
前世でエリカが好きだった動物ランキング(身近でないものも含む)は次の通り:
1. 黒猫(子猫)
2. 黒猫(成猫)
3. レッサーパンダ
4. 黒以外の猫(子猫)
5. スズメ
6. 黒以外の猫(成猫)
7. コアラ
8. ヤモリ
9. リクガメ&ウミガメ(ゾウガメは除く)
10. カナヘビ(トカゲとの混同に注意)
11. ミジンコ(ケンミジンコは除く)
12. マルハナバチ
13. ミツバチ(アフリカナイズド・ミツバチは除く)
14. グリーン・ネオンテトラ
15. カナブン(茶色)
16. イソギンチャク(毒性が弱いもの)
17. カナブン(緑色)
18. カニ(食べ物としては1位)
19. イモリ
20. ヒト
21. シマ蚊
22. セアカゴケグモ
23. スズメバチ
さて、黒猫を見かけて喜んだエリカだが、近寄って撫でたりはしなかった。 猫も他の生物と同様にエリカの存在を感知できないから撫でたときの反応を楽しめないし、前世で飼っていた黒猫を思い出して悲しくなりそうな気がしたからだ。 エリカは道端で毛づくろいする黒猫のほうを何度も振り返りながら、サポート・チームの最後尾を歩いて行った。
それから少し歩いてエリカは再び喜んだ。 またもや黒猫を見つけたのだ。
「あっ、また黒猫!」
さらに少し歩いて、再び黒猫。
「あっ、またいた!」
この宿場町は猫が全般的に多いだけでなく黒猫率が高い。 感服つかまつったエリカは思わずベルチン。
チン(素敵なところね、この宿場町)
エリカのすぐ前を歩いていた案内人ルーケンスがベルチンを聞いて振り向き、うやうやしく答える。
「光栄でございます守護霊様」
最初に会ったときから彼はこの調子である。 クーララ人にとって守護霊様は、ザルス人にとってのファントムさんよりも遥かに恐れ多い存在なのだ。
チン?(どうしてこんなに黒猫が多いのかしら?)
「クーララ人が黒猫を大事にするから自然と増えたのでしょう。 あるいは帝国のほうから安住の地を求めてやって来たのかもしれません」
そしてルーケンスは、ザンス人の黒猫に対する非道さをエリカに訴える。
「帝国では黒猫が不幸を呼ぶとして忌み嫌われ駆除されているのです」
話を聞いて、エリカのザンス帝国に対する印象は著しく悪化した。
(駆除ですって? 私の可愛い黒猫を駆除... 許せない)
エリカは今回の援軍を単なる仕事として引き受けていたのだが、ルーケンスの話を聞いて俄然やる気がみなぎってきた。 クーララ王国がザンス帝国に支配されると、クーララに住む黒猫まで駆除されてしまう。 そんな事態は認められない認めない。
(燃えてきた。 ファントムさんの本気を帝国軍に見せてあげるわ!)
サポート・チームのメンバーは、荷物持ちや道案内、クーララ王国との渉外役の士官といったところである。 それに加え、護衛として10数名の屈強な兵士。 エリカ一人なら護衛は不要だが、サポート・チーム数名だけで戦地をうろつくのは危険極まりない。 そのために、これだけの護衛の兵士が必要だった。
案内人はルーケンスという名の初老の男性。 クーララ王国から派遣された人物だ。 黒い短髪と小柄な引き締まった体、痩せた頬と廉潔な眼差し。 修道僧を思わせる風貌である。 マナで肉体が強化されにくいクーララ人であるにも関わらず、彼が歩く速度はエリカたちと変わらない。 彼が案内人に抜擢されたのもそれが理由だ。
シバー少尉は連れてこなかった。 遭遇戦で足手まといになるのが目に見えていたし、シバー少尉は足が遅い。 常人に毛が生えた程度の脚力しかないのだ。 さらに少尉は、昨日ひさしぶりにたくさん歩いたので今朝は足が筋肉痛なのだという。
エリカも昨日ひさしぶりに金色の霧をたっぷり浴びたのでマナ酔いを覚悟していたが、けさ目覚めてもマナ酔いは生じていなかった。 ここしばらく感じていた体の重さが解消されただけである。 エリカの体はもはや、マナがチャージされた状態に完全に適応していた。
◇◆◇
タベザル市を出て二日目、クーララ王国へと入ったエリカたち一行は、とある宿場町で一晩を過ごすことになった。 宿場町に入ってエリカは喜んだ。
「あっ、黒猫!」
エリカは前世で黒猫を飼っていただけあって黒猫が大好き。 猫全般が好きだが、中でも黒猫が大好きである。 その次に好きな生き物は、身近な生き物の中ではスズメ。 色は茶色と地味だが小さくて動きが可愛らしい。 その次に好きなのはヤモリ。 夏の夜に家の戸に張り付き、光に誘き寄せられて集まって来る虫を食べる姿は大変かわいい。 ヤモリは漢字で「家守」と書く。 家を守ってくれるのがヤモリなのだ。 ちなみにイモリは「井守」と書く。 井戸を守るということだろう。 エリカはイモリはあまり好きではない。 イモリかヤモリかで言えば断然ヤモリ派である。
前世でエリカが好きだった動物ランキング(身近でないものも含む)は次の通り:
1. 黒猫(子猫)
2. 黒猫(成猫)
3. レッサーパンダ
4. 黒以外の猫(子猫)
5. スズメ
6. 黒以外の猫(成猫)
7. コアラ
8. ヤモリ
9. リクガメ&ウミガメ(ゾウガメは除く)
10. カナヘビ(トカゲとの混同に注意)
11. ミジンコ(ケンミジンコは除く)
12. マルハナバチ
13. ミツバチ(アフリカナイズド・ミツバチは除く)
14. グリーン・ネオンテトラ
15. カナブン(茶色)
16. イソギンチャク(毒性が弱いもの)
17. カナブン(緑色)
18. カニ(食べ物としては1位)
19. イモリ
20. ヒト
21. シマ蚊
22. セアカゴケグモ
23. スズメバチ
さて、黒猫を見かけて喜んだエリカだが、近寄って撫でたりはしなかった。 猫も他の生物と同様にエリカの存在を感知できないから撫でたときの反応を楽しめないし、前世で飼っていた黒猫を思い出して悲しくなりそうな気がしたからだ。 エリカは道端で毛づくろいする黒猫のほうを何度も振り返りながら、サポート・チームの最後尾を歩いて行った。
それから少し歩いてエリカは再び喜んだ。 またもや黒猫を見つけたのだ。
「あっ、また黒猫!」
さらに少し歩いて、再び黒猫。
「あっ、またいた!」
この宿場町は猫が全般的に多いだけでなく黒猫率が高い。 感服つかまつったエリカは思わずベルチン。
チン(素敵なところね、この宿場町)
エリカのすぐ前を歩いていた案内人ルーケンスがベルチンを聞いて振り向き、うやうやしく答える。
「光栄でございます守護霊様」
最初に会ったときから彼はこの調子である。 クーララ人にとって守護霊様は、ザルス人にとってのファントムさんよりも遥かに恐れ多い存在なのだ。
チン?(どうしてこんなに黒猫が多いのかしら?)
「クーララ人が黒猫を大事にするから自然と増えたのでしょう。 あるいは帝国のほうから安住の地を求めてやって来たのかもしれません」
そしてルーケンスは、ザンス人の黒猫に対する非道さをエリカに訴える。
「帝国では黒猫が不幸を呼ぶとして忌み嫌われ駆除されているのです」
話を聞いて、エリカのザンス帝国に対する印象は著しく悪化した。
(駆除ですって? 私の可愛い黒猫を駆除... 許せない)
エリカは今回の援軍を単なる仕事として引き受けていたのだが、ルーケンスの話を聞いて俄然やる気がみなぎってきた。 クーララ王国がザンス帝国に支配されると、クーララに住む黒猫まで駆除されてしまう。 そんな事態は認められない認めない。
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