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第34話 囚われた葉月。
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「ドラザエモン! 例の武器、出来てるかぁ!?」
かなり立派な亜水の屋敷は二階建てで、広さもかなりある。白金が玄関で大声を張り上げると、奥からドタバタとドラザエモンが走ってきた。
「白金様に銀杏ねぇちゃん! 武器は出来てるよ! でも聞いて! さっきお母さんが拐(さら)われた!」
「な、なんじゃと!?」
「誰の仕業だ!?」
オレと白金は同時に叫ぶ。だが、犯人の目星は付いている。酒呑童子で間違いない。早く助けなくては!
「白金殿! 銀杏様!」
奥から亜水が走ってくる。日凛も一緒だ。
「鬼です! 鬼が出ました!奴め、あっという間に葉月を......私がそばにいながら......!情けない。討伐に行かれるのですよね!? 私もお供致します!」
覚醒が解け、盲目の亜水は目を閉じたままでそう言った。
「うー!お母さん、助ける!」
日凛も、パンッと両手を合わせ、気合いを入れる。
「いや、待て二人とも。奴は木蓮なのじゃ。今は酒呑童子という鬼に憑依され、心まで支配されてしまっているがな。あやつの強さは緑爪の比ではない。わしと白金でさえも、勝てるかどうかわからぬ。じゃが手立てはある。今回はわしと白金に任せてもらえぬか? 葉月は必ず助け出す。待っていてくれ」
鬼の正体が木蓮だと知り、亜水、日凛、ドラザエモンの三人に動揺が走る。
「わかりました。銀杏様と白金殿にお任せ致します。葉月を、よろしくお願い致します」
「うー!」
「絶対お母さん助けてね! 白金様、はいこれ、頼まれてた武器だよ!」
「おお、コイツがあれば百人力だ。ありがとな」
三人と握手を交わし、ドラザエモンからは武器も受け取った。
亜水家を出て、白金と手を繋ぐ。
「急ぐぞ銀杏!」
「うむ!神速歩で行こう。覚醒!」
オレは覚醒し、大人の体に変身した。
「おお! やっぱり、覚醒すると色っぽいな!」
「こ、こら! 今そんな事言っておる場合では無かろう! 全くもう......行くぞ、神速歩!」
一瞬にして木蓮の家の前に着く。門には錠が降りていて、扉は開かない。
「激震雷!」
三言呪で雷撃を放ち、木製の扉を破壊する。すかさず中へ飛び込むオレと白金。
家の中は、女たちで埋め尽くされていた。ほとんどの者が気絶している。だが意識のある者は、オレたちを見るなり襲いかかってきた。
「チッ! 操られてやがるのか! 『麻痺』!」
「そのようじゃ!『傀儡雷』!」
彼女たちが怪我をしないように注意しながら、動きを封じる。
部屋をバンバンと開けて飛び込んでいく。
「千里眼で位置は把握しておる! こっちじゃ!」
一番奥の部屋に、木蓮はいた。座布団に座り、円卓に並べられた豪勢な食事を堪能している。両脇には塁火と葉月がいて、彼にお酌をしたり、食事を食べさせていた。
「銀杏様、お逃げください! この鬼は木蓮君です! でももう、木蓮君は変わってしまいました」
葉月はお酌をしながらも、震える声でオレたちにそう訴えた。
「お兄ちゃん、もう昔の優しいお兄ちゃんじゃないの。白金様......助けて......」
塁火は泣きながら箸を持ち、木蓮の口へと食事を運ぶ。
二人は他の女性たちとは違い、どうやら洗脳されていないようだ。だが、恐怖によって支配されている。
「おい貴様! 今すぐ表に出るのじゃ! わしらが成敗してくれる!」
だが木蓮......いや、酒呑童子は、立ち上がろうとしない。
「足が不自由でね。外には出られない。用があるなら、ここで済ませてくれ」
「テメェ! ふざけるな!」
白金が叫ぶ。
酒呑童子は、やはり覚醒が解けているようだ。だがあの余裕の態度を見ると、覚醒出来る事には、おそらく気づいている。
(白金、どうにかして二人を酒呑童子から引き離してくれぬか。その瞬間を狙って、奴を神速歩で表に引きずり出す)
(わかった!)
「衝撃!」
白金は両手をそれぞれ累火と葉月に向け、手のひらから衝撃波を放った。お互い逆方向に吹き飛ぶ、累火と葉月。
「今だ!」
「神速歩!」
白金の号令が出た瞬間、オレは酒呑童子の体をひっ掴み、表に引きずり出していた。
ここは田園地区のさらに外れの方にある広場だ。ここなら心おきなく戦える。奴の体に触れてから、ここまでほんの一秒程。
白金に思念で現在地を伝える。累火と葉月、それ以外の女性たちも助け出して、そのあとここに来てくれる筈だ。
「覚醒!」
座り込んでいた木蓮、いや、酒呑童子が覚醒し、自らの両足で立ち上がる。
「よくも邪魔してくれましたね、銀杏様」
不気味な笑みを浮かべながら近寄ってくる、酒呑童子。つい先程までオレの心を支配していた怒りの感情が、一瞬にして恐怖に変わる。
はぁ、はぁ、やばい! 面と向かうと、やっぱ勝てる気しない! 白金、早く来てー!
【白金視点】
白金は、はやる気持ちを抑えつつ、累火と葉月の傷を術で癒していた。仕方がなかったとはいえ、二人を弾き飛ばし、怪我をさせてしまったからだ。
「白金様、私たちならもう大丈夫です。早く銀杏様のところへ行ってあげてください」
累火がそう言って微笑む。
「ああ、すまない。亜水たちには連絡したから、もうすぐ来ると思う」
ほっと胸をなでおろす葉月。
「じゃあ俺はいくぜ!」
そう言って木蓮の家を飛び出す白金。「お気をつけて!」と累火の声が背後に聞こえた。
「飛翔!」
白金の体が中に浮き、銀杏と酒呑童子のいる田園地帯へと高速飛行する。
(銀杏、無事でいてくれ!)
銀杏は強い。勝てないまでも、負ける事はないだろう。だが相手はあの酒呑童子だ。
見つけた!二人は戦闘中だが、銀杏が劣勢のようだ。不気味な触手のようなものに、捕らえられてしまっている。
地上に着地し、武器を構える。ドラザエモンに作ってもらった、手甲鉤(てっこうかぎ)だ。手に装着し、長く伸びた鉤爪で敵を攻撃する武器である。
「銀杏! 今助ける!」
じりじりと間合いを詰めながら、酒呑童子の隙を伺う。今は銀杏を人質に取られているに等しい状況だ。なんとか打開策を考えなくてはならない。
まずは銀杏を奴の体から解放しなくては!
「固定! 衝撃!」
銀杏の体を地面に固定しつつ、酒呑童子の体に衝撃波を放つ。酒呑童子の体が後方に吹き飛び、銀杏から離れる。
「へぇ。思ったよりやるね」
酒呑童子は面白そうに笑い、着地と同時に触手を繰り出す。また銀杏を捕まえる気だ。
「させるか! 俊敏! 飛翔! 」
自身の速度を高め、空中を高速移動する。触手たちが銀杏に到達する前に、白金は全て切り落とした。
「銀杏!」
「固定」を解除し、倒れこむ銀杏を抱きかかえる。
「白金......すまぬ、奴を食い止めるつもりが、足手まといに......」
ぐったりと、力なくうなだれる銀杏。
「頑張ったな銀杏。遅くなってごめんな。あとでいっぱい、抱きしめてやるから。結界を張る。少し待っててくれ」
「じゃが、そなたの力だけでは......」
心配そうに白金を見つめる銀杏。白金は、そっと銀杏の髪を撫でる。銀色の美しい髪が、サラサラと流れる。
「心配すんな。俺には秘策がある。安心して寝てろ」
「......うん。気をつけて......」
安心したのか、銀杏は目を閉じた。眠ってしまったのかもしれない。
「ババァ言葉、忘れてるぞ、来人......」
白金は銀杏に優しく口づけ、彼女を少し離れた場所の草むらに、そっと横たわらせた。
この間(かん)、酒呑童子は、手を出して来なかった。もちろん白金はいつでも応戦出来るように神経を張り詰めてはいたのだが。
酒呑童子のいる場所に戻り、再び手甲鉤を構える白金。酒呑童子はウネウネと自身の周りに触手を張り巡らせている。
「人質がいたから負けたと言われたら面白くないんでね。見逃してやったんだよ。もう銀杏様の霊力はたっぷり頂いたから、用済みだしな」
白金の怒りが沸点に達した。
「殺す!火炎!」
白金は炎を出現させ、手甲鉤にの爪部分に纏(まと)わせた。多少熱いが、直接手に纏わせるよりは数倍マシだ。
「燃えろ! 火炎爪(かえんそう)!」
白金は息もつかせぬ程の素早い連撃を酒呑童子に繰り出す。ちなみにシンプルすぎる技名は、今考えた!
「チッ、思ったよりやるじゃないか」
酒呑童子は信じられない程の超高速で、白金の攻撃を全てかわし切った。だが髪の毛や服には、炎が燃え移っている。
「へっ、炎まではかわしきれないようだな!」
白金は勝機ありと見て、果敢に攻め続ける。
「ふぅ。俺はいつでもお前を瞬殺出来るんだ。だが、ただ殺してもつまらない。絶望させてから殺さないとな。だけどお前はかなりタフな精神の持ち主だ。だから最上級に酷い事実を見せて、絶望させてやるよ」
今まで回避に徹していた酒呑童子だが、突如攻撃に転じる。白金の顔面を右手で鷲掴みにし、ミシミシと指を食い込ませる。
「さぁ、見るがいい。お前の大切な銀杏が、滅びる様を」
「ううっ! うわぁー!」
白金は酒呑童子の手を掴み、逃れようとする。だが彼の心を今支配している光景に、心は折れかかっていた。
かなり立派な亜水の屋敷は二階建てで、広さもかなりある。白金が玄関で大声を張り上げると、奥からドタバタとドラザエモンが走ってきた。
「白金様に銀杏ねぇちゃん! 武器は出来てるよ! でも聞いて! さっきお母さんが拐(さら)われた!」
「な、なんじゃと!?」
「誰の仕業だ!?」
オレと白金は同時に叫ぶ。だが、犯人の目星は付いている。酒呑童子で間違いない。早く助けなくては!
「白金殿! 銀杏様!」
奥から亜水が走ってくる。日凛も一緒だ。
「鬼です! 鬼が出ました!奴め、あっという間に葉月を......私がそばにいながら......!情けない。討伐に行かれるのですよね!? 私もお供致します!」
覚醒が解け、盲目の亜水は目を閉じたままでそう言った。
「うー!お母さん、助ける!」
日凛も、パンッと両手を合わせ、気合いを入れる。
「いや、待て二人とも。奴は木蓮なのじゃ。今は酒呑童子という鬼に憑依され、心まで支配されてしまっているがな。あやつの強さは緑爪の比ではない。わしと白金でさえも、勝てるかどうかわからぬ。じゃが手立てはある。今回はわしと白金に任せてもらえぬか? 葉月は必ず助け出す。待っていてくれ」
鬼の正体が木蓮だと知り、亜水、日凛、ドラザエモンの三人に動揺が走る。
「わかりました。銀杏様と白金殿にお任せ致します。葉月を、よろしくお願い致します」
「うー!」
「絶対お母さん助けてね! 白金様、はいこれ、頼まれてた武器だよ!」
「おお、コイツがあれば百人力だ。ありがとな」
三人と握手を交わし、ドラザエモンからは武器も受け取った。
亜水家を出て、白金と手を繋ぐ。
「急ぐぞ銀杏!」
「うむ!神速歩で行こう。覚醒!」
オレは覚醒し、大人の体に変身した。
「おお! やっぱり、覚醒すると色っぽいな!」
「こ、こら! 今そんな事言っておる場合では無かろう! 全くもう......行くぞ、神速歩!」
一瞬にして木蓮の家の前に着く。門には錠が降りていて、扉は開かない。
「激震雷!」
三言呪で雷撃を放ち、木製の扉を破壊する。すかさず中へ飛び込むオレと白金。
家の中は、女たちで埋め尽くされていた。ほとんどの者が気絶している。だが意識のある者は、オレたちを見るなり襲いかかってきた。
「チッ! 操られてやがるのか! 『麻痺』!」
「そのようじゃ!『傀儡雷』!」
彼女たちが怪我をしないように注意しながら、動きを封じる。
部屋をバンバンと開けて飛び込んでいく。
「千里眼で位置は把握しておる! こっちじゃ!」
一番奥の部屋に、木蓮はいた。座布団に座り、円卓に並べられた豪勢な食事を堪能している。両脇には塁火と葉月がいて、彼にお酌をしたり、食事を食べさせていた。
「銀杏様、お逃げください! この鬼は木蓮君です! でももう、木蓮君は変わってしまいました」
葉月はお酌をしながらも、震える声でオレたちにそう訴えた。
「お兄ちゃん、もう昔の優しいお兄ちゃんじゃないの。白金様......助けて......」
塁火は泣きながら箸を持ち、木蓮の口へと食事を運ぶ。
二人は他の女性たちとは違い、どうやら洗脳されていないようだ。だが、恐怖によって支配されている。
「おい貴様! 今すぐ表に出るのじゃ! わしらが成敗してくれる!」
だが木蓮......いや、酒呑童子は、立ち上がろうとしない。
「足が不自由でね。外には出られない。用があるなら、ここで済ませてくれ」
「テメェ! ふざけるな!」
白金が叫ぶ。
酒呑童子は、やはり覚醒が解けているようだ。だがあの余裕の態度を見ると、覚醒出来る事には、おそらく気づいている。
(白金、どうにかして二人を酒呑童子から引き離してくれぬか。その瞬間を狙って、奴を神速歩で表に引きずり出す)
(わかった!)
「衝撃!」
白金は両手をそれぞれ累火と葉月に向け、手のひらから衝撃波を放った。お互い逆方向に吹き飛ぶ、累火と葉月。
「今だ!」
「神速歩!」
白金の号令が出た瞬間、オレは酒呑童子の体をひっ掴み、表に引きずり出していた。
ここは田園地区のさらに外れの方にある広場だ。ここなら心おきなく戦える。奴の体に触れてから、ここまでほんの一秒程。
白金に思念で現在地を伝える。累火と葉月、それ以外の女性たちも助け出して、そのあとここに来てくれる筈だ。
「覚醒!」
座り込んでいた木蓮、いや、酒呑童子が覚醒し、自らの両足で立ち上がる。
「よくも邪魔してくれましたね、銀杏様」
不気味な笑みを浮かべながら近寄ってくる、酒呑童子。つい先程までオレの心を支配していた怒りの感情が、一瞬にして恐怖に変わる。
はぁ、はぁ、やばい! 面と向かうと、やっぱ勝てる気しない! 白金、早く来てー!
【白金視点】
白金は、はやる気持ちを抑えつつ、累火と葉月の傷を術で癒していた。仕方がなかったとはいえ、二人を弾き飛ばし、怪我をさせてしまったからだ。
「白金様、私たちならもう大丈夫です。早く銀杏様のところへ行ってあげてください」
累火がそう言って微笑む。
「ああ、すまない。亜水たちには連絡したから、もうすぐ来ると思う」
ほっと胸をなでおろす葉月。
「じゃあ俺はいくぜ!」
そう言って木蓮の家を飛び出す白金。「お気をつけて!」と累火の声が背後に聞こえた。
「飛翔!」
白金の体が中に浮き、銀杏と酒呑童子のいる田園地帯へと高速飛行する。
(銀杏、無事でいてくれ!)
銀杏は強い。勝てないまでも、負ける事はないだろう。だが相手はあの酒呑童子だ。
見つけた!二人は戦闘中だが、銀杏が劣勢のようだ。不気味な触手のようなものに、捕らえられてしまっている。
地上に着地し、武器を構える。ドラザエモンに作ってもらった、手甲鉤(てっこうかぎ)だ。手に装着し、長く伸びた鉤爪で敵を攻撃する武器である。
「銀杏! 今助ける!」
じりじりと間合いを詰めながら、酒呑童子の隙を伺う。今は銀杏を人質に取られているに等しい状況だ。なんとか打開策を考えなくてはならない。
まずは銀杏を奴の体から解放しなくては!
「固定! 衝撃!」
銀杏の体を地面に固定しつつ、酒呑童子の体に衝撃波を放つ。酒呑童子の体が後方に吹き飛び、銀杏から離れる。
「へぇ。思ったよりやるね」
酒呑童子は面白そうに笑い、着地と同時に触手を繰り出す。また銀杏を捕まえる気だ。
「させるか! 俊敏! 飛翔! 」
自身の速度を高め、空中を高速移動する。触手たちが銀杏に到達する前に、白金は全て切り落とした。
「銀杏!」
「固定」を解除し、倒れこむ銀杏を抱きかかえる。
「白金......すまぬ、奴を食い止めるつもりが、足手まといに......」
ぐったりと、力なくうなだれる銀杏。
「頑張ったな銀杏。遅くなってごめんな。あとでいっぱい、抱きしめてやるから。結界を張る。少し待っててくれ」
「じゃが、そなたの力だけでは......」
心配そうに白金を見つめる銀杏。白金は、そっと銀杏の髪を撫でる。銀色の美しい髪が、サラサラと流れる。
「心配すんな。俺には秘策がある。安心して寝てろ」
「......うん。気をつけて......」
安心したのか、銀杏は目を閉じた。眠ってしまったのかもしれない。
「ババァ言葉、忘れてるぞ、来人......」
白金は銀杏に優しく口づけ、彼女を少し離れた場所の草むらに、そっと横たわらせた。
この間(かん)、酒呑童子は、手を出して来なかった。もちろん白金はいつでも応戦出来るように神経を張り詰めてはいたのだが。
酒呑童子のいる場所に戻り、再び手甲鉤を構える白金。酒呑童子はウネウネと自身の周りに触手を張り巡らせている。
「人質がいたから負けたと言われたら面白くないんでね。見逃してやったんだよ。もう銀杏様の霊力はたっぷり頂いたから、用済みだしな」
白金の怒りが沸点に達した。
「殺す!火炎!」
白金は炎を出現させ、手甲鉤にの爪部分に纏(まと)わせた。多少熱いが、直接手に纏わせるよりは数倍マシだ。
「燃えろ! 火炎爪(かえんそう)!」
白金は息もつかせぬ程の素早い連撃を酒呑童子に繰り出す。ちなみにシンプルすぎる技名は、今考えた!
「チッ、思ったよりやるじゃないか」
酒呑童子は信じられない程の超高速で、白金の攻撃を全てかわし切った。だが髪の毛や服には、炎が燃え移っている。
「へっ、炎まではかわしきれないようだな!」
白金は勝機ありと見て、果敢に攻め続ける。
「ふぅ。俺はいつでもお前を瞬殺出来るんだ。だが、ただ殺してもつまらない。絶望させてから殺さないとな。だけどお前はかなりタフな精神の持ち主だ。だから最上級に酷い事実を見せて、絶望させてやるよ」
今まで回避に徹していた酒呑童子だが、突如攻撃に転じる。白金の顔面を右手で鷲掴みにし、ミシミシと指を食い込ませる。
「さぁ、見るがいい。お前の大切な銀杏が、滅びる様を」
「ううっ! うわぁー!」
白金は酒呑童子の手を掴み、逃れようとする。だが彼の心を今支配している光景に、心は折れかかっていた。
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