12 / 23
魔王から奴隷へ。
幕間 魔勇者の思惑。
しおりを挟む
魔勇者ガルフェインは容姿端麗であり、魔人には珍しく協調性、共感力に優れた青年だった。その為、あまり人の意見に口を挟まず、同調する事が多い。だがその本心はいつも別の所にあった。
「あの、ありがとうございます、ガルフェイン様。私などを助けて頂いて」
少女はガルフェインが部屋に戻って来たのを見て、椅子から立ち上がってお辞儀をした。彼女は城で働く上級奴隷だった。それも魔王専属のメイドである。
ガルフェインは、断たれる運命だったその少女「シエラ」の命を、自らの特殊な能力で救った。
勇者及び魔勇者は、任命される際に女神の加護を受ける事が出来る。既に加護を受けている者も、追加でもう一つ授かるのだ。
ガルフェインの加護は生まれ持った「実体幻影」と、新たに授かった「物質転送」の二つである。
現魔王ファリアンヌの指示でシエラを斬る瞬間。ガルフェインはシエラを「物質転送」で隠し部屋へと転送し、「実体幻影」でシエラの死体を作成した。その場にいた者は、全員シエラが死んだと思った筈だ。作成されたシエラの死体は、上級奴隷である執事や召使いが裏山に捨てに行った。埋めた後、数時間程で消滅するだろう。
「あの、ガルフェイン様......?」
何も答えないガルフェインに、シエラはもう一度話しかける。
「すまない。考え事をしていたんだ。君を助けたのは、エッダの為だ。いつか彼女と会わせよう。だが、それまではここに隠れていて欲しい」
ガルフェインはシエラを労(いた)わるように、彼女の肩にそっと手を置いた。
「ありがとうございます、ガルフェイン様」
シエラはうっとりとした目で、ガルフェインを見つめた。
「いや、こちらこそ、巻き込んでしまってすまない。君は本来、こんな目に遭うべきではなかったんだ。俺に出来るかぎりの事はする。しばらく堪えてくれ。では一旦失礼する。食事の時に、また来るよ」
そう言って立ち去ろうとするガルフェインだったが、ハッとしたようにシエラを見つめる。
「そうだ。シエラの好きな動物を教えてくれ」
「動物、ですか? そうですね......子供の頃、子犬を飼っていました。すぐに死んでしまいましたが、とても可愛かったの覚えています。私は、犬が好きです」
シエラは記憶を探るように視線を巡らし、そう答えた。
「少し待て」
ガルフェインは「実体幻影」で子犬を作り出した。子犬は元気にキャンキャンと吠え、シエラに向かって駆けていく。
「まぁ! なんて可愛らしい!」
じゃれる子犬を撫でながら、シエラは楽しそうに笑う。
「ふふっ。これで寂しくないだろう?」
「はい、寂しくありません。お心遣い、感謝致します」
満足そうなシエラを見て、ガルフェインは薄く微笑んだ。そして「物質転送」を使い、窓もドアもないその部屋を出る。
それから謁見の間へと向かう。急遽、奴隷省のローク大臣から連絡が入り、魔王への謁見を願い出てきたのだ。ファリアンヌは既に部屋にいる筈だ。ガルフェインも側近として、側にいなくてはならない。
扉を開けると、ファリアンヌが玉座に座って退屈そうにしていた。周囲には近衛兵が数人控えている。
「来たわねガル。さぁ、私の側へ。キスして頂戴」
ガルフェインはファリアンヌの前にひざまずき、彼女の手の甲に口づけをする。
「何を勘違いしているの? そうじゃないわ。唇にしてほしいのよ。ほら、大臣共がやってくる前に早く!」
ガルフェインはわざと間違えた振りをしていた。ファリエッダとの婚約を破棄した際。彼はファリアンヌとキスをした。それは苦渋の決断だった。だが、全ては彼女の信頼を得て、ファリエッダの命を守る為。
ファリエッダは本来処刑される運命だったのだが、ガルフェインの申し出により、かろうじて追放処分にとどめる事が出来たのだ。
「さぁ、何をしているの? 早くキスしてよ、ガル」
そう言って笑うファリアンヌ。ガルフェインは覚悟を決めて立ち上がった。
(すまない、エッダ)
ガルフェインはファリアンヌの顎に指を添え、唇を近づける。だがその時、扉をノックする音が響いた。
「申し上げます! 奴隷省より、奴隷大臣ローク様が、魔王陛下への謁見に参りました! お通ししてもよろしいでしょうか!」
ファリアンヌがチッと舌打ちをする。
「通せ」
ファリアンヌは魔王の口調となり、ロークの謁見を許可した。彼女は現在、追放した自分の姉である「魔王ファリエッダ」を名乗っている。元老院に、そうするべきだと助言を受けたのだ。
召使いが扉を開け、奴隷大臣ロークが数人の近衛兵と共に謁見の間へと入ってくる。
「お久しぶりでございますファリエッダ陛下。本日は急ぎ伝えたい事がございまして参りました」
ロークはうやうやしく頭を下げ、魔王の前にひざまずく。
「一体何事だ。私は忙しいのだ。早く言え」
ファリアンヌはイライラと脚を組み替える。
「ははっ。実は近頃魔王城への奴隷の供給が多すぎる為、奴隷の数が不足しております。その為、奴隷省としては新たな奴隷使用規約を設けました」
ロークはそう言って、魔王に規約書を提出した。
「なんだと?」
ファリアンヌは驚きながらもそれを受け取り、規約書を読む。
「馬鹿な......! 今後は奴隷への拷問禁止だと!? 殺すのも禁止! 体罰も禁止! 冗談ではないぞ! これではまるで、我々と対等ではないか!」
ファリアンヌは叫ぶ。規約書を破り棄てようとするが、破けない。規約書には精霊の力が施されており、正式な手続きを通った規約書は、簡単には破棄できないのだ。
「既に決定した事です。奴隷の事に関しては、奴隷省に全決定権がございますので。規約をお守りいただけないのであれば、今後一切、魔王城への奴隷供給は停止致します。元はと言えば、魔王城での奴隷への虐待や処刑が今回の改定の原因ですので」
ロークはそう言って頭をさげ、それから立ち上がる。
「ではくれぐれも宜しくお願い致しますよ。魔王......ファリエッダ様」
ロークはそう言ってもう一度頭を下げ、謁見の間を立ち去った。
「生意気な! 奴隷大臣風情が! ああもう! 奴隷に拷問出来ないなんて、これからどうやってストレス解消したらいいのよ!」
ファリアンヌは玉座を蹴り飛ばし、何度も踏みつけた。
その様子を冷めた目で見つめながら、ガルフェインは心の中で「ざまぁみろ」と思っていた。
(間違いない。これはエッダの仕業だ。彼女なら、きっと何かやってくれると思っていた。ふふっ、この国は変わるぞ。エッダ、力をつけて戻ってこい。その時は今度こそ、俺も力になろう。シエラも生きているぞ!)
ガルフェインは、今頃は監獄を出て自由になっているだろうファリエッダを思い、自然と笑顔になっていた。
「あの、ありがとうございます、ガルフェイン様。私などを助けて頂いて」
少女はガルフェインが部屋に戻って来たのを見て、椅子から立ち上がってお辞儀をした。彼女は城で働く上級奴隷だった。それも魔王専属のメイドである。
ガルフェインは、断たれる運命だったその少女「シエラ」の命を、自らの特殊な能力で救った。
勇者及び魔勇者は、任命される際に女神の加護を受ける事が出来る。既に加護を受けている者も、追加でもう一つ授かるのだ。
ガルフェインの加護は生まれ持った「実体幻影」と、新たに授かった「物質転送」の二つである。
現魔王ファリアンヌの指示でシエラを斬る瞬間。ガルフェインはシエラを「物質転送」で隠し部屋へと転送し、「実体幻影」でシエラの死体を作成した。その場にいた者は、全員シエラが死んだと思った筈だ。作成されたシエラの死体は、上級奴隷である執事や召使いが裏山に捨てに行った。埋めた後、数時間程で消滅するだろう。
「あの、ガルフェイン様......?」
何も答えないガルフェインに、シエラはもう一度話しかける。
「すまない。考え事をしていたんだ。君を助けたのは、エッダの為だ。いつか彼女と会わせよう。だが、それまではここに隠れていて欲しい」
ガルフェインはシエラを労(いた)わるように、彼女の肩にそっと手を置いた。
「ありがとうございます、ガルフェイン様」
シエラはうっとりとした目で、ガルフェインを見つめた。
「いや、こちらこそ、巻き込んでしまってすまない。君は本来、こんな目に遭うべきではなかったんだ。俺に出来るかぎりの事はする。しばらく堪えてくれ。では一旦失礼する。食事の時に、また来るよ」
そう言って立ち去ろうとするガルフェインだったが、ハッとしたようにシエラを見つめる。
「そうだ。シエラの好きな動物を教えてくれ」
「動物、ですか? そうですね......子供の頃、子犬を飼っていました。すぐに死んでしまいましたが、とても可愛かったの覚えています。私は、犬が好きです」
シエラは記憶を探るように視線を巡らし、そう答えた。
「少し待て」
ガルフェインは「実体幻影」で子犬を作り出した。子犬は元気にキャンキャンと吠え、シエラに向かって駆けていく。
「まぁ! なんて可愛らしい!」
じゃれる子犬を撫でながら、シエラは楽しそうに笑う。
「ふふっ。これで寂しくないだろう?」
「はい、寂しくありません。お心遣い、感謝致します」
満足そうなシエラを見て、ガルフェインは薄く微笑んだ。そして「物質転送」を使い、窓もドアもないその部屋を出る。
それから謁見の間へと向かう。急遽、奴隷省のローク大臣から連絡が入り、魔王への謁見を願い出てきたのだ。ファリアンヌは既に部屋にいる筈だ。ガルフェインも側近として、側にいなくてはならない。
扉を開けると、ファリアンヌが玉座に座って退屈そうにしていた。周囲には近衛兵が数人控えている。
「来たわねガル。さぁ、私の側へ。キスして頂戴」
ガルフェインはファリアンヌの前にひざまずき、彼女の手の甲に口づけをする。
「何を勘違いしているの? そうじゃないわ。唇にしてほしいのよ。ほら、大臣共がやってくる前に早く!」
ガルフェインはわざと間違えた振りをしていた。ファリエッダとの婚約を破棄した際。彼はファリアンヌとキスをした。それは苦渋の決断だった。だが、全ては彼女の信頼を得て、ファリエッダの命を守る為。
ファリエッダは本来処刑される運命だったのだが、ガルフェインの申し出により、かろうじて追放処分にとどめる事が出来たのだ。
「さぁ、何をしているの? 早くキスしてよ、ガル」
そう言って笑うファリアンヌ。ガルフェインは覚悟を決めて立ち上がった。
(すまない、エッダ)
ガルフェインはファリアンヌの顎に指を添え、唇を近づける。だがその時、扉をノックする音が響いた。
「申し上げます! 奴隷省より、奴隷大臣ローク様が、魔王陛下への謁見に参りました! お通ししてもよろしいでしょうか!」
ファリアンヌがチッと舌打ちをする。
「通せ」
ファリアンヌは魔王の口調となり、ロークの謁見を許可した。彼女は現在、追放した自分の姉である「魔王ファリエッダ」を名乗っている。元老院に、そうするべきだと助言を受けたのだ。
召使いが扉を開け、奴隷大臣ロークが数人の近衛兵と共に謁見の間へと入ってくる。
「お久しぶりでございますファリエッダ陛下。本日は急ぎ伝えたい事がございまして参りました」
ロークはうやうやしく頭を下げ、魔王の前にひざまずく。
「一体何事だ。私は忙しいのだ。早く言え」
ファリアンヌはイライラと脚を組み替える。
「ははっ。実は近頃魔王城への奴隷の供給が多すぎる為、奴隷の数が不足しております。その為、奴隷省としては新たな奴隷使用規約を設けました」
ロークはそう言って、魔王に規約書を提出した。
「なんだと?」
ファリアンヌは驚きながらもそれを受け取り、規約書を読む。
「馬鹿な......! 今後は奴隷への拷問禁止だと!? 殺すのも禁止! 体罰も禁止! 冗談ではないぞ! これではまるで、我々と対等ではないか!」
ファリアンヌは叫ぶ。規約書を破り棄てようとするが、破けない。規約書には精霊の力が施されており、正式な手続きを通った規約書は、簡単には破棄できないのだ。
「既に決定した事です。奴隷の事に関しては、奴隷省に全決定権がございますので。規約をお守りいただけないのであれば、今後一切、魔王城への奴隷供給は停止致します。元はと言えば、魔王城での奴隷への虐待や処刑が今回の改定の原因ですので」
ロークはそう言って頭をさげ、それから立ち上がる。
「ではくれぐれも宜しくお願い致しますよ。魔王......ファリエッダ様」
ロークはそう言ってもう一度頭を下げ、謁見の間を立ち去った。
「生意気な! 奴隷大臣風情が! ああもう! 奴隷に拷問出来ないなんて、これからどうやってストレス解消したらいいのよ!」
ファリアンヌは玉座を蹴り飛ばし、何度も踏みつけた。
その様子を冷めた目で見つめながら、ガルフェインは心の中で「ざまぁみろ」と思っていた。
(間違いない。これはエッダの仕業だ。彼女なら、きっと何かやってくれると思っていた。ふふっ、この国は変わるぞ。エッダ、力をつけて戻ってこい。その時は今度こそ、俺も力になろう。シエラも生きているぞ!)
ガルフェインは、今頃は監獄を出て自由になっているだろうファリエッダを思い、自然と笑顔になっていた。
0
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
嫌味なエリート治癒師は森の中で追放を宣言されて仲間に殺されかけるがギフト【痛いの痛いの飛んでいけぇ〜】には意外な使い方があり
竹井ゴールド
ファンタジー
森の中で突然、仲間に追放だと言われた治癒師は更に、
「追放出来ないなら死んだと報告するまでだ、へっへっへっ」
と殺されそうになる。
だが、【痛いの痛いの飛んでけぇ〜】には【無詠唱】、【怪我移植(移植後は自然回復のみ)】、【発動予約】等々の能力があり·······
【2023/1/3、出版申請、2023/2/3、慰めメール】
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
金喰い虫ですって!? 婚約破棄&追放された用済み聖女は、実は妖精の愛し子でした ~田舎に帰って妖精さんたちと幸せに暮らします~
アトハ
ファンタジー
「貴様はもう用済みだ。『聖女』などという迷信に踊らされて大損だった。どこへでも行くが良い」
突然の宣告で、国外追放。国のため、必死で毎日祈りを捧げたのに、その仕打ちはあんまりでではありませんか!
魔法技術が進んだ今、妖精への祈りという不確かな力を行使する聖女は国にとっての『金喰い虫』とのことですが。
「これから大災厄が来るのにね~」
「ばかな国だね~。自ら聖女様を手放そうなんて~」
妖精の声が聞こえる私は、知っています。
この国には、間もなく前代未聞の災厄が訪れるということを。
もう国のことなんて知りません。
追放したのはそっちです!
故郷に戻ってゆっくりさせてもらいますからね!
※ 他の小説サイト様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる