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魔王から奴隷へ。
第7話 処刑場。
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異空間での長い戦闘訓練を終えた私達は、現実世界に戻ってきた。私もネリスも牢屋の床に座り、手を握り合っていた。
「二人とも見つめあっちゃって、どうしたの?」
ミルダが面白そうに、私達をからかう。異空間では一年程過ごしたが、こちらの世界では、時が止まっていたのだ。これほど長く異空間にとどまっていたのは私にとっても初体験だった為、いささか戸惑う。
「アリエッタ......戻ってきたんだね、僕達」
「うん。戻ってきた。ネリスの手、暖かい」
「アリエッタの手も、あったかいよ」
異空間でも触れ合う事は出来たが、やはり仮想空間と現実世界では感じ方が違う。久しぶりの感触に、私達は喜びを感じ合っていた。
「ええー!? ちょっ、ちょっと! あれ? そんなに仲良かったっけ!? なんかいきなりイチャイチャし始めてびっくりなんだけど!?」
フォリーが口を両手で塞ぎ、「キャー!」とはしゃぐ。
「いきなり......? ああ、そうか。こっちの世界は」
「あはは、そうだよ。あの一年は、私達だけのもの」
私はそう言って、ネリスの額に自分の額をくっつけた。至近距離で見つめ合い、笑い合う。
「ねぇ、二人ともさ! これからヘルハウンドと闘うのに、準備とか、しとかなくていいの!?」
ミルダが焦ったように叫ぶ。だが私もネリスも余裕の表情だ。
「準備ならできてる。いつでも闘えるよ」
ネリスはそう言って立ち上がる。
「あれ、ネリス髪の毛......色が変わってる! それに目も! なんか、アリエッタみたいだね!」
ミルダが目を丸くして、ネリスを正面から見据える。ネリスの髪は半分が黒で、半分は銀色。目は赤。つまり私と同じく、半魔人になっていた。
「異空間収納」の中には、処刑されてしまった私の両親の遺体を保存してあった。仮想空間の教会。そこの霊園に、埋葬してある。
ネリスは生まれつき「女神の加護」をその身に宿していた。加護の名前は「融合進化」。他の生物の一部を取り込む事で、彼は劇的に進化する。
異空間収納の中では、物質が腐敗する事はない。私は先代の魔王だった母の血液を魔術で取り出し、ネリスに飲ませた。ネリスは半魔人となり、新たな力を手に入れた。
ちなみにネリスは、今まで野菜しか食べた事がないらしい。つまり他の生物を体内に取り込むのは、初体験だっのだ。
「ああ、これね。うん。お揃いにしてみたんだ。どうやったかは内緒」
ネリスはそう言って、ミルダに片目を瞑ってみせる。たったそれだけの事なのに、私は心臓が締め付けられた。これはもしかしたら、嫉妬なのかも知れない。ミルダは可愛い。きっと私なんかよりもずっと。ネリスはミルダの事をどう思っているのだろう。そしてミルダ自身は、ネリスの事をどう思っているのだろうか。
「へぇ。本当に仲良しなんだね。なんだか妬けちゃうな。だけどお似合いだよ! 私は二人を応援する!」
ミルダはそう言って、私の手を引いて立ち上がらせた。そして私とネリスを抱きしめる。
「あはは、嬉しい。ありがとうミルダ」
私は明るく笑うミルダを見て、とても優しい気持ちになった。ネリスを見ると、彼も笑顔だった。フォリーも笑っている。私はミルダに嫉妬を抱いた事を反省した。
それから少しして、牢屋の鉄扉がドンドンと叩かれる。
「看守が来たわ。きっとパンデリン様の準備が整ったのよ」
フォリーがそう言って立ち上がり、鉄扉の上方についた小窓を開ける。すると案の定、見回りの看守が覗き込んできた。
「下級奴隷のネリスとアリエッタ。パンデリン様がお呼びだ。残りの二人にも観戦を許可する。一緒に来い」
「わかりました」
ネリスが返事を返すと看守は小窓を閉め、扉の鍵を開ける。開かれた扉から通路へ。看守の先導で、処刑場へと赴く。
このオークラルド大監獄は螺旋状の作りになっていて、中央にポッカリと穴が空いている。渦巻くように作られた各階には無数の牢獄があり、階ごとに数十人の看守が囚人を見張っている。
最上階は地上にあり、看守長の部屋やヘルハウンドの犬舎、そして重く巨大な鉄扉で閉じられた外への出入りがある。
螺旋の中心の穴から見える地下深く、最下層のフロアには処刑場がある。そこは下級奴隷達が自由を求めて闘う闘技場も兼ねており、囚人同士が戦わされる時もあった。
私達はグルグルと通路を回りながら降りて行き、処刑場へと到達した。すると上層階から身を乗り出した囚人達が、「頑張れよー!」と応援してくる。こう言った見世物がある時は、彼らも看守の見張り付きで観戦を許されているのだ。
「よく来たな、奴隷共。さぁ、せいぜい楽しませてくれよ。あっさり食われたんじゃ面白くないからな」
看守のパンデリンが処刑場の中央に立って私達を歓迎した。円形の舞台はかなり広く、壁は見上げる程高い。出入り口は今入ってきた一箇所のみ。
パンデリンの背後には、巨大な鉄格子。その奥にはよだれを垂らして唸り声を上げる巨大犬、ヘルハウンドが私達を睨んでいる。
「この剣を貸してやる。斬れ味は保証せんが、無いよりはマシだろうよ」
くくく、と笑いながら、パンデリンは錆びた剣を二本、私達に寄越した。
「ありがとうございます。頑張ります」
ネリスは謙虚に頭を下げて受け取った。私はパンデリンを睨みつけながら、無言で受け取る。
「チッ、生意気な態度だ。お前が真っ先に喰われる事を期待するぞ、アリエッタ」
パンデリンは吐き捨てるようにそう言うと、処刑場の出口から外へ出た。フォリーとミルダも、パンデリンと共に処刑場から出る。
「頑張ってね、二人とも」
「絶対に、死んじゃやだよ!」
フォリーとミルダが去り際に手を振った。私達も手を振って、それに答える。
その直後、出入り口に鉄格子が降りる。それと入れ替わるように、ヘルハウンドを閉じ込めていた鉄格子が上がった。
「二人とも見つめあっちゃって、どうしたの?」
ミルダが面白そうに、私達をからかう。異空間では一年程過ごしたが、こちらの世界では、時が止まっていたのだ。これほど長く異空間にとどまっていたのは私にとっても初体験だった為、いささか戸惑う。
「アリエッタ......戻ってきたんだね、僕達」
「うん。戻ってきた。ネリスの手、暖かい」
「アリエッタの手も、あったかいよ」
異空間でも触れ合う事は出来たが、やはり仮想空間と現実世界では感じ方が違う。久しぶりの感触に、私達は喜びを感じ合っていた。
「ええー!? ちょっ、ちょっと! あれ? そんなに仲良かったっけ!? なんかいきなりイチャイチャし始めてびっくりなんだけど!?」
フォリーが口を両手で塞ぎ、「キャー!」とはしゃぐ。
「いきなり......? ああ、そうか。こっちの世界は」
「あはは、そうだよ。あの一年は、私達だけのもの」
私はそう言って、ネリスの額に自分の額をくっつけた。至近距離で見つめ合い、笑い合う。
「ねぇ、二人ともさ! これからヘルハウンドと闘うのに、準備とか、しとかなくていいの!?」
ミルダが焦ったように叫ぶ。だが私もネリスも余裕の表情だ。
「準備ならできてる。いつでも闘えるよ」
ネリスはそう言って立ち上がる。
「あれ、ネリス髪の毛......色が変わってる! それに目も! なんか、アリエッタみたいだね!」
ミルダが目を丸くして、ネリスを正面から見据える。ネリスの髪は半分が黒で、半分は銀色。目は赤。つまり私と同じく、半魔人になっていた。
「異空間収納」の中には、処刑されてしまった私の両親の遺体を保存してあった。仮想空間の教会。そこの霊園に、埋葬してある。
ネリスは生まれつき「女神の加護」をその身に宿していた。加護の名前は「融合進化」。他の生物の一部を取り込む事で、彼は劇的に進化する。
異空間収納の中では、物質が腐敗する事はない。私は先代の魔王だった母の血液を魔術で取り出し、ネリスに飲ませた。ネリスは半魔人となり、新たな力を手に入れた。
ちなみにネリスは、今まで野菜しか食べた事がないらしい。つまり他の生物を体内に取り込むのは、初体験だっのだ。
「ああ、これね。うん。お揃いにしてみたんだ。どうやったかは内緒」
ネリスはそう言って、ミルダに片目を瞑ってみせる。たったそれだけの事なのに、私は心臓が締め付けられた。これはもしかしたら、嫉妬なのかも知れない。ミルダは可愛い。きっと私なんかよりもずっと。ネリスはミルダの事をどう思っているのだろう。そしてミルダ自身は、ネリスの事をどう思っているのだろうか。
「へぇ。本当に仲良しなんだね。なんだか妬けちゃうな。だけどお似合いだよ! 私は二人を応援する!」
ミルダはそう言って、私の手を引いて立ち上がらせた。そして私とネリスを抱きしめる。
「あはは、嬉しい。ありがとうミルダ」
私は明るく笑うミルダを見て、とても優しい気持ちになった。ネリスを見ると、彼も笑顔だった。フォリーも笑っている。私はミルダに嫉妬を抱いた事を反省した。
それから少しして、牢屋の鉄扉がドンドンと叩かれる。
「看守が来たわ。きっとパンデリン様の準備が整ったのよ」
フォリーがそう言って立ち上がり、鉄扉の上方についた小窓を開ける。すると案の定、見回りの看守が覗き込んできた。
「下級奴隷のネリスとアリエッタ。パンデリン様がお呼びだ。残りの二人にも観戦を許可する。一緒に来い」
「わかりました」
ネリスが返事を返すと看守は小窓を閉め、扉の鍵を開ける。開かれた扉から通路へ。看守の先導で、処刑場へと赴く。
このオークラルド大監獄は螺旋状の作りになっていて、中央にポッカリと穴が空いている。渦巻くように作られた各階には無数の牢獄があり、階ごとに数十人の看守が囚人を見張っている。
最上階は地上にあり、看守長の部屋やヘルハウンドの犬舎、そして重く巨大な鉄扉で閉じられた外への出入りがある。
螺旋の中心の穴から見える地下深く、最下層のフロアには処刑場がある。そこは下級奴隷達が自由を求めて闘う闘技場も兼ねており、囚人同士が戦わされる時もあった。
私達はグルグルと通路を回りながら降りて行き、処刑場へと到達した。すると上層階から身を乗り出した囚人達が、「頑張れよー!」と応援してくる。こう言った見世物がある時は、彼らも看守の見張り付きで観戦を許されているのだ。
「よく来たな、奴隷共。さぁ、せいぜい楽しませてくれよ。あっさり食われたんじゃ面白くないからな」
看守のパンデリンが処刑場の中央に立って私達を歓迎した。円形の舞台はかなり広く、壁は見上げる程高い。出入り口は今入ってきた一箇所のみ。
パンデリンの背後には、巨大な鉄格子。その奥にはよだれを垂らして唸り声を上げる巨大犬、ヘルハウンドが私達を睨んでいる。
「この剣を貸してやる。斬れ味は保証せんが、無いよりはマシだろうよ」
くくく、と笑いながら、パンデリンは錆びた剣を二本、私達に寄越した。
「ありがとうございます。頑張ります」
ネリスは謙虚に頭を下げて受け取った。私はパンデリンを睨みつけながら、無言で受け取る。
「チッ、生意気な態度だ。お前が真っ先に喰われる事を期待するぞ、アリエッタ」
パンデリンは吐き捨てるようにそう言うと、処刑場の出口から外へ出た。フォリーとミルダも、パンデリンと共に処刑場から出る。
「頑張ってね、二人とも」
「絶対に、死んじゃやだよ!」
フォリーとミルダが去り際に手を振った。私達も手を振って、それに答える。
その直後、出入り口に鉄格子が降りる。それと入れ替わるように、ヘルハウンドを閉じ込めていた鉄格子が上がった。
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