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第1部 勇者令嬢アキラ
第4話 公爵令嬢アーキュラ・スチュアート。
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私の頭に、記憶が奔流のように押し寄せる。かつて公爵令嬢「アーキュラ・スチュアート」として生まれ、王子と婚約するも破棄された事。そして悪役令嬢としてヒロインおよび王子に逆転ざまぁし、その直後に勇者としてこの世界に召喚された事も。
そして理解した。何故私が、クラウドに自らの封印を頼んだのか。
「アキラ様。お慕い申し上げております」
「ディアナ姫、私は女ですよ?」
「構いません。私と、結婚して下さい」
私が魔王との和解を果たし、スカイフォール王国が救われた日。ディアナ姫は、私に求婚した。私も同性でありながら、彼女を愛していた。
「ならぬ。いくらアキラ殿が、救国の英雄であっても。女同士の結婚など、許せるはずがない」
ディアナの父、先代国王ヴァリアスは私たちの結婚に反対した。同性愛は、この国では認められていない。
「お父様、お願いです! 私はアキラ様無しでは生きられないんです!」
膝をつき、祈るように懇願するディアナ。私も同様にして、ヴァリアス王に気持ちを訴えた。
「陛下、私が実は男だった、と言う事にしていただいても構いません。世継ぎは作れませんが、養子を取る、と言う方法もございます。どうか、私たちの結婚をお許しください」
無理を承知で、私は頭を下げ続けた。正直、私は女らしい格好で胸も大きく、世間では「美少女勇者アキラ」として名が通っていた。今さら男だったと言うのには、かなり無理がある。
「やむを得ん。ならばアキラ殿、そなたに三つの条件を課そう」
国王が私に課した条件。それは私の封印へと繋がるものだった。
私は森で隠居生活を送っている賢者クラウドの元を訪れ、ディアナとの事を相談した。
「お前がそんなにもディアナ姫に本気だったとはな。俺と縁を戻す気は無いのか?」
クラウドと私は、かつて恋人同士だった。何度も肌を重ねた仲だ。
「ごめん。あなたの事は今でも好きだけど、私はディアナを守ると誓ったの。だから今言った条件を全てクリア出来るよう、魔術をかけて欲しい」
条件は三つ。1、完全な男になる事。2、不老不死の力をなくし、普通に歳をとる事。3、女である自覚、記憶を消す事。これら全てを満たさなければならない。
「変身の魔術と、記憶封印、それとスキル封印の魔術を折り重ねれば可能ではあるが......本当にいいんだなアキラ。後悔しないな?」
「うん、お願い。だけど一つだけ。もしも王国に再び危機が訪れて、私がその事で相談に来たら......元に戻して欲しい」
そう言った私を、クラウドは抱きしめる。
「わかった。アキラ、もう少し抱きしめていていてもいいか? もう女のお前に会えないかも知れないんだ。俺と愛し合った日々も、忘れてしまう。だから......」
「うん、いいよ。きっとディアナも許してくれると思う」
私はクラウドの気が済むまで、抱きしめさせてあげた。クラウドは泣いていた。
「ありがとう、アキラ。愛してる。じゃあ、魔術かけるぞ」
「......うん」
クラウドの魔術で、私は何のスキルも持たない、普通の少年になった。今思えば、顔はほとんど変わっていなかったけど、男っぽい印象になっていた。胸もぺったんこで、少し筋肉がついた。
記憶を失った私は、この国の人々の事は覚えていたけど、自分自身の事は一切覚えていなかった。クラウドに魔術で城へと送ってもらい、ディアナとヴァリアス王に新たな記憶を刷り込まれた。
「孤児だったそなたは教会で育ち、敬虔なルクリエ教徒である私と妻が引き取った。我が養子となったのだ。今後はディアナの夫となり、このスカイフォール王国を守って欲しい」
「幼い頃よりお慕いしております、アキラお兄様」
二人の言う事は真っ赤な嘘だったけど、私の為についてくれた、優しい嘘だ。
私は二人を信じた。ディアナを愛している事は、しっかり覚えていたし、疑う理由はなかった。それから十年程して、娘のリーファが私たち夫婦の元へとやってきた。幸せだった。
それを、あのクズ勇者が......!私から全て奪ったんだ!
「思い出したわクラウド!自分の力の使い方も! この力で私は......! あいつを殺す!」
わなわなと拳を震わす私を見て、クラウドは優しく抱きしめてきた。
「落ち着けよ。お前が人を殺したなんて知ったら、ディアナもリーファも悲しむぞ。殺さなくたって、他にもヨシオを懲らしめる方法は沢山あるさ。それにまずは、「夢」を食べて力を回復しなきゃならない。そうだろ?」
「まぁ、それもそうね」
クラウドのお陰で、少し落ち着いた。
夢を喰らうという、幻獣バク。私はその力を具現化したスキル「夢喰い」を身につけていた。ヨシオと同様、勇者召喚で異世界を渡る時に身に付けた力だ。夢喰いは夢を食べる事で、様々な追加スキルを獲得できる。
だが「不老不死」だけは、最初から備わっていた。バクは不老不死なのだ。
「封印されてた影響で、【不老不死】以外のスキルは全部無くなってる。また一から集め直しね」
「フッ、そうだな。ならまずは、俺の夢を食べると良い。また前みたいに、一緒に寝るか?」
クラウドは「よっ」と言って私をお姫様抱っこし、二階への階段を上り始めた。
「寝るのはいいけど、変な事しないでよ?」
「わかってるよ。寝るだけだ。添い寝してくれればそれでいい」
「わ、私にはディアナがいるんだから! 本当に変な事しないでね!? もしエッチな事したら、絶交だからね!」
「わかったわかった。何もしないさ」
うう......ちょっとだけ心配だけど、信じよう。うん。親友だしね。
そして理解した。何故私が、クラウドに自らの封印を頼んだのか。
「アキラ様。お慕い申し上げております」
「ディアナ姫、私は女ですよ?」
「構いません。私と、結婚して下さい」
私が魔王との和解を果たし、スカイフォール王国が救われた日。ディアナ姫は、私に求婚した。私も同性でありながら、彼女を愛していた。
「ならぬ。いくらアキラ殿が、救国の英雄であっても。女同士の結婚など、許せるはずがない」
ディアナの父、先代国王ヴァリアスは私たちの結婚に反対した。同性愛は、この国では認められていない。
「お父様、お願いです! 私はアキラ様無しでは生きられないんです!」
膝をつき、祈るように懇願するディアナ。私も同様にして、ヴァリアス王に気持ちを訴えた。
「陛下、私が実は男だった、と言う事にしていただいても構いません。世継ぎは作れませんが、養子を取る、と言う方法もございます。どうか、私たちの結婚をお許しください」
無理を承知で、私は頭を下げ続けた。正直、私は女らしい格好で胸も大きく、世間では「美少女勇者アキラ」として名が通っていた。今さら男だったと言うのには、かなり無理がある。
「やむを得ん。ならばアキラ殿、そなたに三つの条件を課そう」
国王が私に課した条件。それは私の封印へと繋がるものだった。
私は森で隠居生活を送っている賢者クラウドの元を訪れ、ディアナとの事を相談した。
「お前がそんなにもディアナ姫に本気だったとはな。俺と縁を戻す気は無いのか?」
クラウドと私は、かつて恋人同士だった。何度も肌を重ねた仲だ。
「ごめん。あなたの事は今でも好きだけど、私はディアナを守ると誓ったの。だから今言った条件を全てクリア出来るよう、魔術をかけて欲しい」
条件は三つ。1、完全な男になる事。2、不老不死の力をなくし、普通に歳をとる事。3、女である自覚、記憶を消す事。これら全てを満たさなければならない。
「変身の魔術と、記憶封印、それとスキル封印の魔術を折り重ねれば可能ではあるが......本当にいいんだなアキラ。後悔しないな?」
「うん、お願い。だけど一つだけ。もしも王国に再び危機が訪れて、私がその事で相談に来たら......元に戻して欲しい」
そう言った私を、クラウドは抱きしめる。
「わかった。アキラ、もう少し抱きしめていていてもいいか? もう女のお前に会えないかも知れないんだ。俺と愛し合った日々も、忘れてしまう。だから......」
「うん、いいよ。きっとディアナも許してくれると思う」
私はクラウドの気が済むまで、抱きしめさせてあげた。クラウドは泣いていた。
「ありがとう、アキラ。愛してる。じゃあ、魔術かけるぞ」
「......うん」
クラウドの魔術で、私は何のスキルも持たない、普通の少年になった。今思えば、顔はほとんど変わっていなかったけど、男っぽい印象になっていた。胸もぺったんこで、少し筋肉がついた。
記憶を失った私は、この国の人々の事は覚えていたけど、自分自身の事は一切覚えていなかった。クラウドに魔術で城へと送ってもらい、ディアナとヴァリアス王に新たな記憶を刷り込まれた。
「孤児だったそなたは教会で育ち、敬虔なルクリエ教徒である私と妻が引き取った。我が養子となったのだ。今後はディアナの夫となり、このスカイフォール王国を守って欲しい」
「幼い頃よりお慕いしております、アキラお兄様」
二人の言う事は真っ赤な嘘だったけど、私の為についてくれた、優しい嘘だ。
私は二人を信じた。ディアナを愛している事は、しっかり覚えていたし、疑う理由はなかった。それから十年程して、娘のリーファが私たち夫婦の元へとやってきた。幸せだった。
それを、あのクズ勇者が......!私から全て奪ったんだ!
「思い出したわクラウド!自分の力の使い方も! この力で私は......! あいつを殺す!」
わなわなと拳を震わす私を見て、クラウドは優しく抱きしめてきた。
「落ち着けよ。お前が人を殺したなんて知ったら、ディアナもリーファも悲しむぞ。殺さなくたって、他にもヨシオを懲らしめる方法は沢山あるさ。それにまずは、「夢」を食べて力を回復しなきゃならない。そうだろ?」
「まぁ、それもそうね」
クラウドのお陰で、少し落ち着いた。
夢を喰らうという、幻獣バク。私はその力を具現化したスキル「夢喰い」を身につけていた。ヨシオと同様、勇者召喚で異世界を渡る時に身に付けた力だ。夢喰いは夢を食べる事で、様々な追加スキルを獲得できる。
だが「不老不死」だけは、最初から備わっていた。バクは不老不死なのだ。
「封印されてた影響で、【不老不死】以外のスキルは全部無くなってる。また一から集め直しね」
「フッ、そうだな。ならまずは、俺の夢を食べると良い。また前みたいに、一緒に寝るか?」
クラウドは「よっ」と言って私をお姫様抱っこし、二階への階段を上り始めた。
「寝るのはいいけど、変な事しないでよ?」
「わかってるよ。寝るだけだ。添い寝してくれればそれでいい」
「わ、私にはディアナがいるんだから! 本当に変な事しないでね!? もしエッチな事したら、絶交だからね!」
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うう......ちょっとだけ心配だけど、信じよう。うん。親友だしね。
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