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第1部 勇者令嬢アキラ
第1話 チートな勇者、制御不能です。
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「くそっ! どっちに行きやがった! あの国王!」
「早く捕まえないと、勇者様に殺されるぞ!」
殺気立つ兵士達。少し前までは、私の部下だった者達だ。
背の高い木が鬱蒼と茂る、暗い森の中。追手を逃れ、私は走りつづけた。
足音が迫る。木の陰に隠れ、どうにかやり過ごす。
「はぁ、はぁ、はぁ......」
息が苦しい。最近運動なんて、めっきりしなくなっていた。王の職務はほとんど体を使わない。
「勇者など、召喚するのではなかったな......」
ぼそり、と私は独りごちた。呟かずにはいられなかった。目的地まではあと少し。息を潜め、最速で進まねばならない。
何故、こうなった。私は注意深く走りながら、こうなった経緯を回想した。
一時間程前。スカイフォール城、謁見の間。
「勇者ヨシオよ! 我が召喚に応じ、よくぞ参った!世界を渡る際、そなたには特殊で強力なスキルが備わっておるはず! その力で、我が国を脅かす魔王を打ち倒して欲しい!」
私は国王の威厳たっぷりに、高らかとそう言い放った。
キョトンとした顔で魔術陣の中心に立つ少年は、見たところ十代後半。数人の魔術士が力を合わせ、苦労して呼び出した異世界の勇者。へんてこりんな衣服を身につけている。
「召喚? うわー、まじだ。 ついに俺にも異世界転移きたコレ。あんた王様だよね? うわー、すっげぇすっげぇ! スキルって、ゲームとかによくあるあのスキル?」
ヨシオは顔を紅潮させ、興奮した様子で私に詰め寄った。なんか無礼なヤツ来たなオイ。周囲で見守る魔術士や貴族、そして私の両脇に控える王妃と王女が騒めき、近衛兵が身構える。
私は右手を挙げ、近衛兵を制した。なるべく事は荒だてたくない。冷静さを保ちつつ、にこやかに言葉を続けた。
「うむ、そうだ。私はこのスカイフォール王国の王、アキラ・スカイフォールである。そなたが言うゲームが、どういったゲームを指すのかは分からぬ。だがスキルや強さを確認するには、ステータスオープンと唱えるが良い。この世界では産まれたての赤子ですら使える、超低位魔術だ」
まぁ、ちょいと話を盛ったが、あながち間違いではない。言葉さえ喋れるようになれば、誰でも使える魔術だ。魔術免許すら必要ない。
「あー、やっぱそうなんだ。お約束だよね。んじゃいっちょ確認しますか。ステータスオープン」
本人にしか閲覧出来ないステータスを確認し、「おおおー!」と色めき立つヨシオ。
「すっげぇ! チートだ、チート! この力さえあれば、なんだって出来そうだ!」
ヨシオは手を叩いてはしゃいでいる。
「聞いてよおっさん! 俺のスキルすっげぇよ! やばいスキルが三つ! 三つもあるんだ! 今から一個ずつ教えてやるよ!」
おっさんと来たか。まぁいい。憤る近衛兵を、再び右手で制する。
「へへっ、聞いて驚くなよぉ~! まずは【無限収納】! 手のひらを当てたものなら、どんなに大きくても重くても、いくらでも異空間に収納出来る。例えばこんな風にね!」
ヨシオは近くに立っていた魔術士の杖を掴むと、ヒュッと杖をかき消した。
「なっ! なんと言う事を......!」
うろたえる魔術士。眉間にはシワを寄せ、ギリギリと歯を食いしばっている。
すまない、今は耐えてくれ。後で返してもらうから。
「へへー! すごいだろ! さてとお次は......そこの二人で実験しようかな」
私の妻、王妃ディアナと、娘である王女リーファを左右それぞれの指で差すヨシオ。こいつ一体何するつもりだ!?
「【洗脳】! 俺の奴隷になれ!」
「なんだと!?」
私は二人を守ろうと反射的に立ち上がるが、間に合わない。ヨシオの指先から稲妻がほとばしり、ディアナとリーファは体を震わせて「ああーっ!」と叫んだ。
「ぐふふ。成功した。お前ら、こっちに来て、俺にキスしろ」
「はい、勇者様......」
「仰せのままに......」
ディアナとリーファはまるで引き寄せられるかのようにヨシオの元へと歩き、奴の頰に両側からキスをした。
「うははは! いいねー! こりゃたまらんですわい! 今夜は童貞卒業かな? さぁ、次は俺の靴を舐めろ」
「喜んで......」
二人は同時に答えると、床に這いつくばってヨシオの靴をペロペロと舐めた。
騒然となる謁見の間。私の脳裏に、出会ったばかりの頃の妻の姿と、まだ赤ん坊だった時の娘が浮かぶ。
私の愛する者たちに、何という非道な行いを......!
ブチッ。私の中で何かがキレる音がした。
剣を構える十人の近衛兵たち。魔術士達も杖を構える。
「陛下、まさか、この場に及んでまだ堪えるつもりではないでしょうな!?」
近衛兵士長のロデオが、目を血走らせて叫ぶ。
「もはや堪えるつもりなどない! この狼藉者を、ただちにひっ捕らえよ!」
「はっ! かしこまりました!」
兵士達はジリジリとヨシオに詰め寄っていき、魔術士達も呪文の詠唱を始める。
一気に攻め込まないのは、ヨシオがディアナとリーファを盾にする可能性があるからだ。現在、二人は立ち上がってヨシオに抱きついている。ヨシオは二人の胸や尻を揉んで、鼻の下を伸ばしている。くっ! リーファはまだ十歳だと言うのに......!
「勇者様、お戯れを......お父様の前ですのに」
「ここではいけません、勇者様。主人が見ていますわ......」
「へへっ。それがいいんだよ」
このクソガキ!殺してやる......!
「早く捕まえないと、勇者様に殺されるぞ!」
殺気立つ兵士達。少し前までは、私の部下だった者達だ。
背の高い木が鬱蒼と茂る、暗い森の中。追手を逃れ、私は走りつづけた。
足音が迫る。木の陰に隠れ、どうにかやり過ごす。
「はぁ、はぁ、はぁ......」
息が苦しい。最近運動なんて、めっきりしなくなっていた。王の職務はほとんど体を使わない。
「勇者など、召喚するのではなかったな......」
ぼそり、と私は独りごちた。呟かずにはいられなかった。目的地まではあと少し。息を潜め、最速で進まねばならない。
何故、こうなった。私は注意深く走りながら、こうなった経緯を回想した。
一時間程前。スカイフォール城、謁見の間。
「勇者ヨシオよ! 我が召喚に応じ、よくぞ参った!世界を渡る際、そなたには特殊で強力なスキルが備わっておるはず! その力で、我が国を脅かす魔王を打ち倒して欲しい!」
私は国王の威厳たっぷりに、高らかとそう言い放った。
キョトンとした顔で魔術陣の中心に立つ少年は、見たところ十代後半。数人の魔術士が力を合わせ、苦労して呼び出した異世界の勇者。へんてこりんな衣服を身につけている。
「召喚? うわー、まじだ。 ついに俺にも異世界転移きたコレ。あんた王様だよね? うわー、すっげぇすっげぇ! スキルって、ゲームとかによくあるあのスキル?」
ヨシオは顔を紅潮させ、興奮した様子で私に詰め寄った。なんか無礼なヤツ来たなオイ。周囲で見守る魔術士や貴族、そして私の両脇に控える王妃と王女が騒めき、近衛兵が身構える。
私は右手を挙げ、近衛兵を制した。なるべく事は荒だてたくない。冷静さを保ちつつ、にこやかに言葉を続けた。
「うむ、そうだ。私はこのスカイフォール王国の王、アキラ・スカイフォールである。そなたが言うゲームが、どういったゲームを指すのかは分からぬ。だがスキルや強さを確認するには、ステータスオープンと唱えるが良い。この世界では産まれたての赤子ですら使える、超低位魔術だ」
まぁ、ちょいと話を盛ったが、あながち間違いではない。言葉さえ喋れるようになれば、誰でも使える魔術だ。魔術免許すら必要ない。
「あー、やっぱそうなんだ。お約束だよね。んじゃいっちょ確認しますか。ステータスオープン」
本人にしか閲覧出来ないステータスを確認し、「おおおー!」と色めき立つヨシオ。
「すっげぇ! チートだ、チート! この力さえあれば、なんだって出来そうだ!」
ヨシオは手を叩いてはしゃいでいる。
「聞いてよおっさん! 俺のスキルすっげぇよ! やばいスキルが三つ! 三つもあるんだ! 今から一個ずつ教えてやるよ!」
おっさんと来たか。まぁいい。憤る近衛兵を、再び右手で制する。
「へへっ、聞いて驚くなよぉ~! まずは【無限収納】! 手のひらを当てたものなら、どんなに大きくても重くても、いくらでも異空間に収納出来る。例えばこんな風にね!」
ヨシオは近くに立っていた魔術士の杖を掴むと、ヒュッと杖をかき消した。
「なっ! なんと言う事を......!」
うろたえる魔術士。眉間にはシワを寄せ、ギリギリと歯を食いしばっている。
すまない、今は耐えてくれ。後で返してもらうから。
「へへー! すごいだろ! さてとお次は......そこの二人で実験しようかな」
私の妻、王妃ディアナと、娘である王女リーファを左右それぞれの指で差すヨシオ。こいつ一体何するつもりだ!?
「【洗脳】! 俺の奴隷になれ!」
「なんだと!?」
私は二人を守ろうと反射的に立ち上がるが、間に合わない。ヨシオの指先から稲妻がほとばしり、ディアナとリーファは体を震わせて「ああーっ!」と叫んだ。
「ぐふふ。成功した。お前ら、こっちに来て、俺にキスしろ」
「はい、勇者様......」
「仰せのままに......」
ディアナとリーファはまるで引き寄せられるかのようにヨシオの元へと歩き、奴の頰に両側からキスをした。
「うははは! いいねー! こりゃたまらんですわい! 今夜は童貞卒業かな? さぁ、次は俺の靴を舐めろ」
「喜んで......」
二人は同時に答えると、床に這いつくばってヨシオの靴をペロペロと舐めた。
騒然となる謁見の間。私の脳裏に、出会ったばかりの頃の妻の姿と、まだ赤ん坊だった時の娘が浮かぶ。
私の愛する者たちに、何という非道な行いを......!
ブチッ。私の中で何かがキレる音がした。
剣を構える十人の近衛兵たち。魔術士達も杖を構える。
「陛下、まさか、この場に及んでまだ堪えるつもりではないでしょうな!?」
近衛兵士長のロデオが、目を血走らせて叫ぶ。
「もはや堪えるつもりなどない! この狼藉者を、ただちにひっ捕らえよ!」
「はっ! かしこまりました!」
兵士達はジリジリとヨシオに詰め寄っていき、魔術士達も呪文の詠唱を始める。
一気に攻め込まないのは、ヨシオがディアナとリーファを盾にする可能性があるからだ。現在、二人は立ち上がってヨシオに抱きついている。ヨシオは二人の胸や尻を揉んで、鼻の下を伸ばしている。くっ! リーファはまだ十歳だと言うのに......!
「勇者様、お戯れを......お父様の前ですのに」
「ここではいけません、勇者様。主人が見ていますわ......」
「へへっ。それがいいんだよ」
このクソガキ!殺してやる......!
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