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第17話 事後処理班のお仕事。
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「それじゃあこの女の子が、色城なのか」
私はトイレから客席フロアに戻り、リカーナをホムラに引き合わせた。「事後処理班」と呼ばれる、冒険者の後始末を引き受ける政府直轄組織が、すでにフロアを元どおりにしていた。
現在は血まみれになったトイレの復旧に励んでいる筈だ。ごめんなさい。
「そうよ。【奴隷契約】で私の奴隷にしたから、殺さずにクエスト達成よ。今回は私の勝ちね、ホムラ」
「おまえ、そんなレアなスキル持ってたのか。フッ。ああ、やられたよ。私の負けだ」
ホムラが握手を求めて来たので、私は彼女の右手を握った。ゴツゴツとした戦士の手だった。
「ところで勇気は? もう帰った?」
「ああ。事後処理班の人たちに送られて行ったよ。でもまさか、勇気くんが今回の相手だったなんてな。一体どうやって知り合ったんだ?」
ホムラはリカーナに話を振った。
「私、勇気さんのファンクラブに入っているので......ファン感謝パーティの時にメアド貰ったんです」
「ふぅん。そうか。勇気くんって、そういうの全然警戒しないよなぁホント」
まるで知ったような口ぶりのホムラ。だがあえて追求はしない。何故なら、そんな余裕はないからだ。
「ホムラ、悪いんだけどさ。イグニス貸してくれないかな。早くリカーナをギルドに送ってあげたいの。止血はしたけど、指もくっつけてあげたいし」
「ん? ああ、そうか。気が利かなくてすまない。イグニス、彼女をギルドまで送ってくれるか? 安全にな」
「ああ、任せろ」
ホムラはリカーナをイグニスに乗せ、彼女の体を落ちないようにロープで固定した。
「これで振り落とされる事はないだろう」
「ありがとう。それじゃあリカーナ、気をつけてね。ギルドについたら私の奴隷だと言って。そして神術師に傷を治療してもらうといいよ」
「わかりました。ありがとうございます。それではギルドでお待ちしています」
リカーナが言い終わるのを待って、イグニスは風のように走り去って行った。
「さて、私たちも行くか」
「そうだね。タクシーで行こう」
私は店の前に停車していたタクシーに乗り込んだ。
「スーパー越後屋まで」
ギルドが隠されているスーパーの名前を告げ、出発する。到着までは三十分程かかるだろう。
私はホムラに聞いておきたい事があった。他の誰にも聞かれたくない、プライベートな話だ。
タクシーの運転席との間は防犯ガラスで仕切られており、防音にもなっている。ボタンを押してマイクとスピーカーを使えば、運転手と会話できる仕組みだ。ここなら安心して話せる。
私はトイレから客席フロアに戻り、リカーナをホムラに引き合わせた。「事後処理班」と呼ばれる、冒険者の後始末を引き受ける政府直轄組織が、すでにフロアを元どおりにしていた。
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「おまえ、そんなレアなスキル持ってたのか。フッ。ああ、やられたよ。私の負けだ」
ホムラが握手を求めて来たので、私は彼女の右手を握った。ゴツゴツとした戦士の手だった。
「ところで勇気は? もう帰った?」
「ああ。事後処理班の人たちに送られて行ったよ。でもまさか、勇気くんが今回の相手だったなんてな。一体どうやって知り合ったんだ?」
ホムラはリカーナに話を振った。
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「ホムラ、悪いんだけどさ。イグニス貸してくれないかな。早くリカーナをギルドに送ってあげたいの。止血はしたけど、指もくっつけてあげたいし」
「ん? ああ、そうか。気が利かなくてすまない。イグニス、彼女をギルドまで送ってくれるか? 安全にな」
「ああ、任せろ」
ホムラはリカーナをイグニスに乗せ、彼女の体を落ちないようにロープで固定した。
「これで振り落とされる事はないだろう」
「ありがとう。それじゃあリカーナ、気をつけてね。ギルドについたら私の奴隷だと言って。そして神術師に傷を治療してもらうといいよ」
「わかりました。ありがとうございます。それではギルドでお待ちしています」
リカーナが言い終わるのを待って、イグニスは風のように走り去って行った。
「さて、私たちも行くか」
「そうだね。タクシーで行こう」
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「スーパー越後屋まで」
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私はホムラに聞いておきたい事があった。他の誰にも聞かれたくない、プライベートな話だ。
タクシーの運転席との間は防犯ガラスで仕切られており、防音にもなっている。ボタンを押してマイクとスピーカーを使えば、運転手と会話できる仕組みだ。ここなら安心して話せる。
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