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第6話 ざまぁフラグ発生。
しおりを挟む「うるせーなぁ! 誰だよドラマごときでギャーギャー騒いでる奴は」
カウンターに座ってビールを待つ私の隣に、金髪で優男風の青年が座った。初めて見る顔だ。
「冒険者のくせに、ドラマなんかにうつつ抜かしてんじゃねーよ。 ホムラさんもだけどよ。それでいてあの人、SSS級だろ? 信じられねーぜ。 まぁお前みたいな雑魚なら、別に戦力にもならねーから何してようが勝手だけどな」
「はぁ!?」
何こいつ! ムカつく! 私だってSSS級だよ! 暗殺してやろうか!?
「はいよ、ビールだ」
青年がウダウダ言ってる横から、私の前にビールが置かれる。
「まぁ飲め。再会のお祝いだ」
「ありがとうマスター」
私はビールの大ジョッキに手を伸ばした。だが例のウザい青年が、それを横取りする。
「ちょっ、それ私の......」
あっという間に飲み干す青年。こ、こいつ......! ぶっ殺す!
「ぷっはー! やっぱビールは美味いぜ! しかもタダだしな! ごっそさん、G級の雑魚冒険者!」
「はぁ!? G級!? ざけんな! 私はね!」
「まぁ待てミーナ。 こいつのやった事は確かにムカつくだろうが、俺の顔に免じて許してくれ。ビールならもう一杯やる。それにお前がG級なのは事実だ」
え!?
「う、嘘......! 私、SSS級だったはず」
「それは【魔球】にいた時だろ? ここに来た新入りは、みんなG級スタートだ。 ホムラだって、コツコツやってSSS級まで登り詰めたんだよ」
「そ、そんな......」
私の威厳、まるっきり無しか。こんなヤツにまで舐められっぱなし? いや、だったらなればいい! SSS級に!
「ほら、これがお前の冒険者証だ。新人がギルド内に入ると、自動的に作成される。こいつはお前が新顔だって気づいてたんだ。このギルドには若い奴が多いからな。お前の前世での経歴を知ってるのは、俺とホムラくらいなもんさ」
マスターに渡された薄いカードには、ミーナとしての私の顔写真、名前、等級が書かれていた。
「ほら、やっぱりGランクの雑魚じゃねぇか。ケケケ」
くっ! ウザい! 脳みそえぐり出すぞコンニャロー!
「マスター、手っ取り早く等級あげるには、どうすればいい?」
前世では、地道にキャリアを積み重ねていた。だけど今は、そんな余裕ない。私は真剣な眼差しで、マスターを見つめた。
「難易度が高いクエストをこなすか......それか、決闘だな」
「決闘って何?」
私の前世では、そんなシステムなかった。
「ああ、それな」
私はマスターに質問したのに、何故か割って入るウザ男。
「雑魚は知らねぇだろうが、冒険者同士で対戦すんだよ。ちなみに俺はSS級。ホムラさんに次ぐランキング二位の実力者だぜ。俺とやればSS級になれる。どうだ、決闘するか、雑魚! 俺が勝ったら、冒険者は辞めてもらうぜ! あと、奴隷になれ!」
ウザ男がドヤ顔でのたまう。あはっ! こりゃいい! ざまぁチャンス到来!
「いいね! やろうやろう!」
私はお代わり大ジョッキを一気に飲み干し、立ち上がってウザ男の襟首を掴んだ。
「雑魚はどっちか、たっぷり教えてあげる」
ウザ男は、私の気迫に少し怯えを見せた。今頃になって実力差に気づいたのかも知れない。だけどもう遅い。徹底的に追い込む!
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